2章
夢小説設定
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「あまり人数が多いと逆に危険だ」
「チームを分けて、一部は魔バスで待機しよう。あの中なら、モンスターも襲って来ないし安全だ」
そう言い終わると、レモンがブルーベリーを見る。
それに連ねるようにキルシュやアランシア達もブルーベリーを見る。
まぁ待機組に彼女は一番に挙がるよね。
「私、残るのはイヤよ。戦うわ」
「ブルーベリーちゃん……」
「ありがとう。いつも気を使ってもらって。でも私だけ残るのはイヤ。絶対にイヤ!」
「気持ちは分かるけど、体は大丈夫なの?」
「心配しないでよ。大丈夫に決まって……うっく……!」
ブルーベリーがよろけると、レモンが溜め息をつく。
「ダメじゃん。ぺシュ、キルシュ。彼女を魔バスまで連れて行ってあげて」
「除け者にしないで!!私だってやれるわ!!」
「レモンちゃんはそんなつもりで言ったわけじゃないですの~」
「どんなつもりか知らないけど……いつも私ひとりだけ置いて行かれるのはイヤ!!」
ブルーベリーは体弱い。
運動の授業はいつも見学で一人だったから、気持ちが分からないわけでもない。
「確かに私……生まれつき体は弱いけど、でも、そんなこと気にしないで普通に接して欲しいの!」
必死に訴えるブルーベリー。
一方、レモンは首を横に振る。
「できないよ……特に今は酷い有り様だ。下手すりゃアンタを死なせることになる」
「じゃあ私に、一生みんなから外れて生きて行けって言うの!?小さい頃からずっとパパやママから、お前は長生きできないって言われてきたから、私死ぬのなんて怖くないよ!長生きしたいなんて少しも思ってない!!ほんの少しの時間でも、みんなと一緒にいたいの!!親友でしょ?レモン!」
必死に訴えるブルーベリーだが、レモンは神妙な面持ちを崩さない。
「ブルーベリー……私達、本当に親友だった?」
「それは……あなたがどう思ってるか知らないけど、私は親友だって思ってた。それすらもいけないって言うの?」
「それじゃ、どうして親友の私にいつも隠し事をするの?」
「隠し事?私が?」
ブルーベリーが首を傾げる。
「あなた、体の具合が悪い時も何も言ってくれないじゃない。何も頼ってくれないじゃない。私がいつも心配してるのに、自分だけで抱え込んじゃってさ。そんなの親友じゃないよ!!なんで何も言ってくれないんだよ!!」
「!!!!だってそれは……」
「一緒に行くのは構わない。でも条件があるわ。体の調子が悪い時はすぐに言うこと。自分だけで抱え込まないで。ちゃんと私や、他のみんなを頼らなきゃダメよ。それが守れるならもうあなたを一人で待たせたりしないわ」
「……ありがとう、レモン。あの……ごめんね、私……迷惑ばっかかけて……」
「OK。行こう、ブルーベリー」
……女の子の友情は素晴らしい。
これならブルーベリーは大丈夫だ。
「しかし大人数が危険なことに変わりないよな」
「ひとまず二手に分かれた方が良いね」
問題はどう分けるかだな。
「ねぇアリア。カフェオレの事は私達に任せて欲しいの。私とブルーベリーとぺシュ、三人でなんとかカフェオレを連れて帰るわ」
「いいよ。カフェオレの事は任せるわ」
悩む時間は惜しいし、レモンの申し出を受け入れる。
そろそろ休みたいし。
あとカフェオレと話すのかったるいし。
「誰もお前を止めたりしねぇよ。どうせダメだって言っても行く気なんだろ?」
「ヤル気が滲み出てるっぴ」
うんうん。
ピーちゃんの言う通りだ。
「アリアちゃんも一緒に行きますの!」
うんうん。
………………………ゑ?
「ちょっと待って!」
「そうね。アリアには特別な何かを感じるし、一緒にいてくれたほうがいいわね」
「いや、あの」
勝手に話が進んでるんですけど!
ペシュちゃんレモンの話聞いてた?
ねぇ聞いてましたか!?
「それじゃ、お言葉に甘えて私達、魔バスで待ってるけど……本当に大丈夫?」
「大丈夫に決まってるでしょ?私一人でも平気なくらいよ」
いやいやいやいや!
大丈夫とか以前に私は!?
「それじゃオイラたち、魔バスに戻るっぴ!これ以上絡むとヤバいっぴ!」
「ん?これ以上絡むと何がヤバいって?」
「なんでもないっぴー!! 」
「ピーちゃん…」
……行っちゃったよ。
「やれやれだぜブラザー。ま、ケガしないようにがんばれよ」
「頑張ってね!無理しちゃダメだよ!」
アランシアとキルシュも魔バスへと向かっていった。
魔バスで休むルート消えたんですが…。
「それじゃ行こうか。目指すは裏門。裏門を守ってるドワーフがカフェオレの行方を知ってるはずだ。裏門はこの宮殿の北西のあたりに位置しているから、まずはトピアリー迷宮の外へ抜けようぜ」
「…ッスね」
落ち込んでも仕方ないか。
まだまだ探さなきゃいけないし!
「裏門へ行こうか」
「そうね。パンが残ってればいいけど・・・」
「無くても鳥が近くにいるだろうから、道標にすりゃなんとかなるっしょ?」
「アリアちゃん流石ですの!」
いや、普通です。
先を急ごう。
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