5章
夢小説設定
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ムスクがようやく現れる。
「兄さんっ!!」
ネクターが倒れたどーどーへ駆け寄る。
「兄さん!!大丈夫かい!?しっかりして!!返事をしてよ!!起きて!!」
「…………少年よ。そのどーどー鳥は………まさか」
「どーどー鳥じゃない!!オレの兄さんさ!!エニグマの呪いでどーどー鳥になってるけど、1000年後にはもとに戻るんだ!!それを……それをお前はッ…………!!」
「マジかよ………」
どーどー鳥の本来の姿は、精霊や人間はもちろんヴォークスやニャムネルト、その実多岐に渡る。
どーどー鳥を狙う者達からすれば、そんな事はどうでも良いと思う者が多いかもしれないが、誰かにとって大切な人であったりするんだ。
「すまない……知らなかったんだ。妹の呪いを解くためには、どうしてもどーどーの血が必要で…………森で助けたセサミくんを使って、ここのどーどーを採らせてたんだ…………」
自分に足が付かないように、ということだろうか。
「いや、知っていたところで……1000年後!?1000年後に戻るって!?1000年なんて待てるもんか!待てるわけがないだろ!?オレが殺さなくったって、他のヤツが殺して薬にしてしまうだけだろ!!だったらお前の兄だろうがなんだろうが関係ない!!どーどーはどーどーだ!!オレの妹の呪いを解く為に捕まえて、殺して、薬にして何が悪い!!」
「もうやめてッ!!」
ムスクの言葉にココアは悲壮な表情で叫ぶ。
「私の為にどーどー鳥を殺したりしないでッ!!無駄なのよ、もう!!お兄ちゃん……これを見て」
「!!!!!」
ココアは掌を見せる。
そこには本来生えるはずのない鳥の羽が生えていた。
「いや~ん。なんか鳥の羽が生えてる~」
「お兄ちゃんが心配するから隠してたけど、もう遅いの。手だけじゃないのよ……胸やお腹や足にも……」
「アリア、どういうこと?」
この現象が分からないのか、シードルは問い掛ける。
「ココアちゃんは病気ではなくて、呪いを受けてるの。しかもエニグマの……」
「そうよ。アリアさんの言う通り、私どーどーになっちゃうの。エニグマの呪いで……どーどーになっちゃうの!」
「毎日欠かさずに、どーどーの血を飲ませたんだが……クソッ!!」
ムスクは悔しそうに、それでいてどことなく悲しげだった。
「どーどーの血を飲ませたって進行を遅らせるだけで呪いそのものが解けるわけじゃない」
「クソッ!!オレはどうすればいいんだッ!!オレは一体ッ!!」
「残念だがオレにはどうにもできないよ。もう帰ってくれ」
ネクターの言葉にココアは顔をあげる。
「私は残ります!ここに残ります!!」
「ココア……」
「どーどーになってしまうのは、もう止めようがないでしょ!?だったら村にいるより、ここにいたほうが安全でしょ?」
「確かにここは、どーどーにとって安全な場所だ。しかし私はそれでよくても彼が……」
「オレは構わないよ。だけどアンタはもう二度とここに来ないでくれ」
「私のせいで、あなたのお兄さんを死なせてしまって……私どう言ったらいいか………」
あ、それね。この空気で実に言いにくいんだけども。うん。でも言わなきゃなぁ……。
「……あの。大変しんみりした雰囲気のなか申し訳ないんですが…………お兄さん、生きてますよ?軽く逝っちゃいそうだけど」
『どー・・・・』
「兄さん!!!!!」
ネクターは驚きながらも兄であるどーどーに駆け寄る。
「あのな、アリア………そういうのは早く言えよ」
「言いたかったけど、タイミングが合わなかったの」
それに私にはまだ気になる事ががが。
「カエルグミだよ……食べられる?」
「『どー……ど~…………♪ど~……………♪」
カエルグミを食べて元気が出たのか、自力で起きあがるネクター兄。
「生き返ったぁーっ!!」
「やったぁーーーーーっ!!兄さんが生きてたーーーーっ!!死んでなかったんだーーーっ!!」
「やっほーーーーーーーーっ!!」
ネクターとココアは飛び上がって喜ぶ。
「……よかった。ココア、私はもう少し呪いのことを調べてみる。何か方法があるかも知れない。いや、必ず見つけてみせる。あ、それから君達」
ムスクはアリア達に声をかける。
「砂漠の歩き方を教えて欲しいって言ってたね。私の部屋にくれば、いつでも教えてあげるよ。それじゃ!」