序章
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海岸に到着すると、マド先生から軽い説明やら話があった。
すでにいないヤツもいたけども。
終わった途端クラスメート達は好き勝手に散っていった。
私は近くにいたアランシアやキルシュと話していた。
「ヴァレンシア海岸って言ったら海賊だよな!海賊!!」
「確かに探してみれば、案外お宝とかありそうだよね」
「だろ!?探検しに行こうぜ!!」
それはパスしたい。
「ちょっと危険なことじゃありませんの!?」
「危険じゃないよ~!面白そうだよ~!ぺシュは行かなくてもいいから、アリアも行こうよ~!」
「んー……いいよ」
あんま乗り気じゃないけど、アランシアの誘いは断れん!!私ってば現金☆てへっ
「ちょっと待てよ。3人じゃ雰囲気が出ないだろ?オレをリーダーにして、6人くらいのパーティで行こうぜ!!」
リーダーって申告制なのか。
「じゃあレモンとブルーベリーを誘おうよ!あの二人とっても仲良しだし!」
「うーん。あの二人もいいけど、キャンディはどうする?キャンディも誘おうぜ!」
キルシュからキャンディの名前が出ると、アランシアの顔色が不服そうになる。
そりゃあそうだよね。分かるよその気持ち。
「最近キルシュって、キャンディのことばっかし~」
「そ、そんなことねぇよ」
「だってそうだもん」
「違うって言ってるだろ!」
ああ始まった痴話喧嘩。
端から見てると、もろ夫婦っていうかお似合いではあるんだけどなぁ。
いかんせん上手くいかないのが、青春ってもんなのか。
「私の忠告を無視するつもりですのね!」
「落ち着いてよぺシュペシュ。忠告を無視するのは良くないけどさ、2人の間に割って入るのは無粋ってものよ」
「何が無粋ですの??」
おっと。まさか愛の大使に聞き返されるとは。
ペシュもまだまだだな。
「そうだもん……」
「アランシア」
少し寂しげな表情をするアランシアに、静かに声をかける。
「そんなに落ち込まないで。私はあなたの笑顔がとっても好きよ」
「ありがとう~」
うっ!可愛い!
やっぱキルシュにアランシアは勿体無いZE☆
「キルシュのバーカ!」
「何だよいきなり!?」
乙女心も分からない、キルシュには教えてやりませーんだ!
それから少し話して、その場を後にしたアリアは、適当に散策し始める。
「お、セサミ少年」
石なんか覗いて何やってんだか。
虫でもいるのか?
「よう!アリア!この石動きそうだぜ!!」
「へー。それはよござんした。ではこれで」
「最後まで聞けよ!向こうに洞窟らしきものが見えるんだ!!一緒に探検に行こうぜ!」
「えー」
「きっと海賊が宝を埋めた洞窟だぜ!!」
「そうかねぇ……」
案外、曰く付きとかじゃない?
大丈夫か?
「でさ!オレ達だけで行くのも心細いから、他のヤツらにも声をかけようぜ!」
「え、行くの確定なの?ってか意気地なしだな。何か出ても黒魔導で一発だろ」
「とにかく誘おうぜ!」
無視しやがったな?ってか参加決定の流れ。
………どうしようか。
「おっ。アリアとセサミ」
「あらカシスちゃん!ちょうど良い所に!じゃあ行きましょ☆」
「いきなり何だよ!?」
「大した事じゃないよ。ちょっくらセサミの茶番に付き合うだけよ」
「茶番じゃねぇよ!いいか!?笑うなよカシス!あっちに海賊が宝を埋めた洞窟があるんだ!」
「海賊の宝があるかは、まだ決まってないんでは?」
「へぇ~面白そうじゃん。アリアは行くのか」
私の言葉をスルーするくらい、相棒は乗り気のようだ。
「セサミ氏まったく話を聞いてくれないから、流れ的にそうなってる感じ」
「じゃあオレも行くよ。良かったらカベルネも誘ってくれよ。無理にとは言わないけどさ」
「それは全然オゥケイ。カベルネー!」
それから色々と誘った結果……。
パーティはカシス、カベルネ、シードル、セサミとなった。
アランシアとキルシュは、痴話喧嘩が長引いてるようで誘える雰囲気ではなかった。
「え。何でシードルいるの?」
「君には関係ないでしょ」
いやいやあるからね!同じパーティよ?
