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僕らがヒーローに出会った日

オールマイト『もう大丈夫だ少年少女!』

声のする方を見るとそこにはあのオールマイトがいた

オールマイト『私が来た!』

オールマイトはこちらに向かってくる

オールマイト『TEXAS……SMASH!!』

オールマイトが拳で殴ると風圧でヘドロが飛ばされる

僕ももれなく飛ばされるかと思った

出久はその場で気絶してしまう

引弾『出久!』

オールマイト『大丈夫かい少女!……同じ顔…』

僕達が双子なのが気になるのか一瞬僕と出久を交互に見た

引弾『ぼ、僕は大丈夫ですけど…出久が……』

オールマイトは出久に駆け寄り手で出久の頬を優しくぺちぺちと叩く

出久『……ん…へっ……ぁ』

オールマイト『良かったー!!』

引弾『出久!!』

出久『僕…ヘドロに襲われて……ってえぇぇぇぇ!オールマイト!??』

出久は憧れのヒーローに会えたからか飛び跳ねた

オールマイト『元気そうで何よりだ!いやぁ悪かったね。敵退治に巻き込んでしまった』

それにしても本当に笑ってるし画風が違う

オールマイト『いつもはこんなミスしないのだがオフだったのと慣れない土地でウカれちゃったかな?』

確かにここら辺にオールマイトの事務所ないよな

オールマイト『しかし君らのおかげさ!無事詰められた!』

オールマイトが手に持っているのはペットボトルに詰められた先程のヘドロだ

……え、待っていつの間に??はっや…

出久『はっ!そうだサイ、サイン!どっか…あ、このノートに』

出久はサインが欲しいのか床に落ちてしまったヒーローノートを広いあげる

しかしあるページをしてあると既にオールマイトのサインがしてある

え、まじで早い

出久『あ、ありありがとうございます!!家宝に!家の宝に!!』

引弾『あ、助けてくれてありがとうございます!』

僕も忘れずお礼を言う

オールマイト『じゃあ私はこいつを警察に届けるので!液晶越しにまた会おう!』

出久『え、そんな…もう?まだ…』

出久は何か聞きたいことがあるのかオールマイトとの別れを惜しんでいる

オールマイト『プロは常に時間との戦いさ』

オールマイトはそのまま飛び立とうとする

オールマイト『それでは今後とも応援よろしくねー!』

出久はオールマイトが飛び立つ前にオールマイトの足にしがみついた

僕も出久と離れないように出久の足を咄嗟に掴んだ

しかしオールマイトはそのまま飛び僕らは空を飛ぶことになった

空にて

オールマイト『ってコラコラーー!!放しなさい!熱狂がすぎるぞ?』

出久『い、今…放すと死…死んじゃ』

引弾『高い高い高い死ぬ高い!!!い、いず…無茶しすぎ…!』

オールマイト『確かに!』

出久『僕!あなたに直接…いろい…色々!』

オールマイト『オーケーオーケー!わかったから2人とも目と口閉じてなさい!』

僕らは言われた通り目と口を閉じた

既に地面が恋しい!!




屋上にて

出久『怖っかっった』

引弾『死ぬかと思った』

オールマイト『全く!階下の方に話せば下ろしてもらえるだろう。私はマジで時間がないので本当にこれで!』

出久『待って!あの!』

オールマイト『NO!待たない!』

オールマイトはすぐさまこの場から離れようとする

出久『個性がなくてもヒーローはできますか!?』

出久の言葉を聞いてオールマイトは止まった

出久『個性のない人間でもあなたみたいになれますか?』

出久が聞きたかったのはこの事だったのか

オールマイト『個性が……』

あれ、オールマイトからなんか白い煙がでてきた

なにあれ

出久はそれに気づかず俯きながら話す

出久『個性がないせいで……そのせいだけじゃないかもしれないけど、ずっと姉以外から馬鹿にされてきて……だからか分からないんですけど人を助けるってめちゃくちゃかっこいいって思うんです』

