比嘉 長編 初恋の人 (木手永四郎)
君の名は?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
初めてのファーストクラスに浮かれながら座席に沈み込んだ、やっと永四郎と沖縄に行けるんだと思うとニヤニヤが止まらない。
『花、そんなに気に入りましたか?』
「うん♡」
『プライベートジェットの方が早いんですがね…』
「だって、乗ってみたかったのファーストクラス♡」
『まぁ、キミがいいならそれでいいんですがね…帰りはビジネスに乗りたい何て言わないで下さいね』
「言わない♡」
クスッと笑った永四郎もいつもよりリラックスモードでホッとする、このお休みを取る為に忙しそうだったし、昨日の事もあったから… 心配かけちゃったし…
「永四郎、跡部さんにも何がお礼をしないと……お土産とか……どうしたらいい?」
『あぁ、気にしなくていいです、俺がキチンとお礼はしますから。』
「でも……」
『大丈夫です、それに……沖縄の土産って……何を贈るつもりです?』
「シーサーとか??」
『ククククククッ……』
「え?ダメ?魔除けだし…ダメかな……」
『まぁ……いいかも知れませんね…』
「跡部さんちに置いて貰えるシーサー探すから!」
『えぇ……そうしましょう。』
短いフライトを優雅に過ごしてあっという間に沖縄に着いた。
不安で潰れそうになったあの日とは違う
今日は隣に永四郎がいる
過去の傷をひとつひとつ癒して、大丈夫だよって自分に言い聞かせる
『花……行きましょう。』
「うん」
空港を出るとにこやかに手を振る姿が見えた。
?『永四郎ー!』
『平古場君、久しぶりですね』
平『おー!ひさしぶりさー!元気だったか?裕次郎が何時に着くか連絡くれてよー!あいー!花!!懐かしいなー結婚するって?良かったな永四郎!』
『えぇ……』
なんだかきゅっと胸が苦しくなって、皆と過ごした記憶が蘇る。
「っ……平古場くんっ……」
平『花、じゅんに良かったさ〜』
「うん、ありがと……」
平『永四郎、裕次郎は?』
『車を取りに行ってます。』
平『永四郎も知念も田仁志も裕次郎も本土に出たからよ……なんかよ……こうやってまた会えて……って、つまんねー話はいいか。今日はこの後どうするんば?』
『とりあえず、今日は式場を1ヶ所見に行って、ゆっくりするつもりです。』
平『じゃぁよー晩飯うちに食いに来ないか?』
『いいんですか?』
平『いいに決まってるさ、7時ぐらいでいいか?』
『えぇ、分かりました、ではそれぐらいに』
平『まかしとけ!美味いもん食わせてやっからよ!』
『あ、甲斐君、来ましたね、』
甲『あいー凛久しぶりさー!』
平『裕次郎〜!やー見違えたさー!』
甲『だろ?どーよ!』
平『彼女は出来たのかよ〜』
甲『……まぁ、もうすぐさ……多分……』
懐かしいこの感じ、見上げた永四郎も昔の顔に戻ってる
嬉しくて堪らなくて込み上げるものを我慢出来ない
『花……っ』
「ごめん、嬉しくて。」
『えぇ……俺もまたこうして花と皆で会えて嬉しいです。』
あの日のまま何も変わらないままこの日をもっと早く迎えられていたらどんなに良かったかと思うけれど、紆余曲折あってもこの日が来た事が嬉しい。
まだ心の隅で夢なら覚めないでと祈る私が居る、幸せ過ぎて信じられない、毎日がどこか現実離れし過ぎて戸惑ってる。
『甲斐君、今日はもう自由にして下さい。』
甲『いいんば?』
『えぇ、その車で家族に会いに行きなさいよ。林君も連れて行きなさい。俺達は2人でゆっくりしたいんでね』
甲『え、あ、うん。分かった。』
林『すみません、荷物の配送に手間どいまして…………???』
遅れて来たあみさんを皆がニヤリと見つめる。 不思議そうな顔のあみさんは何事かと私を見つめるけど、私はニッコリ笑って誤魔化す。
『そう言う事なんで、甲斐君しっかりしなさいよ、林君は甲斐君と行動して下さい。7時に平古場君の家で会いましょう』
林『え?え?社長?あのっ』
『詳しい話は甲斐君に聞いて下さい。』
『じゃぁ、平古場君後で!花、一旦ホテルに行きましょう』
「うん」
ニヤニヤする2人と、何が何だか分からないあみさんを置き去りにして私達はタクシーに乗り込んだ。
「あみさん、大丈夫かな?(笑)」
『クククッ…たまには強引に押した方がいい時もありますからね』
中々進展しない2人だけど、両思いなのは誰から見ても確定で本人達は相手の出方を見ているばかり。
昨日の事もあるからと強引にあみさんも沖縄に同行してもらった。
きっと永四郎は最初からこうするつもりだったのかもしれない
2人が上手くいってくれたら私も嬉しい
程近いホテルのスイートで早めの昼食をしながらのんびりとバルコニーから海を眺めた。
『今日はアイネスですね、ここからだと90分ぐらいかかりますね。』
「うん。」
『もう少しゆっくりしたら出発しましょう』
「うん!」
1週間しかない、決めなきゃ行けない事が沢山あるけど早く両親や友達や皆の前で永遠を誓いたい。
永四郎とずっと一緒にいられる証が欲しい
41/41ページ