比嘉 長編 初恋の人 (木手永四郎)
君の名は?
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2つの金具を左手で外すとスルスルと行儀よく戻って行くベルト、花 の手を引いて車を降りる。
甲『永四郎っ……明日やー』
空気を読んだのか着いてこない甲斐君を見直しつつ左手を少し上げて合図すると車は地下駐車場の方へ発進した
広々としたエントランスを進みコンシェルジュが立ち上がる
コ『お帰りなさいませ木手様。』
にこやかなコンシェルジュに会釈しすぐ隣のエレベーターへ向かう、
他のエレベータードアとは違いボタンはない、黒塗りのドア横にある丸い印に時計を近付けると静かにドアが開いた。
何もしなくても最上階へ向かうエレベーターはこれ一機。
俺以外の住人は使う事はない。
「………」
『…………』
静か過ぎるエレベーターの中
外気で冷えていた手が少し暖かくなって来たのを感じる。
再び抱き締めたい衝動を我慢しながら階数が増えていくモニターを眺めた。
ポーン
開いたドアの先、左右に扉が1つづつ
右側の扉の前でセンサーに時計を挿頭すとカチャっとロックが外れた。
『花 …』
扉を引いて花 を促すと困った顔が俺を見上げる。
『俺の家です。』
少し戸惑った表情の花 の手を引き玄関に誘う、恐る恐る着いてくる可愛い人… 俺が悪い大人に育ったかも知れないのに、信じて着いてくるなんて……
カチャッ……
ロックされるドア、密室になった音が俺を自由にさせる……
繋いだままの手を引き寄せ再び腕の中に小さな君を捕まえて、奪えなかった唇を塞いだ…
優しく重ねて冷たい唇に熱を分ける…
額を付けて視線を合わせ、この場でどうにかしてしまいたい衝動を必死に堪えた。
『……ッ……二度と俺から逃げないと誓いなさい……』
「永四r……」
返事を待つ余裕なんてもうないんだ
NOとは言わせない、君の都合など構ってられない。
繋いだままの手を離すと両手で耳を塞ぎ唇を重ねた、花 の手が少しだけ俺の胸を押し返したが、その手が俺の服を握りしめるのに時間はかからなかった
ね、、花
昔教えたでしょ。
男は狼だから気を付けなさいよ……って…
11年分君を堪能しますから
覚悟しなさいね……