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比嘉 長編 初恋の人 (木手永四郎)

君の名は?

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店に入ると賑やかな三線が響き渡っていた。 店主は待ってましたと奥の個室に案内してくれた

木『後で3人来ます、料理はお任せで、何か食べたい物は?』

「タコライスとゴーヤチャンプルー」

木『タコライスとゴーヤーチャンプルーを先に飲み物は?』

「シークヮーサージュースで」

木『じゃぁ、俺も同じ物を。』


バタリと個室の襖が閉まり、長テーブルに2人並んで息を吐いた。

木『疲れましたね、』

「うん」

木『真希さん、大丈夫でしたか?』

「うん、ちょっと怖いけど優しい人…よね?信頼出来る人だと思ったよ」

木『…はぁ…まぁ強引ですが悪い人ではありません…君が疲れないといいのですが…』

「大丈夫、私には永四郎が居るもん」

笑って永四郎の肩に頭を傾ける、大丈夫何も不安にならない、永四郎が隣に居てくれれば無敵な気がした。

木『ヘリに乗せられなければいいのですが…』

溜息を吐きながら永四郎はそっと私の髪を撫でた、見上げた永四郎は少し眉を下げて優しく笑う。

「大丈夫よ、永四郎…そんなに心配しないで」

木『えぇ…』



トントン……

運ばれて来たジョッキを手に取り乾杯!
一日の疲れも吹っ飛んでお腹が空く。


「あ〜おいし〜♡お腹空いた〜」

木『俺もです……1週間後には沖縄ですから、向こうでも美味しい物を食べましょうね…』

「楽しみ…永四郎と沖縄に行けるなんて夢みたい!」

木『えぇ…俺もまだ夢を見てるみたいです。毎日目が覚める度に君を見るまで怖くなる…』

「永四郎……」

木『………すみません……』

眼鏡の奥の瞳が揺れて伏せられた
そっと指を絡めて大丈夫ここに居るよと伝わる様に握りしめた。








ガラッ

甲『はいさい、太一連れて来たさー』

ドカドカと靴を脱いだ甲斐君の後ろにひょこっと顔を出し檀君はぺこりと頭を下げた。その後ろに林さんがニッコリして手をあげた。

木『早かったですね、』

甲『腹ぺこさー』
林「社長、私まで付いてきてしまってよろしかったんですか?」

木『えぇ、甲斐君の子守りをお願いします』

甲『子守りって…』

木『檀君、急に来てもらってすみません』

檀『い、いえ…… 』

木『まぁ、落ち着いて皆座りなさいよ』

掘り炬燵の長テーブルの向かいに檀君、甲斐君、林さんと並んだ。

木『飲み物は頼みましたか?』

林「はい」

木『檀君、明日から君には運転手と秘書をお願いしたい。』

檀『え、ぼ、僕が……』

木『えぇ、車はロールスロイス ゴーストが明日届きます。運転は出来ますね』

檀『は、はいです。他に必要な物があれば林君に頼んで下さい。 林君新しいタブレットとスマホを用意してあげて下さいね』

林「はい、直ぐに。」

檀『あ、あの…僕は…何方の…』

木『あぁ、そうですね、僕の妻の専属運転手と秘書を』

『……です、よろしくお願いします。檀君?…って呼べばいいのかな…』

壇『!!!はいっ…壇太一ですっ、よろしくお願いしますっ!!!』

木『執事とボディーガードも兼ねてますから、頼みます』

壇『ひぃ……頑張りますっ……』

甲『太一、なんくるないさー!やーあの亜久津仁のマネージャーだったんだろ?しかも海外飛び回ってさ、あの我儘王様に比べたらは女神さ!』

壇『……はいっ……奥様、僕がお守りしますです!』

「……お、奥様……っ……なんか慣れない……」

壇『……なんとお呼びしたら……』

「…………名前じゃダメ……なのかな……」


全員の脳裏に仁王立ちした真希の怖い笑顔が浮かぶ……

「……ま、真希さんに……聞いてからにする?」

『『『『そうですね……』』』』

全員が頷いた。

「恐らく、その場に応じた対応をしなさいって言われるから、こうして身内だけの時はでどうかな?」

木『そうですね、その辺の場面は読めるでしょ、誰かさんと違って』

甲『気をつけるさ……』

壇『……じゃぁ。さん……改めましてよろしくお願いします。』

「よろしく檀君!」





トントン……






運ばれて来たドリンクで乾杯して、次々に並ぶ料理を頂いた。
甲斐君以外はアルコールを追加しつつ、今後の予定や真希さんとの流れ、結婚式の話に花が咲いた

壇『そう言えば、お2人は何処で出会われたんですか?』

甲『やー覚えてないのか?遭難したキャンプよ!』

壇『……え、えええええ!!!!』

甲『もあの時一緒だったさ、』

壇『……もしかして……山田……さん……っ』

「名前覚えててくれたんだ……」

壇『……びっくり……です……お2人はあの時から……』

「まぁ、色々あったけど……ね?」

木『えぇ……』

壇『……運命の遭難キャンプだったんですね……さんは僕の事……』

「うん、何となく名前聞いたら思い出したよ、あの時は小さくて……あ、ごめん、失礼だよね……」

壇『いえ、僕は小さかったです、今は大きくなったので……!』

ニッコリ笑う顔には面影が残っている。
皆、昔話をしながら懐かしさに酔う

林『私もその頃に一緒に居たかった〜なんか青春って感じで羨ましいです!私なんてずーっと女子だけで、色恋なんてなかったし、部活もお淑やか〜ばっかりで……玉の輿に乗ることばかりが話題でした。』

「なんか、大変そう……」

林『女ばかりだと過酷です……私はバリバリ働きたかったから、社長の秘書になれて人生変わりました!』

木『それはどうも!君は誰よりも優秀な社員です!』

甲『俺は〜!木手ぇ〜!』

木『甲斐君は……まぁまぁです……』

甲『……まぁまぁ…………』

木『……まだ半年やそこらですからね……運転手だけじゃなくて第2秘書ぐらいにはなってもらわないと困ります。林君、甲斐君にもそろそろタブレットを渡しましょうかね』

林『はーい、明日用意します!』

木『あー、壇君、明日にでもオーダーでスーツを、これからは堅い場所にもと出ると思いますから、10着程好きな物を作るといい。』

壇『は、はい……ありがとうございますです。』

木『あ、今住んでる所も家のマンションに引っ越しませんか?部屋は空いてる所が……』

林『あります。』

壇『え、ええ!!あの大きなタワマンですか?』

木『えぇ、直ぐに来てもらいたい時に近くがいいでしょ?甲斐君もそうしてますし』

壇『うるうる……夢みたいですっ……』

甲『太一っ!良かったさー!』

木『必要な物は林君に、社員寮扱いですから、それとそれなりの給料を払います。運転手兼秘書、ボディーガード、執事……沢山あげなくてはいけませんね……ふっ』

壇『……が、頑張りますぅ!!』

木『気が抜けなくなりますから、も予定を入れる際はあまり詰め込まないようにしなさいよ。』

「はーい!」

木『しばらくは、真希さんが独占でしょうけど……壇君、ヘリに乗せられそうになったらなるべく阻止しなさい』

壇『は、はいですっ!僕、もっと体鍛えて強くなります!』


皆が優しくて、涙が出そうだよ……
こんなに幸せでいいのかな。


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