出久……

出久『恐れ知らずの笑顔で助けてくれる!あなたみたいな最高のヒーローに僕も』

出久が顔を上げると目の前にはオールマイトとは思えない男の人がいた

誰だあれ

出久『おぉぉあぁぁ!?』

出久もそれに気づき叫ぶ

出久『ひ、ひーちゃんオールマイトは!?』

引弾『た、多分目の前の人だと…思う?』

出久『うぇ、だってしぼんで…』

オールマイト『……私はオールマイトさ』

オールマイトらしき人は吐血しながらそう言う

出久『ウソだー!!!』

引弾『出久落ち着いて』

オールマイト『プールでよく腹筋力み続けてる人がいるだろう?アレさ!』

引弾『ウソだ!!!』

思わずツッコンでしまった

オールマイト『恐れ知らずの笑顔ね……見られたついでだ少年少女。間違ってもネットには書き込むな?』

オールマイトは着ているシャツをめくった

そこにはあまりにも痛々しい傷跡がある

オールマイト『5年前…敵の襲撃で負った傷だ』

出久『ひっ』

オールマイト『呼吸器官半壊胃袋全摘。度重なる手術と後遺症で憔悴してしまってね。私の今のヒーローとしての活動限界は今や1日3時間程なのさ』

出久『5年前……毒々チェーンソーと戦った時?』

引弾『よく覚えてるね出久』

オールマイト『あんなチンピラにやられはしないさ!これは世間には公表されていない。公表しないでくれと私が頼んだ』

オールマイトでもこんなことになるんだ

オールマイト『人々を笑顔で救い出す平和の象徴は決して悪に屈してはいけないんだ』

平和の象徴……か

オールマイト『私が笑うのはヒーローの重圧そして内に湧く恐怖から己を欺くためさ。プロはいつだって命懸けだよ。個性がなくとも成り立つとはとてもじゃないが……口にできないね』

引弾『そんな……』

オールマイト『少女の方は個性はあるのかい?』

引弾『は、はい』

オールマイト『それなら少年は少女のサポートでもして人を助ける手もある。夢見るのは悪いことじゃない。だが相応に現実も見なくてはな少年』

オールマイトはそう言い残すとその場から離れた

出久はすごく落ち込んでいるような……顔に力が入っていない様子だ

引弾『い、出久……とりあえずここから離れよう』

出久『………うん』

僕たちは屋上から降りた

帰り道

出久は魂が入っていないかのように目に見えて落ち込んでいる

出久『………本当は』

引弾『ん』

出久『本当はわかってた。わかってたけどそれでも必死こいてたんだ』

引弾『出久はすごいよ。姉ちゃんならできないもん。今もすごく頑張ってる』

僕は泣きそうになってる出久の頭をぽんぽんとした

そんな出久は泣くのを必死に堪えている

泣き虫だけど強い子だよ君は

歩いていると事件がおこっているのか目の前に人だかりができている

さすがに今の気分でヒーロー活動を見る気にはならないよね

出久を連れてその場を離れようとするとそこで暴れている敵が見えた

あれはヘドロの!?

だってオールマイトが捕まえて…

出久『僕の…せい……』

あ、出久がオールマイトに捕まった時に落ちたのか!?

人『ヒーローなんで棒立ち?』

人『中学生が捕まってんだと』

出久ですら苦しそうだったのに中学生が捕まってるの!?

人『つーかあの敵…さっきオールマイトが追いかけてたやつじゃね』

人『オールマイト!?嘘ぉ!きてんの!?』

人『何かちょっと前に見たよ』

人『じゃあ何してんだオールマイトは!』

出久は思い詰めた顔をしている

多分自分のせいだと悩んでいるのだろう

けどあのヘドロ、普通には掴めないしかと言ってヒーローと違ってそれなりにしか鍛えてない僕ではどうにもできない

いやどうにもできなかったが正しい

可哀想だけど人質にされてる中学生の子は僕たちではどうにも……

その時ヘドロに捕まってる人の顔が見えた

すごく苦しそうにでも助けを求めてるような顔

………かっちゃん?

そうわかった瞬間勝手にヘドロの方に向かってしまった

出久にもそれが見えたのかほぼ同時にヘドロに向かって走り出す

ヒーロー『馬鹿ヤロー!!止まれ!止まれ!』

ヒーローが止めるが走ってしまった足はもう止められない

ヘドロ『爆死だ』

出久『ひっ』

出久は怯えるが持っていたリュックを投げ飛ばした

ヘドロはそれが目にあたり怯む

出久『かっちゃん!!』

出久は手でヘドロを退けようとする

引弾『ええい!なんとかなれ!!』

僕も今できる最大出力でヘドロを弾く

気休めだけど何もしないよりはかっちゃんもマシなはず!!

