序章
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キャンプファイヤー場に集まったものの、結局は隙をみてその場を離れた。
どことなく気分が乗らなかった。
「……」
あの洞窟は一体なんだったのか。
一抹の不安とも言える疑問を抱えながら、水面に映る月を眺めながら歩いていた。
「あれ?アリア」
「あらシードル。ちみもキャンプファイヤーサボったのかね?」
「なんかキャラ違くない?」
「まぁいい」
「何が!?」
シードルってツッコミも冴えてるのか。
「何してるの?」
「んー散歩だよ。なんか面白そうな事無いかなぁって」
色々と考えてはいるんだけど。
なかなか難しいな。
「ふ~ん。だったらここに落ちてるアルティ銀貨でも拾っとけば?」
「アルティ銀貨?過去文明マネーか」
何かに使えると期待して拾っておくか。
次はコテージ探索しよう。
「じゃあね!ドルシー」
また睨まれた。嫌われてるなぁ。
それともあれが流行りのツンデレなのか?
そんな事を思いながら、コテージへと足を向ける。
「あ、あの~呼び出したりしてごめんね。ガナッシュ、このまえ誕生日だったよね?」
「誕生日?もう随分前だけど……どうかしたの?」
うわわわ!!まさかの告白ですか?!
ええー!やべー見ちゃったYO!!
キルシュどんまい!
「いや、その、実はその時プレゼント用意してたんだけど渡せなくってさ……今日持ってきたんだ」
マジですか!?
そういや……ガナッシュの誕生日の時は私の奢りで、えびふりゃー食べ放題の店に連れて行ったよなぁ。
少し照れてたけど嬉しそうに食べてたな。
「あ、そう……ありがとう」
ドライ!!通り越して冷たッ!
氷のように冷たいよガナッシュ!!
「それで、えーと、なんて言うかね?私さぁ、あの……」
「キャンディの誕生日いつだったっけ?」
「え!?私!?私は来月だけど」
「それじゃその時に、オレから何かプレゼントするよ」
「ほんと!?うれしーーーー!」
はぐらかされてるのに嬉しいのか。
乙女心は複雑怪奇。
「それじゃ」
こっちに向かってくるので、瞬時に物陰に隠れたが。
「アリア、話がある。海岸の方に来てくれ」
「……はーい」
あははバレてた。しかし話って何だろう?
行こうとしてふと振り返ると、落ち込んだキャンディがいた。
……ここはノーコメントにしておこう。
ガナッシュに言われた通り海岸に行くと、呼び出した本人とカシスがいた。
「話って何ですかね……カシス、どうしたの?」
何故だかすごく不服そうな顔をした相棒がいた。
「聞いてくれよアリア。ガナッシュがオレ様に、戦い方についてレクチャーするんだってよ。ったく、オレを誰だと思ってんだよ」
「ナンパ大好き不良少年カシス?」
「酷いぜアリアちゃんよぉ…」
カシスが軽薄かはさておき、確かに彼に戦い方のレクチャーはいらないよな。
「イヤな気配を感じる。何かが来る。アリアは分かっているだろう」
「あー…」
気付かれてたか。
「戦闘について最低限の説明をするから、肝に命じておけ」
「え、別にいい」
「いいから黙って聞け!」
怒鳴られた……。
君よりは戦う術を知っているんだけどね。
まぁ変に詮索されたくないし黙って聞こう。
って思ったがほぼ聞き流していた。
「何かが起きるハズだ…。レモンとキルシュにも、気をつけておくよう言っておいてくれ。ヤツらは戦力になる」
「黒魔導も撃てないのに?」
「それは誰も撃てねぇよ。つーか能力値の意味についてもレクチャーしてやれよ。ついでに」
いや分かるよ。
これあれでしょチュートリアル的な。
ツッコミとフォロー同時にやってのけるカシスはさすが相棒だけど。
「オレはオレが必要と思った事だけを伝えている。言いたい事があるなら、自分で言ってくれよ」
ところどころ冷たいガナッシュ。
「へいへい……頑固なオッサンだなぁ」
「オッサンだと?オレの方が1コ下だぞ!」
「そこはムキになるのね……ふふっ」
オッサン発言でそんなムキにならなくてもとは思うんだけど、思春期はこうなのかも。
「うっせーなぁ。アリアも呆れて笑ってるじゃねーか」
「呆れてるというか、ガナッシュ可愛いなって思って」
「なっ……」
驚きながらも僅かに照れてるガナッシュ。
こういうところが可愛いんです。
「ふふっ。とりあえずレモン達には伝えておくよ」
「っ……ああ、助かる」
「備えあれば憂いなしだしね。その代わりキャンプ終わったら、えびふりゃー食べ放題奢ってね」
「もちろんだ」
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