Nevertheless番外編
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【aboutで捏造な設定】
可南(5)静佳(12)堂上(15)
【堂上家の日常~①ある日の朝~】
「きゃあぁぁぁ!!」
朝、女性の悲鳴が家中に響き渡る。
どたたたと焦ったような足音が続き、リビングに顔を出したのは静佳だった。
「お母さん、どうしっ……きゃあぁぁぁ!!」
「朝からうるっさいなぁ」
続いてやって来た篤は、二人分の悲鳴で起こされて不機嫌そうに寝ぐせ頭をがしがしとかいた。
「「あっ篤/アニキ……!」」
2人の焦ったような、絶望したような声に眉を寄せるとドンっとお腹に衝撃を感じた。
目線を下げると、腰に抱きつき自分を見上げる妹、……妹?
「え、」
「あつしおはよう!」
「え、ぁ、おはよう」
流されて挨拶を返したが、感じていた違和感の正体に気づくのに2秒もかからなかった。
「えっ!お前、髪どーした」
「かながきったの!」
「はぁ!?」
驚きすぎて大声を出してしまった。
昨日までさらさらセミロングのボブだった妹の髪は、 ギザギザのショートヘアに成り果てていた。
ご丁寧にヘアカット用のハサミが手に握られていることから(ちょっ、危ね)自分で切ったというのは本当なのだろう。
……さっきの叫び声の原因はコレかッ!!
すごいでしょ?すごいでしょ?とキラキラした目を向けてくる妹に、頬が緩みそうになる。
だが何とか我慢して少し真面目な、可南から見たら少し怖いかなという表情をつくって目線を合わせた。
きょとんと目をまんまるにする可南の小さな手から、ハサミを抜き取った。
「何で自分で切ったんだ?」
静かにそう言うと、思っていた反応と違ったせいか可南は悲しそうな表情を見せる。
「1人で使っちゃ危ないって言われてただろ?」
可南は黙ってこくんと頷いた。
「じゃあ何でしたんだ?」
「………」
「黙ってたら分かんないだろ」
「……もん、」
「ん?」
可南は俺のパジャマの袖をぎゅっと握って俯いた。
「あつしとおそろいがよかったんだもん」
そう言って薄い唇を震わせた妹の言葉に、ひどく驚かされたのを覚えている。
*
「何見てるの?」
上から降ってきた声に顔を上げると、視界の端っこに食べかけのアイスが映る。
「これ覚えてるか?」
濡れた黒髪が視界に映ると同時に写真に手が伸びてきた。
「え!可愛い!これ私?」
「……」
写真を見てきゃあきゃあはしゃぐ可南に思わずため息が出る。
……女の子はこうも変わるものなのだろうか。
「でも男の子みたいだね」
誰よ、こんな髪にしたの。
もっと可愛い髪型あったでしょ、とか言いながらぷんすかしてるのを見る限り、どうやら全く覚えてないらしい。
一気に疲労を感じ、 あの頃の可愛い妹が懐かしくなった堂上だった。
END
【独り言】
静佳と篤のリュックが同じ(※学校指定)なのを羨ましがった可南ちゃん。
後日うさちゃんのキーホルダーを買った
→友達にからかわれるが、結局つけてくれる堂上教官
という妄想に勝手にきゅんとしていた私。
……にしても可南ちゃん、……いくらお揃いが良くても、髪型って。なかなかない発想ですヨネ(笑)
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