赤い森に白い雪が降る
オレには幼馴染がいる。
そいつは、その辺の女なんかよりも綺麗な顔をしていて、ふとした瞬間に見ると女なんじゃねえかと見間違えるほどだ。
いつも、人当たりの良さそうな笑顔で、他のやつと話すから勘違いする馬鹿が後を絶たない。それをオレが蹴散らすのがいつものこと。
いつものことだったのだ。
1、赤い森の猟師さん
「猟助も、僕に構ってないで、友達といていいんだよ?」
放課後の教室。いつものように、あいつに変な気を起こそうとしていた馬鹿を蹴散らしていたら、そんなことを言われた。
思わず、は?とかいう間抜けな声を出してしまった。
「それ…どういう意味だよ」
「そのままの意味だけど…猟助、いつも僕のこと気にしてくれてるでしょ?」
「それは、まあ…」
「そうすると、猟助が自由になれる時間が少ないと思うんだよね。だから、僕も猟助に頼らないで頑張ってみることにするよ。」
そんなことを言って、にこりと笑うそいつに何故だか無性に腹が立った。お前が1人でどうにか出来るわけないだろ。今だって他人の好意に気付けずに危ないところだっただろ。昔からお前は危ない目にあうことが多かっただろ。なのに…
「…猟助?…大丈夫?」
「…別に。」
心配そうに伸ばされた手を、そう言いながら跳ね除ける。
一旦、落ち着こう。明日にでもなれば、考え直すかもしれない。そう、絶対に考え直すはずだ。
「…とっとと帰んぞ。」
「え…あ、待って。」
荷物を持って、さっさと教室を出たオレの後ろを慌ててついてくる。そして、明らかに機嫌が悪いオレの様子をちらちらと伺っている。そして、機嫌が直りそうもないとわかると途端に落ち込んだ様子を見せる。
そうやって、相手に放っておけないという庇護欲を無意識に持たせる。
そして、馬鹿なやつらが相談にのるだの何だの言い訳をつけてこいつに近寄ってくるのだ。
ほら、やっぱりオレがいないとダメだ。
こいつはオレが守ってやらないといけない。
赤ずきん を悪い狼 から守るのは猟師 の役目だ。
そいつは、その辺の女なんかよりも綺麗な顔をしていて、ふとした瞬間に見ると女なんじゃねえかと見間違えるほどだ。
いつも、人当たりの良さそうな笑顔で、他のやつと話すから勘違いする馬鹿が後を絶たない。それをオレが蹴散らすのがいつものこと。
いつものことだったのだ。
1、赤い森の猟師さん
「猟助も、僕に構ってないで、友達といていいんだよ?」
放課後の教室。いつものように、あいつに変な気を起こそうとしていた馬鹿を蹴散らしていたら、そんなことを言われた。
思わず、は?とかいう間抜けな声を出してしまった。
「それ…どういう意味だよ」
「そのままの意味だけど…猟助、いつも僕のこと気にしてくれてるでしょ?」
「それは、まあ…」
「そうすると、猟助が自由になれる時間が少ないと思うんだよね。だから、僕も猟助に頼らないで頑張ってみることにするよ。」
そんなことを言って、にこりと笑うそいつに何故だか無性に腹が立った。お前が1人でどうにか出来るわけないだろ。今だって他人の好意に気付けずに危ないところだっただろ。昔からお前は危ない目にあうことが多かっただろ。なのに…
「…猟助?…大丈夫?」
「…別に。」
心配そうに伸ばされた手を、そう言いながら跳ね除ける。
一旦、落ち着こう。明日にでもなれば、考え直すかもしれない。そう、絶対に考え直すはずだ。
「…とっとと帰んぞ。」
「え…あ、待って。」
荷物を持って、さっさと教室を出たオレの後ろを慌ててついてくる。そして、明らかに機嫌が悪いオレの様子をちらちらと伺っている。そして、機嫌が直りそうもないとわかると途端に落ち込んだ様子を見せる。
そうやって、相手に放っておけないという庇護欲を無意識に持たせる。
そして、馬鹿なやつらが相談にのるだの何だの言い訳をつけてこいつに近寄ってくるのだ。
ほら、やっぱりオレがいないとダメだ。
こいつはオレが守ってやらないといけない。
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