1.始まり
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どたばたと騒がしい足音が聞こえたと思うと、勢いよくドアが開く。見れば背の低い褐色肌の男性と、ひどく背の高い茶髪の男性、白髪の男性が入ってくる。
「お疲れ様でーす」
気の抜けたような声で部屋に足を踏み入れた茶髪の彼は、片手に袋を抱えていた。垂れた目が優しい雰囲気をもたらしているものの、その背は相当高く威圧感がある。糸織さんも大分高いが、それ以上だ。
彼の声に合わせて、他の二人の「お疲れ様です」と各々挨拶をする。
「あ、新人さん。来てたんすね」
背の高い彼がこちらを一瞥するとニヘラと笑う。
「うん。改めて、夢崎真琴さんだよ。……夢崎さん、紹介します」
糸織さんが微笑んで、一人ずつ掌を向けていく。
「まずこの背の高い子。君とバディを組んでもらうことになっている子で……七瀬 空牙 くん」
「はーい、七瀬です。よろしくおねがいします」
ヘラヘラと笑って、七瀬さんは頭を下げる。
「刑事でもなんでもなく、普通のおまわりさんやってましたぁ。勤続年数はまあ、ここじゃ真ん中くらいっすかね? まあバディらしいっすし、なんかわかんないことあったら気軽に聞いてください」
身を少し屈めてそう話す彼は、緩慢な動きで手を差し出した。
「はあ、……よろしくおねがいします」
「はぁい」
曖昧な声を上げながらも手を握り返すと、身長に比例して大きな掌に包まれる。あたたかい。
「それで、こっちの子が霧生 裕太 くん。階級は君と同じになるかな。地域課のほうにいた子で……結構最近勤務に入った子だったよね」
次に褐色肌の子に視線を向ける。霧生裕太と呼ばれた彼は軽い会釈をした。
「そうですね。急にこっち飛ばされたんでめっちゃビックリして。家族も心配して……」
困ったように笑う彼は、七瀬さんと同じように手を差し出す。
「とりあえずよろしくお願いします。……俺一番ここで下なんで、後輩できたみたいで嬉しいです! あ、敬語じゃなくて大丈夫ですよ」
その手を握り返し頷く。今のところ一番背の小さい彼とは、ほとんど目線が変わらない。
「霧生さん、よろしくお願いします。……後輩、なら敬語はいりません」
「そうか? じゃあ、甘えて。そっちも気楽に、な!」
ひまわりのような人だ。明るい笑顔がまぶしい。
「それで最後、彼は有明 凛空 くん。ちょっと休職していたから霧生くんと経験的には変わらないかな? 彼も地域課にいたんだ」
白髪の青年がお辞儀をする。優しそうな雰囲気で柔らかく笑んだ。
「有明凛空です。仲良くできたら嬉しいです」
幼げな顔や声。少ない口数。
きょろ、と周りを見た後に彼はこちらに手を差し出した。
「よろしくおねがいします」
手を握れば、ひどく冷たい、その感情に一瞬襲われるも、すぐに温かさが寄ってくる。不思議な人だ、というよりも。……。
「ごめんなさい、やっぱりちょっと……ありますよね」
慣れてる、と手を離して目をそらす彼に、そんなことはないと首を振る。
「大丈夫です、なんでもありません」
ぞわりと心を食む不安感を振り払おうと胸に手を当てた。
「無理はしないでいいから」
そうとだけ言って有明さんは一、二歩下がった。
「有明くんは今、霧生くんとバディなんだよね」
「そ。で、ソロのオレが君に割り当てられた、ってわけ」
糸織さんの補足に七瀬さんが乗っかる。
つまるところ余りものが割り当てられたのか、という言葉は飲み込んだ。
「お疲れ様でーす」
気の抜けたような声で部屋に足を踏み入れた茶髪の彼は、片手に袋を抱えていた。垂れた目が優しい雰囲気をもたらしているものの、その背は相当高く威圧感がある。糸織さんも大分高いが、それ以上だ。
彼の声に合わせて、他の二人の「お疲れ様です」と各々挨拶をする。
「あ、新人さん。来てたんすね」
背の高い彼がこちらを一瞥するとニヘラと笑う。
「うん。改めて、夢崎真琴さんだよ。……夢崎さん、紹介します」
糸織さんが微笑んで、一人ずつ掌を向けていく。
「まずこの背の高い子。君とバディを組んでもらうことになっている子で……
「はーい、七瀬です。よろしくおねがいします」
ヘラヘラと笑って、七瀬さんは頭を下げる。
「刑事でもなんでもなく、普通のおまわりさんやってましたぁ。勤続年数はまあ、ここじゃ真ん中くらいっすかね? まあバディらしいっすし、なんかわかんないことあったら気軽に聞いてください」
身を少し屈めてそう話す彼は、緩慢な動きで手を差し出した。
「はあ、……よろしくおねがいします」
「はぁい」
曖昧な声を上げながらも手を握り返すと、身長に比例して大きな掌に包まれる。あたたかい。
「それで、こっちの子が
次に褐色肌の子に視線を向ける。霧生裕太と呼ばれた彼は軽い会釈をした。
「そうですね。急にこっち飛ばされたんでめっちゃビックリして。家族も心配して……」
困ったように笑う彼は、七瀬さんと同じように手を差し出す。
「とりあえずよろしくお願いします。……俺一番ここで下なんで、後輩できたみたいで嬉しいです! あ、敬語じゃなくて大丈夫ですよ」
その手を握り返し頷く。今のところ一番背の小さい彼とは、ほとんど目線が変わらない。
「霧生さん、よろしくお願いします。……後輩、なら敬語はいりません」
「そうか? じゃあ、甘えて。そっちも気楽に、な!」
ひまわりのような人だ。明るい笑顔がまぶしい。
「それで最後、彼は
白髪の青年がお辞儀をする。優しそうな雰囲気で柔らかく笑んだ。
「有明凛空です。仲良くできたら嬉しいです」
幼げな顔や声。少ない口数。
きょろ、と周りを見た後に彼はこちらに手を差し出した。
「よろしくおねがいします」
手を握れば、ひどく冷たい、その感情に一瞬襲われるも、すぐに温かさが寄ってくる。不思議な人だ、というよりも。……。
「ごめんなさい、やっぱりちょっと……ありますよね」
慣れてる、と手を離して目をそらす彼に、そんなことはないと首を振る。
「大丈夫です、なんでもありません」
ぞわりと心を食む不安感を振り払おうと胸に手を当てた。
「無理はしないでいいから」
そうとだけ言って有明さんは一、二歩下がった。
「有明くんは今、霧生くんとバディなんだよね」
「そ。で、ソロのオレが君に割り当てられた、ってわけ」
糸織さんの補足に七瀬さんが乗っかる。
つまるところ余りものが割り当てられたのか、という言葉は飲み込んだ。