やっぱりコイツ私のこと絶対嫌いだよ!!
「はいはい。とにかく行こうぜ」
カシスに宥められながら、洞窟に向かった一行だが……。
「ここだ……」
「何かわかるの……?」
「近付かない方がいい。ここはヤバすぎる」
「一体、何があるの?」
「どけよ、ガナッシュ!!オレが見つけた穴だぞ!!」
空気読めよSE☆SA☆MI☆
ガナッシュ達、明らかに洞窟に警戒してて、お宝狙う気ゼロだろ。
「行くんだったら、覚悟を決めろよセサミ」
「気をつけてね…」
すれ違う瞬間にガナッシュと目が合う。
やっぱり君は鋭いね。
確かにここは危険だ。
でも進むにはここしかないんだよ。
吉と出るか凶と出るか…。
「脅かすなよ…………ビビるじゃねぇか」
「何言ってんだか。元からビビってるでしょ?この虫野郎☆」
「……」
あれ、無視?
「なにゆえ?」
「ネタが悪いんじゃねーか?」
「遊○王だよ」
「言うな!!」
カシスはAIBOに昇格させるか。
ガナッシュ達の忠告も虚しく、私たちは洞窟の中に入った。
「ドキドキするヌ~。体が、ふ、ふ、ふ、震えるヌ~」
「なんにもねぇよ!あるのは淀んだ空気だけ。気が滅入るだけだー」
「何かあっても黒炎弾で一発」
「本気でやりそうで怖ぇよ」
カシスを無視し歩くと……変なのがいた。
いやブラウニーなんだけど、みんなには見えてないっぽい?
わしが見えるのか?と聞かれてけど、怪しいからいいえ。って答えたのに一方的に話してきた。
なんだコイツ。すぐに消えちゃったし。
更に奥に進むと宝箱があった。
「あああっ!!」
「うるさいよ」
「見ろよ!!この宝箱!!中身はいってんじゃねぇの!?」
「おおお!!宝箱ヌ~」
「どうせ中身はカラだぜ。世の中そんなモンさ」
カシスってばなんて夢の無いことを。
音楽室での会話を忘れたのか。
思いっきりブーメランだからなそれ。
なんやかんやセサミが宝箱を開けると可愛らしいポップテールが襲ってきたわけだ。
カシスのコンカッセとセサミのかなぶんで瞬時に終わったけどもね。
そして宝箱を覗いてみると……。
「まつぼっくりヌ~!?」
「ひゃっほー!!サイコーだぜ!セサミ!グレイト!!」
「ひゅ~!!まつぼっくりだって!?リスとかにはすごい宝物かも知れないけどね!」
お腹を抱えて笑う面々。
皆さん散々な意見ですね。
「なんで海賊の宝がまつぼっくりなんだよ!! アッタマきたーーーーッ!!やられたーーーーッ!! ……帰ろ…………寂しい」
落ち込むセサミの傍ら、大爆笑してるクラスメート(主にシードルとカシス)と共に洞窟の外へ出ると、ピンクの悪魔の姿があった。
「アリアちゃん達!!」
「ハロー!」
「ハローじゃありませんの!こんなに遅くまで、どこに行ってましたの!!」
「ロマンを求めてちょっと」
「とっくにキャンプファイヤーは始まってますの!!急ぎますの!!」
ペシュに怒られながら歩いている途中、不意に洞窟を振り返る。
「…………」
私達は恐らく深淵を覗いた。
もしそうなら……。
「アリアちゃん何してますの!!」
「はーい!今行きまーす」
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