入学試験~USJ事件
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無機質な壁に囲まれたビルの1階に窓から入り、さっき頭に叩き込んだ内部の地図を思い浮かべた。今回は1対1の為、おそらく核兵器の置いてある部屋で待ち構えていると思っていい…よね。となると、核兵器のある部屋または階全体に何か仕掛けてある可能性が高い。
「あるとしたら、床に酸撒いたり、部屋に入る瞬間を待ち構えられたり…とかかな」
念の為1階から周りに警戒しつつ進むけれど、やはり何も仕掛けてはなさそう。最上階まで着いたので、1度立ち止まり耳を済ませてみる。…うーん、さすがに物音で索敵は難しいかぁ。…あれ、でも…。
階段をあがってT字になった所で鼻をすんと鳴らしてみると、左手側から何か匂いがした。もしかして、三奈ちゃんの酸の匂いかな?ここに来るまでに拾った石や鉄くずを握り直し、なるべく音を立てないように近づいてく。
酸の匂いがするって事は、おそらく予想通り地面に撒かれている。そして、私の個性が目視の範囲でしか使えないことは更衣室で話してしまったからバレている。となると、どっちみち奇襲はかけられない。
ふー…と、静かに呼吸を整えて、攻撃パターンをいくつか予測しつつ部屋の入口に立った。
「来たね、高瀬!!」
間髪入れずに三奈ちゃんが酸を塊を飛ばしてくる。数は5つ。おそらく、複数標をつけるのは難しいと想定してのことだろう。確かに、酸のような流動体かつ複数となると、正確な目的地の指定は難しい。けど!!視界に三奈ちゃんを入れると同時に、手元の小石を三奈ちゃんの正面へ飛ばすよう、標を結んだ。
「やっぱり、そう来るよね!」
飛んできた石を撃ち落とす為に酸を準備する三奈ちゃん。私の目前に迫る酸は真っ直ぐ打ち出されているため、最低限の動きで避け、自分を斜め前の天井に向かって飛ばした。いつもよりも浮遊感を強く感じながら、天井まで一気に飛ばし、部屋を俯瞰する。三奈ちゃんの視線と腕は石に向いている。
「上!?しまった!」
言うが早いか、三奈ちゃんが慌ててこちらに酸を構えるのを横目に、自分自身を核兵器に思い切り飛ばした。
「ごめんね、そっちは囮なの!」
そう言って、三奈ちゃんより先に核兵器に触れなければと思い個性を使う。そして、全力で自分を飛ばした。そう、全力で。
ドン!!と体に衝撃が走り、一瞬何が起きたかわからなくなる。あ、あれ??
「ち、ちょっと、高瀬大丈夫!?」
「大丈夫…だけど…これって、勝敗どうなるの?」
確かに核兵器手が届き、目的は達成できた。けど、個性の調整が効かずに、勢いを殺せないまま核兵器に激突してしまった。しかも台座部分が少し軋んでいる気がする。ほ、本物の核兵器じゃなくて良かったぁ…。
「うーーーーーん…、結果としてはヒーロー側の勝利!なんだけど…」
「僕たちの時と同じく、状況設定への対応が甘い、ですね!」
「飯田少年の言う通り!発想は良かったけど、ヒーローとしてメインの目的を達成するだけでなく、市民を守るための最前の方法を常に考えて欲しい!」
「はい、すみません…。」
頭では理解していた。核兵器として取り扱うなら勢い任せは良くないと。ただ、自分の見立てが甘かった。思った以上に個性の連続使用時の精度や緩急の調整が出来なかった…!悔しい…。
「でも、俺てっきり高瀬は飛び道具使うか、突っ込んで行くくらいしか方法がないと思ってたから、飛んで行く発想は凄かったな!」
「そうそう、あたしも完全に飛び道具的なものしか警戒してなかったわ」
「あれは爆豪くんの空中回避見て思いついたんだけど…やっぱり即興じゃ制御難しかったや〜」
一瞬爆豪くんがこちらを一瞥するが、すぐに興味を失ったように視線を逸らし、何か考え込むように俯いた。訓練後からずっとあの調子だ。大丈夫かな…。
オールマイトは今日の総括をすると、緑谷くんにも講評が必要だから!と凄まじい勢いで走り去っていった。
更衣室へ戻る廊下をみんなと歩く。窓から差し込む夕日が、まだ真新しいバイザーを照らしていた。
今日一日だけでも、自分の課題がいくつも見つかった。
目的地までの軌道。
同時に付与する標の数の増加。
目的地までのスピードの緩急…。
課題ばかりだ。
「ねぇ、着替え終わったらさ、みんなで今日の反省会でもしたいんだけど……いいかな?」
「いいな、やろうぜ!」
