このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

絶対迷宮秘密のおやゆび姫

未来は変わるなんて、うまいことを言ったもんだわ。

と、今すごく思うわ。

まさか、私を食べようとしていた王様が、私
にプロポーズしてくるなんて。

「私の妃になってほしい」

その言葉に、私は、耳を疑った。

でも、すごく嬉しくて。

こんなことが、あるんだ、と夢心地になった。

元の王様に戻った王様は、とても優しくて素敵で、断る理由もなかったから、私は、躊躇いもないまま承諾した。

「私みたいな村娘でも良いと言うのなら、私を貰ってください」と。

それからは、とても忙しい日々が続いた。

結婚式の準備が、国を挙げて進められたからだ。

国を回り、挨拶回りしたり、結婚式のプラン、ドレスの仕立て。

目の回る忙しさに、ただただ驚いた。

そして結婚式が、慎ましやかに、執り行われた。

誓いの言葉を告げ、指輪の交換。

そして、誓いのキス···。

初めてではなかったけど、すごく恥ずかしくて、顔が真っ赤になる。

「ふっ。可愛い妃だ」

「それを言うなら、あなたはすごく素敵だわ」と、強がり。

無事に終わった結婚式だけど、実感が正直湧かなかった。

でも、今日からは、同じ部屋で過ごすことになる。

否応なく実感してくるこれからの事に、胸がきつく締め付けられるような焦燥感を感じた。




ーーーーー




そして、1年後私達は、可愛い双子の子を授かった。

私は、王様に食べられる運命だと思ってた。

それは、違う形で食べられたのだけど、丸飲みされる運命から未来が変わって、本当に良かったと、私と王様は、赤ちゃんを抱いて微笑みあった。




1/1ページ
    スキ