序章
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校門破壊というダイナミックなスタートダッシュから始まった臨海学校。
楽しみも不安もありありの心境とは裏腹に、移動中の魔バス内はそれはそれは賑やかだった。
「ショコラちゃんは、学校の近くに一人で住んでますの?」
「うん」
ペシュペシュは、どうやら山から生まれたショコラに話しかけてる。
会話になるのか激しく気になるところだ。
「お父さんやお母さんと住んでますの?」
「んーん」
「ショコラはずっと昔から学校近くの小山にいるのよ。グラン・ドラジェが彼の力を見込んで、魔法を教えるために学校に通わせてるの」
「グラン・ドラジェに見込まれてますの!?凄いですの!!」
いやあんなオッサンに見込まれても、嬉しくないというか、正直微妙なとこでは。
「オレダッテソウダゼ~。オレガツクラレタノハ、12000ネンマエナンダガ、グラン・ドラジェニミコマレテマホウヲオシエラレテルンダ」
「グラン・ドラジェ先生が骨董市で買って来たのよね。200ブラーで」
マジなのブルーベリー!?
やべーよカフェオレ。
要はカエルグミ緑×10と同価値ってことでしょ!?なんか泣けてくるな。
「ねぇアランシア。キルシュの事どう思ってる?
「どうって……幼馴染だけど」
キャンディちゃん!?
何がどうしてあなたがアランシアにその話題を振ってるの!?
風使いなのに空気読めないのはマズいでしょ!?
「やっぱ小さい頃から一緒だと、特別な感情ってないよね~」
あーこれはアカン。
地雷踏み抜いちゃってますよキャンディさん!!
なんてこと言っちゃってんだよホント!
「キャンディ!バカ!兄貴は本当は、お前のことが……」
「オレの話題はやめろ~!!海に行くんだぜ!!海だぞ、海!!」
「わかってるよ!!そんなこと言わなくても!!」
「海の歌とか、海の話とか、いろんな話題があるだろ!?」
話題転換に必死だよキルシュ。
分かりみしかない。
「海で僕達は子供に戻るのさ~。天国の扉を開くのは、戦士の力強い手でも職人の器用な手でもなくて、子供の小さな手なのさ」
「それはとても胡散臭い」
「君に言ってないけど?」
また睨まれた。
ちょっと呟いただけじゃん。
「君って空気壊すの得意だよね」
「それはお互い様では?ねぇガナっち」
「何故オレに振る」
「お隣だから」
「……」
返答に困るっているのか、答えたくないのか何も言わないガナッシュ。
元々あまり話さないタイプだけど、根が優しいのはちゃんと分かってる。
「ガナッシュがキャンプに参加するなんて意外。来ないかと思ってた」
「そういうアリアこそ。昨日サボるって張り切ってたじゃないか」
「まぁね。今日も途中までサボるつもりだったんだよ。成り行きで来たっていうか」
「成り行き?」
「あー!アリアずるーい!ガナッシュと何話してるのー!?」
前の方からキャンディの甲高い声が聞こえる。
地味に頭に響くからね。
ガナッシュなんて仏頂面もいいとこだよ!
「ヘイへイ、ガキんちょども!!海が見えてきたぜぃ!!」
「海か……仮眠一択だな」
「目を開けたまま寝るなよ」
「善処はする」
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