2章
夢小説設定
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「魔バスだっぴ!!」
「ほんとだ~。こんなものまで来てるんだ~」
「エニグマのヤツら、人もバスもおかまいなしかよ……オツムはピーナッツだな」
「否定はしないけど、君に言われたくはないと思うよ」
オツムに関しては大して変わんなさそうな気がする。
「さっき聞こえた声って、やっぱりバルサミコの声だったんだ~」
マジか……
あのテンションに付き合うのはかったるいぜ。
「よう!悪ガキども!生きてやがったな!魔バスの天才ドライバー様もこっちに来てるぜぃ!」
「バルサミコだっぴ!」
「運転手付きか。気がきくなエニグマ」
本当にそう思ってるのキルシュくん。
「いやぁ~、さっきはエニグマの仲間だと勘違いされて絡まれてたんだ。まったく、オレのどこが悪いヤツに見えるってんだ!?」
「どこをどうみても全体的にじゃん?」
「はっはっ~。相変わらず口が悪いな不良少女アリア!相方は見つかってないのか?」
「ああ……うん。まだだよ」
光プレーンにはいるはずなんだろうけど。
カシスのヤツ……どこにいるんだか。
「とりあえず乗れ。遠慮なんかすんなよ。自分ちだと思ってくつろいでくれ!」
アリア達は魔バスに乗った。
癪ではあるが、何故か落ち着く。
「ねぇバルサミコ、他の生徒は見なかった?」
「見た見た。カフェオレとぺシュな。それとレモンとブルーベリーな。あの子ら仲良いよなぁ」
あの2人はホントに仲良しだわ。
「キャンディは!?キャンディはいなかったか!?」
「キルシュうるさい。あんまキャンディばっか言ってっと地雷踏むぞ」
どうやらバルサミコは、ペシュ達以外には見てないらしい。
「バルサミコ……ガナッシュは見なかった?」
「ガナッシュ?ああ、あの子は一人で勝手にどっか行っちゃったね~。他の4人が帰ってこないって言ってんのに、聞きもしねぇ」
「そう……え」
帰って来ない?
それは嫌な感じがとてもするんだけど。
「彼女ら、カフェオレを探しに行ったきり帰ってこないね~。カフェオレがいれば魔バスもなんとかできるかも知れないのにねぇ~」
「探しに!?カフェオレはどうした!?わけわかんねぇよ!!」
「キルシュ少し落ち着こうか」
慌てる気持ちは分かるけども。
「ごめんごめん。分かり易く言うとだな……こっちの世界に飛ばされたショックで、魔バスが壊れてしまったんだ」
「ははーん。なるほど?それで部品を取り出そうとして逃げた的な?」
「おう!ハラ開けたのは間違いだったな」
「オレも逃げたくなるよ」
最もな意見すぎる。
「がーはっはっはっは!!青いね~キルシュ青年!!オマエもいずれオレみてぇな汚ェ大人になんだよ~!!」
なかなか現実的なご意見。
相棒含め、みんなまだ純粋だもんな。
「……その4人を、探してきます」
「ハァ……」
「どんまいピーちゃん」
「でも4人を探すにもどこに行ったか分からないっぴ!」
「とりあえずワクティ村に行って聞いてみようよ」
って事で、村長の家に行くことになったわけだけども。
ムスコさんのパパさんこと村長さんはどんな感じだろ。
「おお、旅の人か。先程の3人の連れの方ひゃの?」
なんかイメージ違った。
「え~と……そっすね」
「先程の3人様にレーミッツ宮殿へ入るために、宮殿のカギを渡したのひゃ。レーミッツ宮殿に用があるなら、共に行かれるとよいひゃ」
そう言って村長のガトーは、宮殿のカギをアリアに渡す。
「ありがとうございます」
「父上!!何故、よそ者に宮殿のカギを渡すのですか!」
ムスコさんキター!
二階にいたのね。
「おお、トルティーヤか。すまぬひゃ。これも全て愛ゆえひゃ。何がなくとも、思いやり……それがすなわち、愛ひゃ」
悟ってるよこの人。
愛を悟ってしまっていますよ。
「そんなことのどこが愛ですか!?もっと真剣に考えてください!あなたはもう、村長の資格などない!!」
「そうかも知れん。この村に村長などおらんひゃ。みな自分で考え、自分で自分を正しておるひゃ」
村長はトルティーヤを宥めるように論す。
これは父親の愛ってことなのか。
「私を村長とは認めないと仰るのですね。それも良いでしょう。しかし村のルールと安全は私が守ります」
言い終わるとトルティーヤは、アリア達に向き直る。
「旅の者よ、宮殿のカギは自由に使うが良い。しかしエニグマは私達の敵。私達が倒す!」
「手柄は全部ムスコさんのもの!」
「そうすりゃ村人もムスコさんを村長と認めるってもの!」
「その通り!!行くぞ!親衛隊ッ!!」
トルティーヤ達は家を出る。
「素直な好青年だっぴ」
「年寄りみたいな感想だよピーちゃん」
まだ若いんだからさ。
「すまぬひゃ。見苦しい姿をみせましたひゃ」
「いえこちらこそ。すみません」
ガトーにつられるようにアリアは一礼する。
「ムスコが持ってる愛のデッパリは村長ワンドとも呼ばれ、村長の証とされてきた品ですひゃ。またワンドは、闇を祓う力を持っているとも言い伝わっておりますひゃ」
闇を祓う……本当ならエニグマには効きそうだ。
「ワンドを彼に持たせておるのは、村のためでも、彼のためでもありますひゃ。これもまた、愛ですのひゃ」
何ですかこの御方……すでに愛を悟って格好いいんですけど!!
「これから師匠と呼ばせて貰おうか」
「いきなり何だっぴ!?」