比嘉 長編 初恋の人 (木手永四郎)
君の名は?
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「笑わないでよ…結構ホントに…」
胸を押して永四郎を遠ざけると額にキスが降りてくる、それから優しい瞳で私を見つめる
『花、今日はお休みですか?』
「う、ん。」
『着替えはもうすぐクリーニングから戻ってきます。化粧はしなくても花 は十分綺麗ですよ。』
「……だって……もう29だし……」
『若ければいいってもんじゃないでしょうが。本当に綺麗になりましたね』
優しく頬を包まれて優しい目で見つめられると何も言えなくなる
『もう二度と君を離さない、だから安心しなさい。』
「うん。私も離れない」
『部屋は空いてます。今日引越ししますか?』
「……今日?」
『えぇ…』
「ここに?」
『離れたくないんでしょ?』
「…………」
『嫌なんですか?』
「嫌じゃない。」
『物分りのいい子は好きですよ、さぁ、そうと決まればグズグズしてないで髪を乾かしなさいよ。』
「うん。」
慌てるように髪を乾かし始めると、隣で永四郎も髪を整え始める。
2人ともソワソワ落ち着かない
鏡越しに目が合って笑い合う
神様仏様本当に感謝致します。
クリーニングから戻った一式に着替えるとリビングで永四郎は誰かと電話している。
『えぇ、今日は私用で手が離せないので、任せます。何かあったら連絡して下さいね。』
切ったと思ったらまた何処かにかけ始める
『あ、甲斐君?えぇ、残念ながら雪は積もりませんでしたね 笑、手配はどうなってます? えぇ、そうですか、分かりました。では下で。』
電話を切って行きましょうと促される。
『花 荷物は多いですか?』
「それなりに……」
『家電は想い入れがあるものは持って来ても良いですが、何かありますかね?』
「ううん、もう結構使い込んでるから」
『ベッドはどうします?』
「えっと……」
『喧嘩しても別々には寝ないって事にしましょうか…笑』
「うん。寝る前に仲直りしたい。」
『そうですね。あ、忘れない内にコレを、使い方を覚えて下さいね。』
手渡されたスマートウォッチ、永四郎のと同じ物?
『無くすと部屋に入れませんからね、』
「はい」
玄関を出て、丸い印の所に近付けると鍵が閉まった。 エレベーターも同じく。
『何かあった時は非常階段!まぁ、ここ60階ですけどね。』
「60!!!!!」
『甲斐君が58階に住んでますから、何かあったらすぐ来てくれますよ。エレベーターは地震があったら近くの階で止まりますから降りて下さい。それからね、そっちのドアも同じくコレで開きます。来客の時はそちらを使って下さい。』
「こっちも、永四郎の家って事?」
『えぇ、、このマンションが俺の持ち物って事です。』
「………………タワマン……」
『向かいのタワマンもね。』
「………………」