robbed of girl
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ヒロイン
「みなさん!!」
宿のリュウガの部屋につくと、既にメンバーは集合していた。
しかし皆の顔はどこかよそよそしい。
ヒロイン
「あ、あの…」
トワ
「お、お帰りなさい…ヒロインさん?」
ハヤテ
「ホントにヒロインか?」
メンバーに囲まれ、マジマジと顔を見られる。
ヒロイン
「な、なに?みんな…どうしたの?」
その謙虚な反応を確認すると、メンバーはほっとして笑った。
するとポンッと頭にリュウガの手が置かれた。
リュウガ
「おかえり、ヒロイン」
ヒロイン
「はい!ただいまです!!」
もうすぐ夜が明ける。
ヒロインはメンバーにお礼を伝えると、それぞれが眠たそうに部屋へと戻っていった。
ナギとヒロインも部屋に戻り、やっと二人きりになれた。
話したい事はたくさんあるが、今日一日色んな事があり過ぎて、
ヒロインは疲れ切っていた。
それはナギも一緒だろう。
ナギ
「疲れただろ? もう寝るぞ」
ナギは部屋の明かりを落とし、ヒロインの手を引いて、
ベッドへもぐり込んだ。
ヒロイン
「ナギ…あのね…」
ナギ
「ん?」
向かい合わせで横になったナギとヒロイン。
やっとこの距離で一緒にいれる事に、お互い幸せな気持ちに包まれていた。
ヒロイン
「…今日はギュッてされながら…寝たい…」
子供みたいに甘えた事を、かわいい声で言うヒロインに、
ナギは一瞬疲れよりも、欲情が勝ちそうになった。
しかしトロンと眠たそうなヒロインの顔を見て、ふっと優しく笑い掛け
胸に抱き寄せた。
ヒロインはナギの匂いに包まれて、満たされた気持ちになる。
ナギ
「…お前なんか…香水?…なんか匂うな…」
屋敷で浸かった花風呂の匂いだろうか?
それともギルトに抱きしめられた時についた、
香水の香りだろうか…
ヒロインはナギに隠している事に罪悪感を感じ、
全て話そうと決めた。
ナギ
「…もぉいい…明日全部聞く…
明日…な…」
少し怒った様なナギの声に、不安を感じたが
ナギはチュッとオデコにキスを落とした。
ナギ
「おやすみ…」
ヒロイン
「おやすみナギ。 今日はありがとう」
ヒロインはナギの胸に顔を埋め、ゆっくりと目を閉じた。
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次の朝。
ヒロインが目を覚ますと、昨日寝付いた時の様に
ナギの腕の中で目を覚ました。
この宿に泊まってから、初めての事だ。
ヒロインはしばらくそのまま動かずに、ナギの寝顔を見ていた。
こうやってナギの寝顔を見れる事は滅多にない。
(寝ててもナギはかっこいいな…)
いつもキリッとしている眉が下がっており、
熟睡している子供の様なナギを見て
ヒロインは微笑んだ。
今日は朝食の準備をしなくていいのかと
心配になったものの、
きっとナギの事だから、分かって寝坊していると思った。
ヒロインはナギを起こさない様に、ベッドから抜けだすと、
身なりを整え、食堂へと向かった。
食堂へ着くとリュウガとハヤテ以外のメンバーが席に座っていた。
今日は朝から雨が降っており、食堂の席はいつもより混雑はしていない。
ふと気になりキッチンに目をやると、ロイズがひとりで切り盛りし、
思った程の大変さは見られなかった。。
ヒロイン
「おはようございます!」
ヒロインがメンバーに声を掛けると、ソウシやトワのにこやかな笑顔と
イライラとしているシンの顔が返ってきた。
ヒロイン
「シンさんどうしたんですか?」
シン
「…髪がうねる…だから雨の日は嫌いなんだ」
その答えにヒロインはふふっと笑った。
シン
「それに昨日は、誰かさんのせいで寝不足だしな」
ヒロイン
「う… す、すみません…」
自分のせいで、みんなに迷惑を掛けたのは事実であり、
その事はヒロインが一番気にしていた。
それにしても、今日のシンはいつもより口調がきつい。
ソウシ
「ほらほら、ヒロインちゃん座りな?
あれ?ナギ…どうしたの?」
ヒロイン
「珍しくまだ寝てます」
そういうとソウシは、ふっと笑う。
ソウシ
「そっかぁ、ふふふっ
昨日一番心配して、走り回ってたからね」
そんなに自分を心配してくれてたなんて、ヒロインの胸はキュンと高鳴った。
ソウシ
「あぁそうそう!
今日、船動かせるみたいだよ?
一日早くメンテナンスも終わったようだから、
夕方には出航しようって、船長が…」
ヒロイン
「す、すごい急ですね!」
シン
「雨の日の出航は気が滅入る…」
トワ
「はいー、買い出しもツライです。。」
ソウシ
「でも…」
ソウシはそう言って言葉を切ると、目線を後ろの席の客に向けた。
客1
「そうそう!ユウリ様、さらわれたって噂だぜ!」
客2
「海賊にか!? 屋敷に忍び込んだのか?」
シン
「…長居は無用ってことだな…」
シンの言葉にソウシはニッコリした。
ソウシ
「船長もまだ寝てるし、昼頃から買い出しに動こう。
トワ、あとでハヤテに伝えてくれるかい?」
トワ
「わかりました!」
みんなと朝食を済ませて、部屋へ戻ろうと席を立つと、
シンが不機嫌そうに話しかけてきた。
シン
「…ナギとは話したのか?」
急にシンからナギの事を聞かれ、ヒロインは驚いた。
シンはそういった事に関心があるはずがないし、
ヒロインは昨日、シンにイチョウ並木をみせてもらい
どれだけ気分転換になったかを思い出していた。
ヒロイン
「シンさん!昨日は本当にありがとうございました!!
私、スッゴク嬉しかったんです。
シンさんが心配してくれたことも、イチョウも…」
必死にシンの顔を見上げお礼を伝える。
シンは冷たい視線を落とし、タメ息をついた。
シン
「答えになってない…まぁいい。」
シンは何か言いたそうにするも、そのまま部屋の中へと入っていってしまった。
自分の事で頭がいっぱいで、たくさん気に掛けていてくれたシンの事を
考える余裕がなかった。
ヒロインはものすごく反省し、
落ち着いたらちゃんとシンにお礼を言おうと思った。