爆豪『ガハッ…なんでてめぇらが!!』

引弾『今の君は嫌いだけど苦しんで欲しいわけじゃない!出久は知らないけど!!』

出久『だって足が勝手に!!何でってわかんないけど!!君が助けを求める顔してた』

泣きそうになりながらもかっちゃんのために走ってきた出久

やっぱり誰よりもヒーローじゃん!!

爆豪『やめろ……』

ヘドロ『もう少しなんだから邪魔するな!!』

ヘドロが出久に攻撃しようとするが僕は出久を庇うように前に出る

攻撃されると思った瞬間出久やかっちゃん、僕の手首が掴まれた

掴んできたのはオールマイトだった

オールマイト『君を諭しておいて己が実践しないなんて!!!プロはいつだって命懸け!!DETROIT SMASH!!』

オールマイトが拳を振りかざすとヘドロは散らばり雨が降り始めた

とかいう僕はあまりの風圧で軽く気絶していた

この後ヘドロはヒーローたちに回収された

僕や出久はヒーローたちにものすごく怒られた

まぁ仕方ないよねヒーローでもないのに危ないことしたし

逆にかっちゃんは称賛された

元々個性が強いかっちゃんだし、多分今回のことでタフネスであることも証明されたんだろうね

その後の帰り道

出久『オールマイトに謝りたかったけど……』

引弾『忙しそうだったもんね』

出久『うん、あとでHPからメッセしてみるよ』

引弾『あー僕も謝りたいから後でHP教えて出久』

出久『もちろんいいよ』

爆豪『デク!ハジキ!』

後ろを振り返るとかっちゃんがいた

爆豪『俺は……てめぇらに助けを求めてなんかねぇぞ!特にデク!無個性の出来損ないでハジキに守られてるやつが見下すんじゃねぇぞ!』

いや相変わらず素直じゃないな

爆豪『恩売ろうってか!?見下すなよ俺を!クソナードが!!』

かっちゃんは暴言を吐きながら帰っていく

なんか余裕がないって感じだったなぁ

出久『かっちゃんの言う通りだ』

引弾『出久?』

出久『なにか出来たわけでもなかったし……』

引弾『でもあの場でかっちゃんを助けに行った出久、誰よりもかっこよかったよ』

出久『あはは、それ言ったらひーちゃんもかっこよかった。でもありがとう。これで身の丈にあった将来を…』

出久が言おうとしていると

オールマイト『私が来た!』

出久『わっ』

引弾『え』

なんとオールマイトが来た

出久『オールマイト!?なんでここに……』

引弾『さっきまで取材陣に囲まれていたのに』

オールマイト『抜けるくらいわけないさ!なぜなら私はオールマゲボっ!』

オールマイトはまたも吐血してガリガリの姿になった

出久『わぁぁぁ!!』

毎回吐血されると心配になるな

オールマイト『少年。礼と訂正……そして提案しに来たんだ』

出久『へっ?』

オールマイト『君たちがいなければ……少年の身の上を聞いてなければ口先だけのニセ筋となるところだった!!ありがとう』

出久『ニセ筋……そもそも僕が悪いです。無個性のくせに仕事の邪魔をして、生意気なことも言って……』

オールマイト『そうさ!あの場の誰でもない小心者で無個性の少年とその事情を知っている少女だったから!!私は動かされた!!』

引弾『オールマイト…』

オールマイト『トップヒーローは学生時から逸話を残している。彼らの多くが話をこう結ぶ!考えるより先に体が動いていたと!!』

その言葉を聞いて僕は心に来た

オールマイト『君らもそうだったんだろう!?』

あの時出久に言って欲しかった言葉

出久はその場にしゃがみ込んだ

僕も出久のそばによる

オールマイト『君らはヒーローになれる!!』

出久は欲しかった言葉を大好きなヒーローに言って貰えて大泣した

そんな僕も大好きな弟のことをヒーローにわかってもらえた嬉しさで泣いた

架空は現実に……言い忘れていたけどこれは緑谷出久、そして緑谷引弾が共に最高のヒーローになるまでの物語だ

緑谷出久オリジン【完】
3/6ページ
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