4章
夢小説設定
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嫌々ながらもアランシアは、なんとか歌ってくれた。
意味不明な歌のはずが、彼女が歌うと不思議な気持ちになる。
「そなたらの思いはわかってお~る!!なんてったって私はオーソリティッ!!」
ギュウヒ・オグラは、アランシアに闇のプレーンの地図を渡す。
「私の勘では、そなたらの担任のマドレーヌ先生とクラスメイト8人は、闇のプレーンに来ておーる!!」
具体的過ぎて、もはや勘じゃないでしょそれ。
でも8人ってことは、カシスもやっぱりこっちに来てたのね。
何があったんだか。
「そしてなんと、闇の存在がお前達を狙っておーる!!ここから沼の外周をつたって北へ行けば、ヴォークスの住むマサラティ村へと出よう!まずはマサラティ村を目指すがよい!」
マサラティ村か…。
ピーちゃんいっぱい村だ。
「そして光の御子。そなたの旧き友もこのプレーンに来ておーる!」
「!!」
その呼び名で呼ばれるとは思わなかった。
心臓に悪すぎでしょう。
「ありがとうございまーす…」
居たたまれない気持ちのまま、その場を後にした。
「頭は人間なのに体は虫って~……ちょっと気持ち悪かった~」
頭と体が合ってないってのは、意外とキツいよね。
別の意味でも心が重いけど。
「借りを返すぜ。ここでケリを付けさせてもらう」
あれ。今すごく聞き覚えのある声が聞こえたような…。
小走りで先へ進むと見覚えのある後ろ姿だった。
「カシス~!!元気だった~!!助けに来たよ~!!」
「ん??」
アランシアの声に振り向くカシス。
その後ろにはドワーフがいたが、これまた見覚えのある何かと走って行った。
「あっ!なんか、今走って行った子……ショコラにそっくり~」
「そう。ショコラだ」
「追いかけなくていいの~!?」
「……無駄なんだ」
「だろうね。あのドワーフ、エニグマ憑きでしょう。ワープの魔法が使えて、あともうちょい!って所で逃げられる」
「さすが。よく分かってんじゃん」
しかしあのエニグマは、ショコラを連れまわして苦労してないのかね?
マッドマンはただでさえ意思疎通も困難だし、運ぶのだって一苦労なのに。
「オレ一人だったら、正体を現して襲いかかってきたハズだ」
そうかも知れない。ここは闇のプレーン。
エニグマ達にとって都合が良い世界。
「イヤナテンカイニ、ナッテキタゼ…」
「なってきた?カフェオレが私を指名したときから嫌な展開になってるよ」
「ガビーン!!!」
闇のプレーンって、暑いわりに湿度高そうだし。
「ははっ…久しぶりだってのに、お前は変わんねーな」
「これでも大変だったよ。ていうかアンタは何で闇のプレーンに飛ばされてんのかしら。あの時の大丈夫は一体何だったのかしらね」
「耳が痛ぇわ」
痛いところを突かれ苦笑するカシスの様子に、アリアもまた相変わらずだなと思い笑みが零れる。
「また会えて良かった」
君の事も、とても心配してたから。
「私達はこれからマサラティ村に行くけど、カシスはどうする?」
「さすがに闇のプレーンでは一人じゃヤバい感じだ。手を組もうぜ?アリア」
「そうこなくっちゃ!」
アリアとカシスは互いの拳を合わせる。
「アリアとカシスって仲良いよね~」
「お似合いだろ?」
「ほんと?じゃあ今度、魔法放つ時にゴッド・ハンド・クラッシャーって言ってね」
「それは無理」
闇のプレーンに来て早々に、カシスと合流してマサラティ村に向かう。
「迷子の迷子のカシスちゃん~♪あなたのお家はどこですか~♪」
「その歌やめろ!」
「素敵な歌だと思うけど~♪」
「それはない!」
「オウチ~ヲキイテモワカラナイ~♪」
「機械音で歌うな!」
加わって数分。
カシスはツッコミ担当になっていた。
「何で全員ボケなんだよ!!よく今までやってこれたな!!?」
今まではというか、光プレーンはブルーベリーや姐さんいたから、割とバランス良かったような。
「むしろ上には上がいた……?」
ペシュペシュとかキルシュとか。
あ、ピーちゃんは貴重なツッコミだった。
「ともあれ、ここからはずっと私のターンってこと!」
「そのネタやめような?読者に不人気だって」
そうなんですか……?
私めっちゃ好きなんですけど……
「ならせめてラーは添えるだk」
「お前は魔法が使えるか?」
遮られた。何奴!!
「ドワーフの声だ!」
え、声で分かるんですか。
まぁカシスはずっと追ってたもんな。
「魔法?魔法がどうかしました?」
「オレの新たな宿主にふさわしい魔法の使い手かと聞いている。質問に答えろ」
「そんな尋ね方をして誰が答えるもんですか。立ち去りなさい」
言い合っていたのはヴォークスの女の子だった。
毅然とした態度でドワーフをあしらっている。
「おい………ショコラがいないぞ」
「ドコカニカクシタトカ…」
「隠す場所ある?」
案外そこらへんで突っ立ってたりして。
「チッ!邪魔が入ったか! 」
様子を伺ってた私達に気付いたドワーフは、瞬時に消える。
「畜生…!これじゃ追うに追えねぇ!」
「変なドワーフね……まったく、どうしたのかしら」
「まったく、いつになったらケリがつくのか……」
独り言のはずが、さり気なく会話のキャッチボールが出来ている。
「あら、はじめまして。私はシナモン。マサラティ村の者です」
「ご丁寧にどうも。アリアです。三幻神一筋です」
「変な事言うなよ」
言ってません。
「先ほど村のほうでも何人か旅の方を見かけましたけど、お知り合いですか?」
「う~ん。もしかしたらそうかも~。でも、わかんな~い」
「もしお知り合いでしたら彼らを止めたほうがいいかも。彼ら、レヒカフ沼の南にわたるって言ってましたから」
「ヌマニハ、ハイリタクネェナァ。サビタライヤダシナァ」
「何言ってんだか。どうせなら身も心も錆びてしまえ。闇のプレーン来ました記念に」
「イヤデス!!」
機械音で叫ばれてもなぁ。
「なんでもエニグマの森に行くんですってよ」
「え!?」
「私はこれで!村の人に見られたくないの!」
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