5章
夢小説設定
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そう告げてムスクはフェンネルを連れて去っていった。
これにて一件落着……
「ふざけんなーーーー!!オレの事はまた知らんふりかよーーーー!!」
にはなりませんよね!!!
知ってましたよ問題児が残ってることぐらい。
「セサミね……お姉さんビックリだわ。アンタなんて事しちゃってんよ」
「やっていいことと悪いことがあるんだぜ、セサミ。ちゃんとわかってんのか?」
「ムスクさんは、オレがエニグマに追いまわされてる時に助けてくれたんだ!!オマエら、オレがエニグマに連れていかれた時、何もしてくれなかったじゃないかーーーー!!」
そういうけどね。
「それは虫に夢中になってるからでしょ」
これですわ。
全くもって人の話を聞かなかったのはあなたです。
「人の所為ばかりにしていいのかな~?セサミが虫の事ばっかりしか考えてないで、周りを見てないからこうなったのよ~」
こういう状況だと周囲の把握って結構大事なんだけどな。
セサミはその辺り頭抜けてるらしい。
「セサミの目は、虫の目なんだよ。周りのことなんて、何も見えてないのさ」
「虫をバカにするなーーーー!!」
そういう受け取り方しちゃう!?
「虫をバカにしたんじゃないの!君をバカにしたの!」
シードルもご丁寧に返さなくても。
まぁ私も色々言ったけど。
「もういいよ、行くぜ。セサミももう、一人でいるのは懲りただろ?」
「うるさーーーーーい!!」
差し伸べかけたカシスの手を、セサミは勢いよく振り払う。
「お前らなんか、エニグマと融合して捻り潰してやるーーーー!!」
「は?え、あ!待ちなさい、セサミ!!」
セサミは走り去ってしまった。
なんて単純なんだ。
「シードル、サッキノハイイスギダッタナ」
機械音乙。しかし正論。
「…………つい思ってること全部言っちゃった。まずかったな……」
「過ぎたことさ。しょうがないよ。信じよう」
「セサミ、本当にエニグマと融合するつもりかな?」
「わからねぇ。とりあえず文鳥のどかし方を覚えて、エニグマの森へ向かおう」
「ブンチョウノ、ドカシカタヲシッテルヤツハサバクニイルンダロ?ダッタラ、マズムスクニサバクノアルキカタヲキカナイトダメダ」
「あー……その事なんだけど……」
この際だから言ってしまおう。
「砂漠の歩き方については知ってるんだ」
「そうなの~?」
「砂漠に生息しているアメフラシってのに協力してもらって雨を降らせて歩いていけば問題ないよ」
「へーそうなんだ。でも何でそんな事知ってるの?」
「それはーー」
「オレが教えたからだよな」
言いかけたところで、背後から声が聞こえた。
「誰…………?」
「いや~ん!誰なの~?」
「…………」
密林に入る少し前から、覚えのある気配がしてたから予想はしてたけど。
「久しぶりだな。アリア」
「まだここにいるんだ。物好き」
「故郷に似てるからな。割りとお気に入りなんだよ」
話しながら姿を現したのは、海のような青色の髪に空のような水色の瞳をした少年。
群青色のマントを軽くなびかせて、アリアに近寄る。
「あ!あれ!」
シードルは少年の胸元を指差す。
そこには見覚えのある形をした空を映したような首飾りがあった。
「アリアのやつと色違いだ~」
「知り合いってこと?」
「ワカリマセン」
マイペースというか、みんな相変わらず呑気なのでは。
私は気が気でないのに。
「お前なんでこんなとこにいんの?ついに物質プレーンから家出した?」
「んなわけないでしょ。野暮用があるのよ」
「どうせめんどくせーことだろ?相変わらずだな。けど礼は言っとくぜ。これでこのどーどー達は安心して暮らせる」
「あら気付いてたの」
「明らかに乱獲されてたしな。見てて良い気分じゃねーよ。お前達がいなかったら、俺があの虫大好きなチビちゃんをとっちめるとこだったぜ」
「タイミングが良かったわね」
コイツ手加減しないタイプだったわ。
セサミは命拾いしたな。
「アノ~……アリアサン、ソノカタハ……」
カフェオレが控えめに尋ねたことで、アリアは我に帰ったような感覚が走る。
うっかり話しすぎた。
「コイツは私の知り合いだから大丈夫。ちなみに名前はアクア」
「とりまよろしく~。まずは村に戻ろうぜ。こんなとこで立ち話はモンスターに襲われちまう」
「そうね…」
アクアに促され、アリア達はタピオカティ村の宿屋に向かった。
「改めましてー!アクア・リホークです。ちょっぴり聞いたかもだけど、そこのアリアちゃんとは昔からの友達でーす!」
テンション高っ!!
っていうか。
「誰が友達よ。だ・れ・が!」
「オレとお前」
「やめて。気色悪い」
「んだよ。じゃあこう言っても良いわけ?昔とある大陸でーー」
「やめて。はっ倒すわよ」
「ひぃ~こえ~」
そう言いながらもニヤニヤ笑っていて腹が立つ。
「アクアさんって~いくつなんですか~?」
「16歳!アランシアちゃんは?」
「15歳です~」
「若いねー!」
軽いフットワークも健在か。
「アリアサントハ、ナカガヨロシインデスカ……?」
「オレはそう思ってるけどねー?アリアっちはどうかなー?でも腐れ縁ではあるなー」
「腐れ縁って?」
みんな興味津々だなぁ。
あんまり知られたくないんだけども。
「シードル」
「何?…………きゃぁあああああ!!」
シードルにミミズグミを投げる。
「なにするのさ!」
「今日は色々あったし、明日に備えて早めに寝なよ。アクア、ちょっと着いてきて」
「へいよ」
「フタリダケデオハナシデスカ?」
「久々に会ったからね。積もる話しもあんのよ」
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