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グリム集合

最後の授業終了のチャイムが鳴った。それと同時にざわつく教室。「駅前のクレープ食べに…」「今日、こいつの部屋で最新ゲームを…」など、放課後の予定を友人達と話している生徒がいるなか、中性的な顔立ちをした少年が荷物を持って席を立った。

「お、白瀬。今日も集まりあんのか?」

「うん。また、明日ね」

話しかけてきた男子生徒に、柔らかな表情で微笑みながらそう言葉を返すと、教室を出ていった。

「…あいつも、大変だよなー」

「あの、グリムだろ?白瀬、上手くやってんのか心配だよな」

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「…遅い。何してんだ、あいつ」

「まあまあ。まだ開始時間じゃないから、な?」

イライラとした表情で呟く少年の右腕には、生徒会長の腕章。座っている椅子をガタガタと揺らしながら時計と教室のドアを交互に見ている。対して、やんわりとなだめた少年の右腕には、生徒会副会長の腕章。向かいの椅子に座りながら、困ったように他の役員を見る。

「本当…待ても出来ないなんて、犬以下だよね」

「つーくん、辛辣ー!」


辛辣な少年の右腕には会計の腕章。呆れたような表情で生徒会長を見つめている。その少年にヘラヘラ笑いながら声をかけたの少年の右腕には庶務の腕章。スマホを片手に何か作業をしているようだ。

「迎えに行く」

「だから、大人しく待ても出来ないの?馬鹿じゃない?」

「あ…?何だと…?」

待ちきれなくなったのか、勢いよく立ち上がった少年に、辛辣な言葉をかける少年。売り言葉に買い言葉。今にも喧嘩が始まってしまうのではないかという雰囲気に残された二人は、またかという表情だ。
睨み合いを続けていた二人が一歩動いたその時

「ごめんね。遅くなっちゃった…」

と、教室のドアを開けて最後のメンバーがやってきた。

「…ちっ。おせーよ、姫」

「何してたの。遅いんだけど」

一旦保留、ということにしたらしい二人は口々にやってきた相手に文句をつける。

「少し、クラスの子と話をしていて…ごめんね?」

「「…」」

と、申し訳なさそうに答える少年を見て、文句を言うのをピタリと止めた。
それを見計らい、副会長の腕章を付けた少年が声をかける。

「よし、それじゃあ今日も始めるぞ。みんな席につけ」

その言葉を聞き、各々自分の席へと座る。そして遅れてきた少年も、右腕に書記の腕章をつけた。
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