「あたしもやる!」
みんなの返事に思わず笑みがこぼれる。
みんなと一緒なら、自分がなりたいヒーローに近づけるような気がした。
「あるとしたら、床に酸撒いたり、部屋に入る瞬間を待ち構えられたり…とかかな」
念の為1階から周りに警戒しつつ進むけれど、やはり何も仕掛けてはなさそう。最上階まで着いたので、1度立ち止まり耳を済ませてみる。…うーん、さすがに物音で索敵は難しいかぁ。…あれ、でも…。
階段をあがってT字になった所で鼻をすんと鳴らしてみると、左手側から何か匂いがした。もしかして、三奈ちゃんの酸の匂いかな?ここに来るまでに拾った石や鉄くずを握り直し、なるべく音を立てないように近づいてく。
酸の匂いがするって事は、おそらく予想通り地面に撒かれている。そして、私の個性が目視の範囲でしか使えないことは更衣室で話してしまったからバレている。となると、どっちみち奇襲はかけられない。
ふー…と、静かに呼吸を整えて、攻撃パターンをいくつか予測しつつ部屋の入口に立った。
「来たね、高瀬!!」
間髪入れずに三奈ちゃんが酸を塊を飛ばしてくる。数は5つ。おそらく、複数標をつけるのは難しいと想定してのことだろう。確かに、酸のような流動体かつ複数となると、正確な目的地の指定は難しい。けど!!視界に三奈ちゃんを入れると同時に、手元の小石を三奈ちゃんの正面へ飛ばすよう、標を結んだ。
「やっぱり、そう来るよね!」
飛んできた石を撃ち落とす為に酸を準備する三奈ちゃん。私の目前に迫る酸は真っ直ぐ打ち出されているため、最低限の動きで避け、自分を斜め前の天井に向かって飛ばした。いつもよりも浮遊感を強く感じながら、天井まで一気に飛ばし、部屋を俯瞰する。三奈ちゃんの視線と腕は石に向いている。
「上!?しまった!」
言うが早いか、三奈ちゃんが慌ててこちらに酸を構えるのを横目に、自分自身を核兵器に思い切り飛ばした。
「ごめんね、そっちは囮なの!」
そう言って、三奈ちゃんより先に核兵器に触れなければと思い個性を使う。そして、全力で自分を飛ばした。そう、全力で。
ドン!!と体に衝撃が走り、一瞬何が起きたかわからなくなる。あ、あれ??
「ち、ちょっと、高瀬大丈夫!?」
「大丈夫…だけど…これって、勝敗どうなるの?」
確かに核兵器手が届き、目的は達成できた。けど、個性の調整が効かずに、勢いを殺せないまま核兵器に激突してしまった。しかも台座部分が少し軋んでいる気がする。ほ、本物の核兵器じゃなくて良かったぁ…。
「うーーーーーん…、結果としてはヒーロー側の勝利!なんだけど…」
「僕たちの時と同じく、状況設定への対応が甘い、ですね!」
「飯田少年の言う通り!発想は良かったけど、ヒーローとしてメインの目的を達成するだけでなく、市民を守るための最前の方法を常に考えて欲しい!」
「はい、すみません…。」
頭では理解していた。核兵器として取り扱うなら勢い任せは良くないと。ただ、自分の見立てが甘かった。思った以上に個性の連続使用時の精度や緩急の調整が出来なかった…!悔しい…。
「でも、俺てっきり高瀬は飛び道具使うか、突っ込んで行くくらいしか方法がないと思ってたから、飛んで行く発想は凄かったな!」
「そうそう、あたしも完全に飛び道具的なものしか警戒してなかったわ」
「あれは爆豪くんの空中回避見て思いついたんだけど…やっぱり即興じゃ制御難しかったや〜」
一瞬爆豪くんがこちらを一瞥するが、すぐに興味を失ったように視線を逸らし、何か考え込むように俯いた。訓練後からずっとあの調子だ。大丈夫かな…。
オールマイトは今日の総括をすると、緑谷くんにも講評が必要だから!と凄まじい勢いで走り去っていった。
更衣室へ戻る廊下をみんなと歩く。窓から差し込む夕日が、まだ真新しいバイザーを照らしていた。
今日一日だけでも、自分の課題がいくつも見つかった。
目的地までの軌道。
同時に付与する標の数の増加。
目的地までのスピードの緩急…。
課題ばかりだ。
「ねぇ、着替え終わったらさ、みんなで今日の反省会でもしたいんだけど……いいかな?」
「いいな、やろうぜ!」
「あたしもやる!」
みんなの返事に思わず笑みがこぼれる。
みんなと一緒なら、自分がなりたいヒーローに近づけるような気がした。
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