1章「種」
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エリアスさんはパッと手を離して、「座ったら?」とソファを指さした。
お言葉に甘えて私はそのソファへ座る。硬くもないけど沈むほど柔らかくもない……なんだろう……。
ちらりとエリアスさんを見ると、彼の巻いている包帯がじわりと赤く滲んでいくのが見えた。服は着ているけど、肩にかけて巻いている包帯は若干緩くなっているのがわかった。
痛くないんだろうか……?
包帯、きっちり巻かないとだめじゃないのかな。
「あの、さ、今度は何?」
見ていたら困惑したようなエリアスさんが訊ねてくる。
「すみません。その、包帯ちゃんと……」
「ああ、これ。実は手届かなくてさ。上手く肩回んなくて」
「あの、私やりましょうか」
笑い声と共に腕を軽くさする彼に、思わず口を出してしまった。
ぽかんとした顔で彼がこちらを見る。彼の薄い口の端から小さく「え……」と音がこぼれた。
何を言ってるんだろう自分は。
慌てて弁解しようと口を開く。
「すみません、迷惑でしたよね! 忘れてください!」
恥ずかしくて、さっきエリアスさんは「知らない男と~~」なんて言っていたけど、私のほうだって全く同じだ。あまりに軽率な発言だった、とうつむいてしまう。
「ああ、えっと」
ほら、彼の困惑する声が聞こえる。
膝の上で手をギュッと握った。
「じゃあお願いしようかな」
「……え……?」
「え? ……いや、ほら、届かないし、処置はちゃんとしたほうが痕も残らないしさ……。部隊の子たち戻ってくるまで待つより、君がやってくれたほうがオレ的にも助かるなぁって……」
パッと顔を上げると、首周りを複雑そうな表情で撫でまわすエリアスさんが見えた。
自分で言い出したこととはいえ本当によかったのだろうか。そんな疑問を抱えながらも「やっぱりなしで、」というのはダメだよね、そう思ってこくりと頷く。
「じゃ、じゃあ失礼しますね」
「うん、お願いします」
服を脱いで回る丸い椅子に腰かけたエリアスさんは困ったように小さく笑う。彼に恐る恐る近づいて、包帯に手を掛けた。
結び目を解く。スルスルと包帯を彼の肌から外していくと、少し大き目に切り傷が入っているのがわかる。
……痛そうだな。
思わず顔をしかめる。
「ごめんね。こんなの見せて。大丈夫?」
「も、もちろん大丈夫です! 私だってGuardianの一員なんですから、これくらい!」
少し大きな声になってしまった。これが強がりだっていうのは、自分が一番よくわかっている。
「……」
「ディアちゃん」
お言葉に甘えて私はそのソファへ座る。硬くもないけど沈むほど柔らかくもない……なんだろう……。
ちらりとエリアスさんを見ると、彼の巻いている包帯がじわりと赤く滲んでいくのが見えた。服は着ているけど、肩にかけて巻いている包帯は若干緩くなっているのがわかった。
痛くないんだろうか……?
包帯、きっちり巻かないとだめじゃないのかな。
「あの、さ、今度は何?」
見ていたら困惑したようなエリアスさんが訊ねてくる。
「すみません。その、包帯ちゃんと……」
「ああ、これ。実は手届かなくてさ。上手く肩回んなくて」
「あの、私やりましょうか」
笑い声と共に腕を軽くさする彼に、思わず口を出してしまった。
ぽかんとした顔で彼がこちらを見る。彼の薄い口の端から小さく「え……」と音がこぼれた。
何を言ってるんだろう自分は。
慌てて弁解しようと口を開く。
「すみません、迷惑でしたよね! 忘れてください!」
恥ずかしくて、さっきエリアスさんは「知らない男と~~」なんて言っていたけど、私のほうだって全く同じだ。あまりに軽率な発言だった、とうつむいてしまう。
「ああ、えっと」
ほら、彼の困惑する声が聞こえる。
膝の上で手をギュッと握った。
「じゃあお願いしようかな」
「……え……?」
「え? ……いや、ほら、届かないし、処置はちゃんとしたほうが痕も残らないしさ……。部隊の子たち戻ってくるまで待つより、君がやってくれたほうがオレ的にも助かるなぁって……」
パッと顔を上げると、首周りを複雑そうな表情で撫でまわすエリアスさんが見えた。
自分で言い出したこととはいえ本当によかったのだろうか。そんな疑問を抱えながらも「やっぱりなしで、」というのはダメだよね、そう思ってこくりと頷く。
「じゃ、じゃあ失礼しますね」
「うん、お願いします」
服を脱いで回る丸い椅子に腰かけたエリアスさんは困ったように小さく笑う。彼に恐る恐る近づいて、包帯に手を掛けた。
結び目を解く。スルスルと包帯を彼の肌から外していくと、少し大き目に切り傷が入っているのがわかる。
……痛そうだな。
思わず顔をしかめる。
「ごめんね。こんなの見せて。大丈夫?」
「も、もちろん大丈夫です! 私だってGuardianの一員なんですから、これくらい!」
少し大きな声になってしまった。これが強がりだっていうのは、自分が一番よくわかっている。
「……」
「ディアちゃん」
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