短編
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「かんぱ〜い!!!」
かちんっと音が部屋に響いて、隊士たちがワイワイし始める。
今日は真選組で飲み会だ。
業務が落ち着きそうと言うことで、近藤さんがみんなを元気付けようと開いてくれた。
「さなちゃ〜ん!
おつかれさまでぇ〜す!」
「おつかれさまでーす!」
隊士たちはノリノリで酔いはじめていた。
「さな、おつかれ」
「土方さん、おつかれさまです」
隣に土方さんが座ってきた。
飲むかとお酒を継がれそうになったが、まさか鬼の副長土方さんにそんなことをさせるわけにはいかないと、いいですと断った。
「遠慮すんな」
「え…、じゃあ、まぁ」
押しの強さに断れず、注がれてしまう。
土方さんが継いだお酒…強くなれそうだ。
「さなとお酒飲むのは初めてだな」
「あれ?そうでしたっけ?」
「俺はいつも残ってる仕事があって飲んでねーからな…」
「そういえば、…そうでしたね」
おつかれさまです、とおちょこをかちんと合わせる。
沖田さんはいつも隣にいる土方さんがいないのをいいことに、近藤さんの隣にべったりしていた。
たまには、という目配せをわたしにして、土方さんはニヤリと笑う。
「士気を上げるのも俺の仕事だ」
「ふふ」
土方さんが来いよ、というので縁側の方へ移動する。
まだ少し冷えるがだんだん暖かくなっているので、夜風が気持ちいい。
「寒くねーか?」
「え、あっ、大丈夫です」
「そうか」
部屋はガヤガヤしているが、2人に流れる空気はとても静かだった。
けれど、とても心地よい。
「さなはよく飲むのか?」
「いえ、まぁ、お付き合いぐらいなら」
「今日はいいのか?」
「今日は、近藤さんがみんなのためを思って用意してくれましたし。
それに土方さんも珍しく飲むでしょう?
せっかくだから飲まないとと思って!」
土方さんは少し渋い顔をした。
「その発言は勘違いされっぞ。」
くいっとお酒を口に含む。
月の光が当たってほのかに明るくなった土方さんの顔。
「土方さん、勘違いしてくれるんですか?」
すこし、からかい気味に聞いた。
「そうだな…」
ん、とおちょこを差し出すので注いで上げる。
土方さんは中に入ったお酒と、それから月を交互に見て、ふうと息を吐いた。
「このあと、俺の部屋で2人きり、お酒に付き合うっつーんなら、勘違いする」
さわさわと風が流れる。
「俺はそういう流れを望んでる。
そして、その気持ちは今に始まったことじゃねーよ。
…わかるか?」
突然のことで心臓がとくんと鳴った。
目が土方さんとかちかちと合う。
照れ臭そうに耳まで赤くして、土方さんはわたしの手に手を重ねる。
「さな、…続きが聞きたいと思うか?」
「……もちろん」
私たちは黙って立つ。
土方さんはお酒と、それからもう片方の手でわたしに重ねた手を握り、わたしを引っ張っていく。
その手がものすごく熱くて、わたしはその瞬間でも虜になってしまって。
わたしたちが消えたことは誰も気づかなかった。
かちんっと音が部屋に響いて、隊士たちがワイワイし始める。
今日は真選組で飲み会だ。
業務が落ち着きそうと言うことで、近藤さんがみんなを元気付けようと開いてくれた。
「さなちゃ〜ん!
おつかれさまでぇ〜す!」
「おつかれさまでーす!」
隊士たちはノリノリで酔いはじめていた。
「さな、おつかれ」
「土方さん、おつかれさまです」
隣に土方さんが座ってきた。
飲むかとお酒を継がれそうになったが、まさか鬼の副長土方さんにそんなことをさせるわけにはいかないと、いいですと断った。
「遠慮すんな」
「え…、じゃあ、まぁ」
押しの強さに断れず、注がれてしまう。
土方さんが継いだお酒…強くなれそうだ。
「さなとお酒飲むのは初めてだな」
「あれ?そうでしたっけ?」
「俺はいつも残ってる仕事があって飲んでねーからな…」
「そういえば、…そうでしたね」
おつかれさまです、とおちょこをかちんと合わせる。
沖田さんはいつも隣にいる土方さんがいないのをいいことに、近藤さんの隣にべったりしていた。
たまには、という目配せをわたしにして、土方さんはニヤリと笑う。
「士気を上げるのも俺の仕事だ」
「ふふ」
土方さんが来いよ、というので縁側の方へ移動する。
まだ少し冷えるがだんだん暖かくなっているので、夜風が気持ちいい。
「寒くねーか?」
「え、あっ、大丈夫です」
「そうか」
部屋はガヤガヤしているが、2人に流れる空気はとても静かだった。
けれど、とても心地よい。
「さなはよく飲むのか?」
「いえ、まぁ、お付き合いぐらいなら」
「今日はいいのか?」
「今日は、近藤さんがみんなのためを思って用意してくれましたし。
それに土方さんも珍しく飲むでしょう?
せっかくだから飲まないとと思って!」
土方さんは少し渋い顔をした。
「その発言は勘違いされっぞ。」
くいっとお酒を口に含む。
月の光が当たってほのかに明るくなった土方さんの顔。
「土方さん、勘違いしてくれるんですか?」
すこし、からかい気味に聞いた。
「そうだな…」
ん、とおちょこを差し出すので注いで上げる。
土方さんは中に入ったお酒と、それから月を交互に見て、ふうと息を吐いた。
「このあと、俺の部屋で2人きり、お酒に付き合うっつーんなら、勘違いする」
さわさわと風が流れる。
「俺はそういう流れを望んでる。
そして、その気持ちは今に始まったことじゃねーよ。
…わかるか?」
突然のことで心臓がとくんと鳴った。
目が土方さんとかちかちと合う。
照れ臭そうに耳まで赤くして、土方さんはわたしの手に手を重ねる。
「さな、…続きが聞きたいと思うか?」
「……もちろん」
私たちは黙って立つ。
土方さんはお酒と、それからもう片方の手でわたしに重ねた手を握り、わたしを引っ張っていく。
その手がものすごく熱くて、わたしはその瞬間でも虜になってしまって。
わたしたちが消えたことは誰も気づかなかった。
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