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誉×月子

「じゃあ、また明日ね」

「はい」

また、寂しい言葉を告げる。

また明日。

早く、また明日なんて言わなくてもいいようになりたいんだけどな。

つまり、早く結婚したいんだ僕は。

でも、なかなか言い出せなくて、どうすればいいのか分からずにいた。

家族には、家元も継いだ事だし、早く月子ちゃんと結婚して、孫を見せなさいって言われてる。

そんな簡単に言うけど、覚悟が決まらないんだ。

結婚してください。

たったこれだけの言葉が出ないなんて・・・。

「誉さん、どうしたんですか?」

ああ、そっか、デート中だったんだ。

「今日は、ちょっと行きたい所があるんだ」

指を絡め、ある場所へ向かった。




「ここは・・・?」

「教会なんだ。ステンドグラスがすごく綺麗でね。君にも見せたいなって」

「そうなんですね」と言う彼女をつれ中に入った。

「わぁ・・・素敵ですね」

「でしょ?気に入った?」

「はい、とても」

2人で、指を絡めたまま、ステンドグラスをしばらく見つめて、僕は決心した。

「僕は、ここで結婚したいんだ。君と」

「え・・・?」

彼女を見ると、肩を抱き「僕と結婚してください。一生幸せにするよ?僕も君と結婚出来たら幸せなんだ。どうかな?」

少し離れ、彼女の顔を覗き込んでみると、涙をポロポロと流し、袖で拭う。

「ああ、そんな風にしたら腫れちゃうよふふ。」そう言って、ハンカチを取り出し拭ってあげる。

「ありがとう・・・ございます。嬉しくて」

「じゃあ」

「私こそお願いします」

涙声で、応えてくれる彼女が愛おしくて、僕は彼女と見つめあってキスをした。

「全部、僕が引き受けるからね。愛してる」

しばらくキスを繰り返していた。




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