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学園のチャイムが鳴った。
昼時を告げるチャイムだ。
学生たちが食堂や、各々教室で友人たちと食事をする中、少年は図書室にいた。
机に積み上げられた魔導書と、書き記された羊皮紙と、それから図書室特有の静寂。それが少年の周りにあるもの全てだ。
カリカリ、と羽根ペンの音が響く。そんな静寂を破るかのように少年に声が掛けられた。
「こんな時間まで勉強か?シリル」
「……挨拶。こんにちは、シュリンデル先輩」
「だから、名前でいいって。お前は本当に真面目だな」
シュリンデル、と呼ばれた少年は苦笑いを零しながらシリルと呼ばれた少年の頭を乱雑に撫でる。それを能面のように表情1つ変わらない顔で受けている光景は、不思議といえるだろう。大人しく撫でられていた少年…シリルが、頭を撫でている少年…シュリンデルの手にやんわりと自身の手を重ねては
「…理解。では、ディラン先輩…疑問。何故ここに?」
「そんなの、どーせお前のことだから昼飯もまだだろうって思ってな。一緒に飯食おうぜ!」
重ねられた手を握り、遠慮して逃げられないようにすれば、人当たりの良さそうな笑みを浮かべる。少年の言う通り、このままここで昼食も疎かに勉強をしていようと思っていたシリルはしばし無言になる。お世話になっている先輩の誘いを無下には出来ない、そんなことを思えばこくり、と頷き、わかりました、と一言。
机に積み上げられた魔導書を戻しに行こうと一冊一冊大切に手にとっていれば見兼ねたディランも、魔導書を手に取っていく。羊皮紙と羽根ペンをカバンに入れ、手に持っている魔導書たちをディランと片付けていけば、1人より2人の方が流石に早い。あっという間に終われば、
「…よっし!終わったな!じゃあ、飯だ飯!」
行くぞと言う先輩の後をまた1つ頷いてはひっそりとついていくのだった。
昼時を告げるチャイムだ。
学生たちが食堂や、各々教室で友人たちと食事をする中、少年は図書室にいた。
机に積み上げられた魔導書と、書き記された羊皮紙と、それから図書室特有の静寂。それが少年の周りにあるもの全てだ。
カリカリ、と羽根ペンの音が響く。そんな静寂を破るかのように少年に声が掛けられた。
「こんな時間まで勉強か?シリル」
「……挨拶。こんにちは、シュリンデル先輩」
「だから、名前でいいって。お前は本当に真面目だな」
シュリンデル、と呼ばれた少年は苦笑いを零しながらシリルと呼ばれた少年の頭を乱雑に撫でる。それを能面のように表情1つ変わらない顔で受けている光景は、不思議といえるだろう。大人しく撫でられていた少年…シリルが、頭を撫でている少年…シュリンデルの手にやんわりと自身の手を重ねては
「…理解。では、ディラン先輩…疑問。何故ここに?」
「そんなの、どーせお前のことだから昼飯もまだだろうって思ってな。一緒に飯食おうぜ!」
重ねられた手を握り、遠慮して逃げられないようにすれば、人当たりの良さそうな笑みを浮かべる。少年の言う通り、このままここで昼食も疎かに勉強をしていようと思っていたシリルはしばし無言になる。お世話になっている先輩の誘いを無下には出来ない、そんなことを思えばこくり、と頷き、わかりました、と一言。
机に積み上げられた魔導書を戻しに行こうと一冊一冊大切に手にとっていれば見兼ねたディランも、魔導書を手に取っていく。羊皮紙と羽根ペンをカバンに入れ、手に持っている魔導書たちをディランと片付けていけば、1人より2人の方が流石に早い。あっという間に終われば、
「…よっし!終わったな!じゃあ、飯だ飯!」
行くぞと言う先輩の後をまた1つ頷いてはひっそりとついていくのだった。
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