4章
夢小説設定
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早めに就寝したお陰か、すっきりした朝の目覚めだった。
「カシスさーん、起きてくださーい」
「んー……あと5分……」
おっとこれは起きないパターンだな。
「ありきたりなセリフをどうもありがとう。脳みそぶちまけてやんよ☆」
魔法を放とうと手をあげる。
「すんません!起きます!起きますから!!」
まったく。現金な奴ね。
にしても体が少し重いような。
結構寝たはずなのに、疲れが取れてないのかなぁ。
ぼんやりとそんなことを思いながら、支度をしてリーダーの家に行くと、既にメースがいた。
昨日と同様に門番と言い合っていた。
「どうして会わせてもらえないんですか?教えてください」
「それはだな……えー、 シナモン様は今、お病気で伏せっておられる故にだな、また後日訪ねられるが良い」
「病気?本当に病気なんですか!?」
メースは驚き、焦った口調で門番に迫る。
「言うにことかいて!本当に病気かだと!? 私がウソをついていると言いたいのか!?」
「いえ、そんなつもりでは……せめて病名だけでも……」
「病名は……ウーズ熱だ。お前みたいなヤツとコソコソ会ってるから、こんなことになるんだ」
「う、嘘だ……そんなことが……」
「とにかく立ち去れ。邪魔だ」
煩わしいと言わんばかりの門番。
「取ってきます……」
「なんだってぇ~???」
「アイスシード……取ってきます」
「アイスシード……まさか……!!ジェラ風穴に入るのか!?」
驚く門番にメースは何も言わず背を向ける。
「待っててください。必ず戻ります」
門番の言葉を最後まで聞かずにメースは行ってしまった。
「や~ん!酷いわ~!!なんてことぉ!?」
「まさか本気じゃねぇだろ?厄介払いできれば理由はどうでもいいのさ」
カシスの言う通りだ。
でも嘘を吐くにしても、もっとマシな言い方があるだろうに。
「シナモンのウーズ熱なんて話も怪しいモンだぜ」
ホントにね。
メースは一生懸命なのに。
なんで他人は彼を冷たくあしらい、邪険にばかりするんだろう。
まるで…………。
『今度は俺達ってか。やってらんねーよ』
『なぜ、異なる事を恐れるのか』
『結局人間は、争わずにはいられない生き物なのよ』
『牙を剥くってなら、それでいい。全力で蹴散らしてやるだけだ』
『誰もが泣いている……どうして…』
『望めないのなら、いっそのこと何もかも…』
「くだらない」
向き合うことすらせず、自分達と異なるだけで牙を剥く。
自分達が正しいと思い込み、それぞれの正しさを主張し、そぐわぬものを刈り取って。
自分達にとっての安寧なる陳腐な理想郷を作る。
本当にくだらない。
「メースの後を追おう」
船着場向かうと見慣れた背中を見つけた。
「よう!町を出て冒険でもしてみる気になったのかい?」
陽気に話しかけるカシス。なんだかんだ言って心配してるのだろう。
「冒険?まさか……汗水たらして、泥にまみれて何をしようって言うのさ」
「相変わらず散々な物言いね」
口の中にミミズぶっ込みたくなる。
「コンナトコロデナニシテンダ?」
「………」
カフェオレの問いに沈黙するシードル。
「リーダーの船が無いわ~。メースが使ってるの~?」
「氷の島……ジェラ風穴に行くって…」
「一人でそんなところへ!?あのオッサンの話を真に受けたのかよ!!」
真っ直ぐだからね、彼。
それでも想い人の為に、ううん。他人のためにそこまで出来るのは凄い事だ。
「ジェラ風穴って、村人も恐れて近寄らないところでしょ~?どうして一人でそんなとこに行くのよ~!」
「行こう、シードル!!アイツを助けなきゃ!!」
「……」
「イソグゼ!!テオクレニナラナイウチニ!!」
シードルはカフェオレの言葉に首を振る。
「君らだけで行けよ。僕には関係ないよ」
「見損なったわ!!」
シードルの言葉にある人物が声が響く。
「シードルなんか来なくていい!!先生が助けに来てくれるまで、ここでじっと待ってなさいよ!!」
アランシアの普段は見せないほどの憤りを露わにする。
「……みんなボクのママと同じように死ねばいいんだ……」
「え?」
「……シードル?」
「ボクとママとで、パナシェ山に芸術祭の準備に行った時………ママが氷の彫刻に熱中しているうちに、外は吹雪になった。吹雪はそれから4日間も続いて食べるものもなくなって、ママは助けを呼びに行くって………そのまま2度と戻らなかった。その次の日に救助隊の人が来てボクは町へ帰ったけど、ママは帰って来なかった」
シードルが語りだした過去に閉口する。
「知らなかった……。でも、今のオレたちは助けを待つ身じゃないだろ?」
カシスが静かに言葉を掛けるが、シードルは走って去ってしまった。
「シードルッ!!」
追いかけようとするカシスの腕を掴む。
「今はそっとしてあげて」
