序章
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ガナッシュとカシスから離れ、キャンプファイアー場へ移動すると、愉しげに話しているレモンとブルーベリーを見つけた。
「レモン」
「アリア。どうしたの?」
「ガナッシュからの伝言でーす」
ガナッシュの言ってた事を伝える。
「…アイツ勘がいいからな。とにかく気をつけておくよ」
「うん。大した事じゃないといいんだけど。ブルーベリーも気をつけてね?」
「ええ。ありがとう」
さて、次はキルシュ……。
探しに林に行くと、何故かカエルグミと追い掛けごっこをしていた。
つーか速ぇなカエルグミ!
本能的に単純なヤツには捕まりたくないってか。
「キルシュって変だよね~。のーみそカエルなみ~」
アランシアの言ってる事が、何気に酷い気がするのは気のせいだろうか。
「奥にもう一匹トロいのがいるのに~」
「ほんと?じゃあそっち私が貰うわ」
「どうぞ~」
アランシアの言う通り奥には、キルシュのカエルグミより超が付くほど、遅いカエルグミがいた。
苦労もなく捕まえると、同時にキルシュも捕まえたらしい。
「!」
首飾りが急に光り出す。
「キャーーーーーーーッ!!!」
「!!!!」
「ブルーベリー……?」
急いでキルシュとアランシアの元に駆け寄ると、顔を真っ青にしたブルーベリーと、負傷したレモンと鉢合わせる。
「助けて!!みんな殺されちゃう!!!」
2人の背後から、何かが現れる。
コイツは……!
「!!!!なんなんだ、ソイツは!?」
「そんなの知らないわよ!!ご本人に聞いてみれば!!」
「了解!下がってな!消しズミにしてやるッ!アランシアは二人の手当てを!アリア !オマエはマドレーヌ先生を探してくれ!」
キルシュの指示を聞きながら、レモンの様子を見る。
魔法で攻撃されたからか外傷は目立たないが、油断はできない。
「なんなの……?何が起きているの?」
「落ち着いてアランシア。レモン、大丈夫?」
「クッ……!ダメだ。腕をやられた。一体なんなんだアイツらは……」
「ヤツらはエニグマよ。闇から生まれた生き物。種族はエニグマにはよくいるピスカプーク」
「アリア……あなた」
ブルーベリーが何か言いかけたが、残念ながらその問いに答える暇はない。
時は一刻を争うのだ。
先ほど取ったカエルグミをレモンに手渡す。
「ありがとう。でもカエルグミはとっておくよ。あなたも気を付けてね」
「……ええ」
レモン達に後ろ髪引かれながらも、先生を探しに走り出す。
その途中でペシュやピスタチオ達クラスメート達に出会したが、助ける間もなく悲鳴と共にエニグマと消えてしまう。
あれはワープ魔法。
奴らは殺すことが目的ではないということ?
疑問が少しずつ生まれていくなか、それでも海岸まで走れば、カシスが複数のエニグマと戦っていた。
数が多いな……これだとカシスも危ないか。
仕方ない。
「滅びのバァァアストストリィィイイム――!!」
「ぐっ……ギャァア」
周囲のエニグマ一掃する。
「カシス大丈夫?」
「助かった!でもどうせなら、ちゃんと言おうぜ?」
「えー?」
そんな掛け合いも束の間。
ピスカプークが次から次へと現れ、再び囲まれる。
「量産型ってくらい多すぎでは?」
「まぁ強ち間違ってねーな」
「やれやれ…」
再び魔法を放とうとした瞬間、カシスに止められる。
「二度も助けられちゃ、男が廃るってもんだ」
「カシス…」
「オレは大丈夫だ。他のヤツを助けてくれ」
強がるなぁ。
格好いいセリフまで言っちゃって。
「なら行くわ。絶対無事でいなさいよ」
「当然」
今にも襲いかかろうとしたエニグマに、一撃食らわせてカシスの元を離れる。
どうか無事でいて。
「キャァーーーーーーッ!!」
「キャンディ!」
コテージまで行くと、襲われているキャンディの姿があった。
助けようとするが、紙一重の差でキャンディも消えてしまう。
「ケッケッケ……」
「酷いことするのね。ピスカプーク如き、よくやるわ」
「くっくっく……!!いい目をしている。パワーを感じるぞ」
「そりゃどうも。さようなら」
魔法を放ち、一瞬にしてピスカプークを消す。
「アリア!」
「ガナッシュ…!」
「無事か?」
「私は平気。でも……」
みんなが……。
「ガナッシュ!!アリア!!大丈夫!?」
マドレーヌ先生が慌てて駆け寄る。
「先生!!他のみんなは!?」
「…………連れていかれた」
「連れていかれた??どこへ!?ヤツらはいったい何者なんだ!?」
「ヤツらはエニグマ。闇から生まれた生き物よ。この世界には手を出さないハズなのに……何故今になって……?」
確かに手を出さないはずだ。
エニグマ内部で何かあったのか?
「このあたりは全部囲まれてるみたい。どこにも逃げ場なんかないわ」
「……」
「もういい!!誰が逃げたりするもんか!!先生だって、最初からこうなることが分かっていたんだ!!」
「ガナッシュ!!」
ガナッシュはそう言い捨てて、走り去ってしまう。
「先生、追い掛けましょう」
アリアはマドレーヌと共に走り出す。
追い付いた先で、ガナッシュは既にエニグマ達に囲まれていた。
「先生!!アリア!!待ってて!必ずみんなを連れ戻すから!!」
そう言い残して、ガナッシュもまたエニグマと共に消える。
その後すぐにマドレーヌ先生も後を追うかのように、エニグマと共に消えてしまった。
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