1章
夢小説設定
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キルシュを軽く手当てした後。
早速村長の家を訪ねた。
「はひゃ。どなたさんでしたかの……」
このじいさん、ボケ始まってないか。
キルシュがそんなこと言ったが敢えて無視した。
「不躾で申しわけ無いが、遺跡を抜けたいんだ。許可をもらえないかな」
「はひゃ。許可か。よかろう。しかし今日はもう遅いのぉ。ミルフィーユ」
「そうですね、おじいさま。ちょっとだけ遅いかもね」
え、ちょっとどころか遅くなくない??
まだ日が出てるし、遊べる時間です。
「そうじゃの。明日また来てもらおう。そしたら、そなたらにわしのモモヒキをあげよう」
「モモヒキ!?」
え?えええ!?
モモヒキで遺跡入れちゃうの?
通行証がモモヒキなの?
だったら持ってくれば良かったよモモヒキ。
それともあれ?特別なモモヒキなの?
「モモヒキじゃありませんおじいさま。ウークルの羽です。ウークルの羽を持つものだけが、遺跡に入れるのです」
「そうそう、ウークルの……それがあると、えー……夜もあったかくてぐっすり眠れるんじゃったかの?」
「それはモモヒキ。おじいさま、ご心配なく。ウークルの羽は明日、私がお渡しして遺跡にも案内してさしあげます」
おいおいこのじい様が村長で大丈夫なのか。
女の子大変すぎないか。まるで介護じゃないか。
「おお、つれて行ってくれるか。遺跡へ行くのも何年ぶりじゃ」
いやいやじい様。
遺跡行くのあなたじゃないです。
「案内して差し上げるのは、おじいさまではなく旅の方です。お体に響きますから」
「おお、そうかそうか。それがよかろう。それじゃ、また明日来るがよい」
話が終わると、みんな心なしか疲れてそうな顔をしていた。そりゃあそうだわ。
私も疲れたよ。
「ん?ピーちゃんどうした?顔赤いよ」
「キレイなお姉さんだっぴ……」
「ああ!あの子ね」
アリアはミルフィーユと呼ばれていたパペットの女の子に近付く。
「初めまして。私はアリアって言います!」
「はじめまして。わたしはシフォンの孫娘のミルフィーユ。よろしくね」
「ひゃ~~!」
なんて情けない声を出してるんだピスタチオ。
「どうかしましたか?」
「お姉さん素敵だっぴ」
「ありがとう。あなたも素敵よ。あなたみたいなキュートな子に会うの、800年の人生の中でもはじめてよ」
「800年!!!それじゃお姉さんじゃなくておばあさんだっぴ!!」
「おい。おいピーちゃん。女性におばあさんは失礼ってもんよ」
「そうよ~!!パペットは年を取らないのッ!」
「え~~~~~ッ!?それじゃ、奥にいるヒゲのパペットは~~~ッ!?」
「あの人は私のおじいちゃん。この村の村長で、生まれた時から白いヒゲのおじいちゃんだったわ」
それはそれで複雑だな。
生まれてからおじいちゃんとか、パワーワード過ぎるでしょ。
クラスメートのカベルネは歳取るパペットだけど。
「はひゃ?ミルフィーユや、ごはんかの?」
「なんでもありませんわおじいさま。ご飯はさっき食べましたから、ゆっくりおくつろぎ下さいませ」
ボケ怖い。ん?生まれたときからおじいちゃんならはじめからボケてたり?
そんなこんなで話は着き、村唯一の宿泊所へ向かう。
「ここは不思議な町だな。時間が止まっていて……それでいて、少しずつ壊れて行くような……」
「まぁ箱庭のような村だからね」
「そろそろ行くぜ」
「今日は疲れたっぴ」
「ホントよね~」
「お前ら気合いが足んねーんだよ!」
「そう言うキルシュは頭が足りないよね」
その言葉にキルシュが、何か言ってた気がスルーしよう。
「まぁ確かに疲れたわ。私も滅びのバーストストリームを一発撃っちゃったし……」
今日は早めに休もう。
少し歩いて宿に着くと、思ったより人相の悪いパペットがいた。
「よう。村長になにやら取り入ったみたいだな」
いや取り入ったわけではないような……。
むしろ相手をさせられたと言うか。
「泊まっていくのか?5ブラーでいい」
え、ブラー取んの!?
安いからいいけどさ。
人数分まとめて払って、部屋まで行くとそこには丁度5つベッドがあった。
「わたしここ~」
「オレはここだーー!」
「オイラは……」
「ピーちゃんはあそこね」
みんな自分のベッドに座ってくつろぎ始める。
お、枕がある。ムフフ……。
「ガナッシュー!」
「?……っ!?」
振り向いた瞬間に枕を投げる。
よしっ!顔面ヒット☆
「……」
「うわっ!」
負けず嫌いだなガナッシュ。
だからって無言で2つも投げなくても。
「ねぇガナっち」
「なんだ?」
「ターバン取ってみて!」
「嫌だ」
「取って!見たい!」
アリアはガナッシュのターバンを掴む。
「っアリア……!」
余りの素早さに対応出来なかったのか、ガナッシュはなされるままターバンを取られる。
「ガナッシュ髪長いね!」
「……」
「それに綺麗!あ、照れてる?」
「っ…うるさい……」
照れるガナッシュは意外と可愛かったりする。
「みんな~そろそろ寝よ~」
「え、もう?」
「グー……」
「キルシュ早ッ!!」
疲れてるのは分かるけどさ!
アランシアもピスタチオも
そしてガナッシュもいつの間にかベッドに横になっていた。
起きてるのは私だけかい。
「ハァ……寝るか」