5章
夢小説設定
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「砂漠だー!!」
「暑いぜー!!」
「「タピオカティ村ー!!」」
湿った沼地と一旦おさらば!!
乾燥地帯いらっしゃーい!
「君達ホントに馬鹿だよね」
盛り上がるアリアとカシスを見て、シードルは冷ややかな眼差しと共にそう呟く。
「なんだよ、暑さを紛らわす為に言ってんのによ」
「余計に暑苦しいから。それより早くしなよ」
「あ?」
「アリア達はもう移動したから。置いてくよ」
「早っ!?」
さっき隣にいたじゃん……BY.カシス
「ふー……それにしてもタピオカティ村は暑いね。近くに家があって良かった」
「ホントね~」
「オーバヒートシソウ……」
闇のプレーンの地域性もさながら温度調整どうなってんのって感じだ。
体調崩しやすそう。
アランシアは長袖だから余計に暑そうだし、カフェオレはまぁ……適当に水でも撒いとくか。
ひとまず聞き込みもしよう。
近くの家を覗くと、奥から声が聞こえてきた。
「んっ……」
「飲みにくいかも知れんが、我慢してくれ。それを後30日も続ければ病も治るはずだ」
「うん……明日もその次も飲むの?」
「そうだ。かなり病が進行している。一日でも欠かすと危ない」
話を聞きながら家へと足を踏み入れると、視界に映ったのは、ニャムネルトの青年と少女だった。
薬を毎日飲まないといけないってことは、あの女の子はかなりの大病を患ってるのかしら?
見た感じ普通な気がするけど……。
「なんだか、すごくイヤな味。苦くも辛くもないけど……胸につかえるような、すごく悲しくなる味……」
苦くも辛くもない?
何の薬だろうか。
「後一月ばかりの辛抱じゃないか。病気が治ったら、美味いものを沢山食べよう。肉でも果物でも。ケーキでもなんでもいいぞ」
「…………んーん。何も食べたくない」
「今は体が何も受け付けないだけなんだ。来月になれば、何か食べたくなるさ」
「ありがとう……」
話に一区切りついたと思い、アリアは奥へと進む。
「すみませーん……」
控えめに声をかけると、少女と話していた青年が振り向いた。
「おや、見かけない顔だね。僕はムスク。さっきも君達くらいの子供が何人か、この村を通って東のエニグマの森へ向かったよ」
「!!……黒いフードを被った男の子もいましたか?」
「ああ。確かそんな子もいたかな」
どうやらガナッシュ達で間違いなさそう。
でもどうしよう。思ったよりペースが早い。
「この辺りは文鳥が邪魔で通れなかったり、砂漠は熱くてバテたりで大変だろう?さっき来てた子供らは、宿屋に泊まってたヴォークスの少年に文鳥のどかしかたを聞いてたよ。私は文鳥のどかし方は知らないのだが、上手な砂漠の歩き方ならわかるよ。でも、今は急ぐし、教えても意味が無いから、またあとでね」
おっと見事なマシンガントーク。
「ああ、ごめんごめん。話が長くてわかりづらかったろう?メモを渡しておくよ。気になることがあれば、あとは妹のココアに聞いておくれ。それじゃ」
ニャムネルトの青年ムスクは、それだけ言って颯爽と去っていった。
「ふむ……まじか」
渡されたメモを見て、思わずため息を吐きそうになる。
参ったな……このメモの通りなら、砂漠には今アメフラシがいない。
となるとカフェオレがオーバーヒートするだろうから横断は不可能に近い。というか無理。
加えて私達にはあの厄介な闇文鳥をどかす術がない。
ニャムネルトはどかすより取って食べてしまうからな。
それに倣っていけばエニグマの森に直行出来るだろうけど、さすがに文鳥を食べる趣味ないなぁ。
しかもさっきの話しに出てたヴォークスの少年ってメースじゃないか?
なら会わなきゃじゃん。
結論、しばらくこの村に滞在しなければならない。
「最悪だ」
「……あの」
アリアの呟きを聞いてか、ココアが心配そうに声をかける。
「大丈夫ですか?」
「ああ、ごめんなさい。心配してくれてありがとう。私アリアって言います」
「アリアさんですね。私は兄さんが言ってたんで知ってるとは思いますが、ココアです」
おー!!礼儀正しい子だ!
加えて可愛い!
「そういえばココアちゃん、お薬飲んでたけど、どこか具合でも悪いの?」
「ええ、少し……」
「そっか。お大事にね」
そう言って外に出て辺りを見回すと、大きな獣を連れたムスクがいた。
「おいでフェンネル。ごめんな。おまえにも苦労かける」
「ぐるるる」
ムスクは道具屋に入っていった。
ちょっと探ってみるか。
道具屋の入り口で耳を立てる。
「アレはもう扱ってないんだ。値段が上がっちゃってね。ここ数ケ月で、ものすごく少なくなったらしくて。自分で探してみなよ。まだ何羽か残ってるだろ?」
何羽ってことは鳥?
闇文鳥?いや違うか。
「そうですか……確かにこの辺ではもう見かけなくなりましたね」
「大きな声じゃ言えないが…………の……………に……が………………らしいぜ」
肝心なとこなのに聞こえない……
黒魔導撃つぞコロヤロー!
「あんなところに……?でも何で?あそこはモンスターがウヨウヨいるハズじゃ……」
「そんなこたぁ知らないよ。もし捕まえに行くんなら、余ったヤツは買うぜ」
どういう事?
生き物を捕まえる事ってのは想像できるけど……一体何を…………話の流れからして珍しい希少生物だろうけど。
「仕事だよフェンネル。おいで」
ムスクはフェンネルを連れて、森の中へ行ってしまった。
あの方面はエニグマの森ではなく、確か……。
「おーい!」