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結局、チビヒロインが帰ってきたのは夕方を過ぎた頃だった。
甲板がワイワイと賑わい、帰ってきたのがすぐに分かった。
ナギはキッチンから出て、甲板へ向かおうとすると、
廊下の向こう側からテテテッと小さな足音が聞こえた。
チビヒロイン
「なぎにぃちゃ!ただいま、ただいま!!」
ピンクのチェックのワンピースに、髪の毛を高い位置で結び
手にクマのぬいぐるみを抱えたチビヒロインが走ってくる。
ナギはその可愛さに微笑み、膝を折って
チビヒロインを迎えた。
ポスッと胸の中に飛び込んでくると、興奮したように
息をする事も忘れて必死に話してくる。
チビヒロイン
「なぎにぃちゃ、かあい?
せんちょとしんにいちゃが ふく かって
とあにぃちゃと、はあてにぃちゃが…はぁ…」
ナギ
「ぷはっ! 落ち着けって!
どれ、ちゃんと見せてみろ」
そういうとチビヒロインは、ニコニコして胸から出て、
ナギの前でクルッと回る。
ナギはその姿があまりにも可愛く、ギュゥと抱きしめ、立ちあがった。
チビヒロイン
「きゃぁ~~!きゃっはは~!!」
ナギに抱き上げられ、チビヒロインは嬉しそうにキャーキャー笑う。
ナギ
「誰にこの可愛い姿見せた!?
オレは怒ってるぞ!」
チビヒロイン
「なぎにぃちゃおこったの? ヒロイン、かあいくない?」
心配そうにナギを見つめる。
ナギ
「ふっ、可愛いよ?」
そういうとチビヒロインは、ナギの唇にチュッとキスをした。
チビヒロイン
「なぎにぃちゃ、しゅきしゅきー!」
ナギはまたも複雑な心境だ。
子供…なんだよな…と、腕の中ではしゃぐチビヒロインを見つめた。
シン
「お前はそういう趣味があったのか?」
ハヤテ
「ナギ兄は、ロリコンってこと?」
リュウガ
「分かるぞ、その気持ち!」
トワ
「わ、分かっちゃうんですか?
確かに可愛いですけど、それは恋愛とは…」
頭からケムリが出そうなトワに、チビヒロインはナギの腕から抜けて
抱きついた。
チビヒロイン
「とあにぃちゃも しゅき!」
ナギ
「はぁ?トワも好きだと!?」
チビヒロイン
「うん! しんにぃちゃも、はあてにぃちゃも
せんちょもだーいすき!」
ナギはなぜかショックを受ける。
(オレだけじゃないのか?)
シン
「ふっ、お前の過保護には呆れる。
ヒロインは、そういう意味で…」
チビヒロインが落としたクマのぬいぐるみを拾う為、
屈んでいた話していたシンに、チビヒロインは、チュッとキスをした。
ナギはショックで何も言えない。
子供…子供のヒロインなんだ…
シン
「………」
シンは目の前のニッコリ笑うチビヒロインをギュッと抱き上げた。
シン
「いいのかヒロイン?
ナギがヤキモチを妬くぞ?」
チビヒロイン
「やきもき?」
シン
「ヤキモチだ!」
シンの勝ち誇った様な目に、ナギはクッと拳を握った。
大人のヒロインだったら、ただじゃおかない行動だ。
リュウガ
「がーはっはっ!
チビのヒロインはいっちょ前に女だな!
どれ、船長にもチューしてくれ!」
ナギ&シン
「ダメです!」
声が重なり、ナギとシンは顔を見合わせた。
チビヒロインは楽しそうに、きゃっきゃっと笑う。
ソウシ
「あれ?なんだか楽しそう。
乗り遅れちゃったな…」
医務室にいたソウシは、廊下で聞こえる楽しそうなチビヒロインの声が聞こえ、
部屋の外へ顔を出した。
ソウシ
「うわぁ、ヒロインちゃん
すごくかわいらしいね! 私にもよく見せて?」
その言葉にご機嫌になったヒロインは、シンの腕から降りたがる。
シン
「ヒロイン、降りるのか?」
コクコクッと頷くと、シンは名残惜しそうにチビヒロインを降ろす。
ナギの後ろに立つソウシめがけて、ニコニコと走っていく。
ナギは横を通り過ぎる時、チビヒロインのオナカに手を回して
グイッと抱き上げた。
チビヒロイン
「あ~ん、そうしにぃちゃ いくのぉ~」
ナギ
「ダメだ!もうメシになるから、手ぇ洗ってこい」
チビヒロイン
「…はぁい…」
しょんぼりして頷くチビヒロイン。
ソウシ
「ふふふ、ナギは子供になっても心配性だね。
女の子の親になったら、彼氏は大変そうだなぁ…」
メンバー皆が笑う。
ナギ
「チッ…」
ナギは何も言わずにチビヒロインを抱えて
キッチンの水道まで連れていった。