比嘉 長編 初恋の人 (木手永四郎)
君の名は?
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コンビニで夕飯を見繕い歩き出す
駅から徒歩20分
もっと駅近の物件にするべきだったと毎日思う
外観と家賃に惹かれて決めた昔の自分は
今より体力だけはあった、馬鹿だった。
それだけの理由で引っ越すのは惜しい気がしてどんなに疲れていても駅前のタクシーの誘惑には負けない。
途中までまぁまぁ普通の人生だったけれど、高校以降は人生ハードモードかもしれない。
良い事ばかりの人生なんてあるわけがないんだし、やるべき事をやるだけなんだけど。
ここんとこ少しぼんやりしている。
「なんかね…」
虚しさに襲われる
29歳の焦りってやつ?
焦ったって仕方ないのに
『そこのお姉さん。ちょっと』
「はい?」
絵に書いた様な易者のおば様がにっこりとこちらを見ている。
カモられる?私負のオーラ出まくりだった?
『幸せになりたいならいつもと違う道になさい』
「え…あ、はい。」
『気を付けてね』
会釈をしてそそくさと立ち去る
良かった、引き止められるかと思った。
いつもと違う道?
帰り道の事?
なんだか気になる一言を悶々と考えていたら家に着いた。
コンビニ飯をかき込んでカラスの行水。
ドライヤーも面倒くさくて半乾きのままベッドに寝転ぶ女子力0の私。
少し前までは頑張ってた
嫌味のない清楚系目指してた
そこそこお誘いだってあった…
ただ、疲れただけ。
スマホ片手に寝落ちる……
私今日も頑張った
……