比嘉 長編 初恋の人 (木手永四郎)
君の名は?
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下に着くと甲斐君が待っててくれた。
甲『おはよう!! 』
「甲斐君!おはよ〜!」
木『さぁ、ちゃっちゃと終わらせますよ。』
甲『へーい!乗った!乗った!』
甲斐君に住所を教えると
甲『到着時間5分やっしー!なんだ近くに住んでたんだなー。』
木『花 、いつからそこに住んでるんです?』
「えっと、5年くらい前からかな…」
甲『どこかですれ違ってたかもしれないや〜まぁ、わんはまだ半年だけども…』
木『はぁ……こんなに近くに5年も……』
なんだか切ない空気感。。。
あっという間に着いたボロアパート
ん?トラック来てる……引越し屋さん?
木『積もる話は終わってからにしましょうね。』
引越し屋さんに挨拶をして部屋の鍵を開ける……散らかしてないよね……見られちゃ不味いもの……多分大丈夫……な筈。
6畳の部屋に私、永四郎、甲斐君、引っ越し屋さんの女性スタッフ3人、男性1人。
木『花 これを不要な物に貼ってください、まず家具家電から。』
「はいっ!!」
冷蔵庫、洗濯機、レンジ、トースター、ベットは処分。
貼り付けると男性陣がどんどん運び出して行く。
木『花 テーブルやソファーも新しく買ってあげますから処分しなさいよ。エレベーターが狭いですからね』
あぁ……そうだった。
引っ越す部屋は60階……
簡単に運べる訳じゃない。
もうこの際中身だけでいいじゃん!!
引越し屋さんに中身だけどんどん詰めてもらいながら、スーツケースに自分ですぐ使いたい物、大切なものを詰める。
充電器に化粧ポーチ、タブレットと、大切なクッキー缶。
木『皿とかコップはどうします?』
「いらないかな…」
木『賃貸契約書と、電気水道ガスの契約書どこです?』
「えっと、ここの引き出しに……」
木『後で全部連絡しましょうね…』
7人いればあっという間、半分以上は処分品。
ガランとしてしまった部屋、日本に帰国して1人で頑張って来た5年……
本当に辛かった。。。
私よく頑張ったよね…
スーツケースを引いて部屋を出た。
さよならぼっち生活ッ!!
4時間で引越し完了、甲斐君と3人でご飯を食べに行った。
入った事もない高級寿司店に手が震える
内心回転寿司が恋しいけれど、味は格別だった
甲斐君にお礼を言って家に戻る。
エレベーターを降りた所で永四郎が私を呼び止めた。
木『こっちの家にも慣れておかないといけませんね。』
左のドアを開きに行く。
ピッ…カチャ……
「……わぁ………」
向こうのお家は黒、グレーの落ち着いた感じ、こっちの家は柔らかいオフホワイト……
間取りは向こうと対象になっているみたい。
木『向こうの家に入ったのはハウスキーパーさんと花 だけです。』
「え、甲斐君は?」
木『…………今日初めて家に入れました』
「酷っ」
木『プライベート空間は守りたいですからね、花 も友達やご両親が来られたらこちらを使って下さい』
「……うん。こっちもお家も凄く素敵!! 」
木『あ、そうそう、向こうの家にもありますけど、このタブレットで買い物して下さいね。なんでも!』
「なんでも?」
木『はい、なんでも』
「…………」
木『好きな物は何でも買えばいいんです。それと、30階にコンビニ、薬局があるので覚えておいて下さい。』
「便利過ぎる。」
木『もっと下の階に住むべきだったと思ってますよ。 エレベーターが面倒でしょ。』
「確かに…」
木『ここに飽きたら、花 の好きな所にでも引っ越しましょう。あ、それとコレも渡しておきます。マスターキーとカード、支払いは全てこれで。』
本当にこの世に存在したのかブラックカード…… 手が震えた……
神様仏様……何この天国モード……