決意するまで、時間はまだあるはずだから。
「今の私達が優先するのはメースよ。早く追いかけよう」
「カシスさーん、起きてくださーい」
「んー……あと5分……」
おっとこれは起きないパターンだな。
「ありきたりなセリフをどうもありがとう。脳みそぶちまけてやんよ☆」
魔法を放とうと手をあげる。
「すんません!起きます!起きますから!!」
まったく。現金な奴ね。
にしても体が少し重いような。
結構寝たはずなのに、疲れが取れてないのかなぁ。
ぼんやりとそんなことを思いながら、支度をしてリーダーの家に行くと、既にメースがいた。
昨日と同様に門番と言い合っていた。
「どうして会わせてもらえないんですか?教えてください」
「それはだな……えー、 シナモン様は今、お病気で伏せっておられる故にだな、また後日訪ねられるが良い」
「病気?本当に病気なんですか!?」
メースは驚き、焦った口調で門番に迫る。
「言うにことかいて!本当に病気かだと!? 私がウソをついていると言いたいのか!?」
「いえ、そんなつもりでは……せめて病名だけでも……」
「病名は……ウーズ熱だ。お前みたいなヤツとコソコソ会ってるから、こんなことになるんだ」
「う、嘘だ……そんなことが……」
「とにかく立ち去れ。邪魔だ」
煩わしいと言わんばかりの門番。
「取ってきます……」
「なんだってぇ~???」
「アイスシード……取ってきます」
「アイスシード……まさか……!!ジェラ風穴に入るのか!?」
驚く門番にメースは何も言わず背を向ける。
「待っててください。必ず戻ります」
門番の言葉を最後まで聞かずにメースは行ってしまった。
「や~ん!酷いわ~!!なんてことぉ!?」
「まさか本気じゃねぇだろ?厄介払いできれば理由はどうでもいいのさ」
カシスの言う通りだ。
でも嘘を吐くにしても、もっとマシな言い方があるだろうに。
「シナモンのウーズ熱なんて話も怪しいモンだぜ」
ホントにね。
メースは一生懸命なのに。
なんで他人は彼を冷たくあしらい、邪険にばかりするんだろう。
まるで…………。
『今度は俺達ってか。やってらんねーよ』
『なぜ、異なる事を恐れるのか』
『結局人間は、争わずにはいられない生き物なのよ』
『牙を剥くってなら、それでいい。全力で蹴散らしてやるだけだ』
『誰もが泣いている……どうして…』
『望めないのなら、いっそのこと何もかも…』
「くだらない」
向き合うことすらせず、自分達と異なるだけで牙を剥く。
自分達が正しいと思い込み、それぞれの正しさを主張し、そぐわぬものを刈り取って。
自分達にとっての安寧なる陳腐な理想郷を作る。
本当にくだらない。
「メースの後を追おう」
船着場向かうと見慣れた背中を見つけた。
「よう!町を出て冒険でもしてみる気になったのかい?」
陽気に話しかけるカシス。なんだかんだ言って心配してるのだろう。
「冒険?まさか……汗水たらして、泥にまみれて何をしようって言うのさ」
「相変わらず散々な物言いね」
口の中にミミズぶっ込みたくなる。
「コンナトコロデナニシテンダ?」
「………」
カフェオレの問いに沈黙するシードル。
「リーダーの船が無いわ~。メースが使ってるの~?」
「氷の島……ジェラ風穴に行くって…」
「一人でそんなところへ!?あのオッサンの話を真に受けたのかよ!!」
真っ直ぐだからね、彼。
それでも想い人の為に、ううん。他人のためにそこまで出来るのは凄い事だ。
「ジェラ風穴って、村人も恐れて近寄らないところでしょ~?どうして一人でそんなとこに行くのよ~!」
「行こう、シードル!!アイツを助けなきゃ!!」
「……」
「イソグゼ!!テオクレニナラナイウチニ!!」
シードルはカフェオレの言葉に首を振る。
「君らだけで行けよ。僕には関係ないよ」
「見損なったわ!!」
シードルの言葉にある人物が声が響く。
「シードルなんか来なくていい!!先生が助けに来てくれるまで、ここでじっと待ってなさいよ!!」
アランシアの普段は見せないほどの憤りを露わにする。
「……みんなボクのママと同じように死ねばいいんだ……」
「え?」
「……シードル?」
「ボクとママとで、パナシェ山に芸術祭の準備に行った時………ママが氷の彫刻に熱中しているうちに、外は吹雪になった。吹雪はそれから4日間も続いて食べるものもなくなって、ママは助けを呼びに行くって………そのまま2度と戻らなかった。その次の日に救助隊の人が来てボクは町へ帰ったけど、ママは帰って来なかった」
シードルが語りだした過去に閉口する。
「知らなかった……。でも、今のオレたちは助けを待つ身じゃないだろ?」
カシスが静かに言葉を掛けるが、シードルは走って去ってしまった。
「シードルッ!!」
追いかけようとするカシスの腕を掴む。
「今はそっとしてあげて」
決意するまで、時間はまだあるはずだから。
「今の私達が優先するのはメースよ。早く追いかけよう」