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次の日の朝になり、ハヤテはご機嫌な声で
チビヒロインと手を繋いで食堂へ入ってきた。
ハヤテ
「おっはよ~♪」
その顔にナギは「チッ」と舌打ちをした。
食堂にはシンが既におり、本を広げてコーヒーを飲んでいた。
シン
「…ヒロイン、おはよう」
シンはハヤテの横で、眠たそうに目をこすっているチビヒロインに声を掛けた。
チビヒロイン
「しんにぃちゃ…おあようござぁま…」
ペコッと小さく頭を下げる。
あまりにも可愛い姿に、シンは柄にもなく顔が緩んでしまう。
ハヤテ
「…シンもメロメロじゃんか!」
シン
「…!!」
シンは「フンッ」と照れ隠しにか、そっけなく声を上げ、本へと視線を戻す。
ナギ
「ヒロイン、おはよう」
その声を聞いた途端、チビヒロインはパッと振り返り
ナギの足に抱きついた。
チビヒロイン
「なぎにぃちゃ…おあよ…」
なんだか元気のない声にナギは心配になり
膝を曲げて、チビヒロインの目線に顔を合わせた。
ナギ
「どうした? まだ眠いか?」
チビヒロイン
「どぉしてなぎにぃちゃ いなかったの?」
ナギ
「?」
どうやら起きた時にナギがいなかった事が不安だったらしい。
結局昨日は、ハヤテのベッドで熟睡してしまい、
迎えに行ったものの、そのまま寝かす事にした。
ナギ
「ハヤテがいただろ?」
そう言ったが、チビヒロインはギュッと力を込めて抱きついてくる。
ナギはポンポンと小さな背中を抱き、「ごめんな?」と言った。
ハヤテ
「なんだよぉ~ヨダレ垂らして寝てたくせによぉ!」
シン
「フン、お前のイビキがうるさかったんじゃないか?」
ハヤテ
「オレはイビキなんてかかねぇ!!」
ソウシ
「おはよう! 朝からにぎやかだね!
あっおはようヒロインちゃん。」
不機嫌そうにナギに抱きついたまま、チラッとソウシを見る。
なかなか機嫌が直らないチビヒロインに、シンが話しかけた。
シン
「ヒロイン、昨日買った花柄のシャツに着替えるか?
あれだったらデニムのスカートと一緒に着たら可愛いぞ」
まだパジャマ姿だったチビヒロインは、
シンの言葉にすっかり機嫌がよくなり
元気に「うん!」と頷くと、シンと手を繋いで食堂を出て行った。
ソウシ
「あはは、女の子だね!
シンはよく分ってるよね。」
ハヤテ
「オレなんかスゲーショック。」
ハヤテはドカッと席に座ると、不機嫌そうに頬杖をついて目を閉じた。
ナギはそんなハヤテの姿のふっと笑った。
少ししてすっかり機嫌を取り戻したチビヒロインが
シンに抱っこされて食堂に現れた。
シンのコーディネイトに身を包んだチビヒロインは
やっぱり可愛かった。
ソウシ
「ふふ、可愛いね。
ヒロインちゃん、おいで? 髪結ってあげる。」
ソウシは自分の前に後ろ向きで立たせると、
チビヒロインの髪を、ふたつに分けて結んであげた。
ソウシ
「はい、できたよ」
チビヒロイン
「ありがとぉ、そうしにぃちゃ かあい?」
ソウシ
「ん? ふふふ
うん可愛いよ」
そういうとチビヒロインは、ニコニコして
ソウシの頬にチュッとキスをした。
ハヤテ
「あーズリィ!!」
ソウシ
「ありがとうヒロインちゃん
ハヤテはヤキモチ妬きだなぁ」
ソウシもすっかりデレデレ顔だ。
チビヒロインは、嬉しそうにハヤテの横の席に座ると
ふたつに結んだ髪が気になるのか、首を振ってはキャッキャッと笑っていた。
時折ハヤテに抱きついたり、からかわれたりしてる姿を見て、
ナギは無邪気なのはいいが…とタメ息をついた。
結局ソウシからは、特効薬的な物はないと言われ
時間が経つのを待つしかないとの事だった。
大人のヒロインがいなくなって2日目。
たった2日でもこんなに会いたくなっている自分に、
ナギが一番驚いていた。
トワ
「おはようございますナギさん、お手伝いしますね?」
トワが気にかけ、食器を運んでくれた。
ナギはチビヒロインに、フレンチトーストを作ってあげた。
大人のヒロインもそうだが、ナギの作った料理を目にした時の
感動した表情が、ナギは大好きだった。
それは子供のヒロインも一緒で、その表情にナギの胸は少し痛んだ。
(会いたい…)
なんだかんだ言って、チビヒロインは
ハヤテに一番なついてる気がする。
それは大人の時も一緒だった。
船に乗ってから、ハヤテとはナギよりも先に
仲良くなっていたし、
歳も近いせいか、ナギがヒロインを好きだと認識する前は
ハヤテと似合いそうだな と思っていた。
もしこのまま、今起こってる状況のまま大人に戻ったら、
ハヤテを好きになってしまうんじゃないか?
ナギはよからぬ心配をした。