序章
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「手伝うのは構わねーけどさ、何で図書室?」
アリアの寄り道に付きあう事になったカシスの第一声。
「ここって意外と掘り出し物があるんだよ。知らなかった?おっ!木のくつ発見」
「…………」
「ぱっちんどめもあった。ラッキー」
「…なぁ」
「んー?」
「なんで急に行く気になったんだ?」
「なんとなく」
「嘘つくなよ」
指摘するカシスに対して、アリアは軽く笑みを浮かべる。
誤魔化してはみたけど、どうやら悪友には通用しないらしい。
「昨日までサボる気満々だったくせに、今日になって急に心変わりするとか。なんとなくでこういう事に関わる質じゃねーだろ」
「そうかなぁ」
「オレには教えてくれてもいいんじゃね?」
「えー?」
言っても良いのかも知らないが、不確定なことも少なくないなか、余計なことを言うべきでもないはずだ。
けれど相棒のカシスには、少しくらいなら教えたっていいのだろうか。
「そうだなぁ……んー……キャンプではきっと何かが起こるだろうね」
「何が起きる?」
「さすがにそこまでは。でも分かるのよ。持ち前の勘なのか……それとも呪いなのかは知らないけど……」
「え?」
おっと口が滑った。
「何はともあれ、行ってみなきゃ全部は分からないから行くのよね」
その先で、どんなことが待ち受けていたとしても。
「ところでカシス君」
「?」
「ぱっちんどめとビニールシャツって言ったら、どっち取る?」
「そりゃあ」
「ビニールシャツよね!」
「まだ何も言ってねーから!」
「私はいらない!汗吸い取らないし!」
「ふざけんな!だったら愛のシール寄越せ!」
「いやだね!シールは高級品なんだ」
「うそつけ!!」
それから数分後。
図書室を出てバスへと急いだ。
「おっそいぞ~!急いで~!」
「「さーせん!!」」
図書室を色々と漁ってたせいか、どうやら私達が最後だったらしい。
急いで乗り込むのはいいが、困ったことに席が余ったとこしかないワケで。
「シードルの隣はちょっとなぁ…」
「ちょっとって何さ?」
「小言とか言われそうで」
「僕をいったいなんだと」
「んー小姑?」
「君がそういうこと言うからでしょ」
ジト目で見てるよ怖いわぁ。
とりまカシスに座って貰って、私はその後ろの席に座った。
「ガナっち、おはよ!」
「おはよう……またその呼び方か」
「いいじゃん?ダメ?」
「………」
無言ってことは、否定しないってことかな?ん?
「レディ~~~~ス!エ~~ンドジェントルメ~~~~ン!!本日は当バスをご利用いただきま~~こ~~と~~に~~ありがとうございマ~~~~ス!!」
誰だコイツは。うるせぇな。
「臨海学校INヴァレンシア海岸!現地まで皆様を案内させていただきますのは~~~~さすらいの天才ドライバー!!ブゥワルゥスワミ~~コ~~!!どんどんどん!!ぱふぱふぱふ!!キャ~ッ!カッコイイ~ッ!」
「「ウゼー!!」」
偶然にもカシスとハモる。
思うことが一緒とか、さすが相棒にして悪友だわ!
「それでは目的地、ヴァレンシア海岸へ向けて!……レディーーーーーーーーーーーーーーーーーッ…………ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」
そして動き出した魔バスは、早速校門を破壊した。
「…………」
「ドゥヒン☆まぁその……あれよ。噂ってのはね、所詮こんなもんなんだよカシス。プププッ!」
「笑うな!!」
「いやもうツボ過ぎるでしょ!あんな深刻に語ってて……あはははっ!」
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