robbed of girl
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リュウガ
「誰ってヒロインだろ?」
トワ
「ナギさんどうしたんですか?」
ハヤテ
「ナギ兄、頭でも打ったんじゃねぇの?」
シリウスメンバーは気付いてないようだが、
ナギはこの女がヒロインと全くの別人であると分かっていた。
見た目も声も確かにそっくりだ…
でも全然違う。
シン
「…ナギ」
シンも気付いたのか、ひとりだけナギと同じ顔つきで女を見ている。
ナギ
「…おい…どういうつもりか知らないが
多分お前のせいでヒロインが大変な目に合っている」
そういうとシン以外のメンバーは、「えっ?」と
ナギと女を見合わせる。
ナギ
「なんとか言え」
俯き黙りこむ女に、ナギは鋭い言葉を発した。
女
「…ふっ、この私にそのような言葉を使うなんて、
お前が初めてだ!」
その言葉にメンバーはギョッとする。
トワ
「あ、あれ…ヒロインさん?」
女
「先に間違えたのはそっちだろう?
何も言わずに私の肩を抱き、ここへ連れてきた…
おい!そこの…ヒゲの男!!」
リュウガ
「は?オレか?」
女
「お前の様な無礼者、初めて会った。
私の体を触り、口づけまでしようとしたではないか!?」
ナギはタメ息と共に、右手で顔を覆った。
リュウガはいつもヒロインにしている様な事をしたのだろう。
ハヤテ
「で、お前何者なんだよ?」
女
「私はこの国の領主の娘、ユウリ。」
トワ
「えーー!!?」
ハヤテ
「でもそっくり過ぎだろ!!!」
ソウシ
「中身がシンになっちゃったみたい」
シン
「…どういう意味だ」
食堂にはシリウスメンバーと、ユウリ以外は誰もいず、
ユウリが屋敷を抜け出した経緯を聞く事になった。
ユウリは明日、親の決めた相手と見合いをしなくてはいけないらしく、
とてもその気にはなれず、飛び出してきたらしい。
悪い連中ではない事が分かり、ナギは一安心をした。
領主の娘と間違われているのであれば、変にバレない限り
ヒロインに危険な事をする事はないだろう。
作戦を立ててヒロインを助けに行かなくては…
ナギがリュウガに救出の話しを持ちかけると
ユウリが話しに割って入ってきた。
ユウリ
「私は戻らない、
おい!そこの!!」
ユウリはビシッとナギを指さす。
ユウリ
「お前の恋人とやら、代わりに見合いを受けてくれないか?」
ナギ
「…無理だな…」
身代わりとはいえ、他の男とヒロインが見合いをするなんて、
ものすごく嫌な気分になる。
ナギはグッとユウリの腕を掴む。
ユウリ
「なにをする!」
ナギ
「屋敷に帰す」
そういうと今まで強気だったユウリは、急に泣き出した。
ユウリ
「ヒッ…うぅ…」
(…なんだよ…この気持…)
全くの別人と分かっているのに、ヒロインに泣かれているようで
ナギは掴んだ腕をスッと離した。
リュウガ
「がーはっはっ!ナギぃお前はホントにヒロインに弱いな!
どれお嬢様、今夜はオレが慰めてやろう!」
シン
「船長」
リュウガ
「冗談だよ、ジョーダン!」
ソウシ
「でも領主の娘と間違われてるなら安心だよね?
今夜は作戦を立てて、明日乗り込まない?」
すぐにでも助けに行きたかったが、ソウシの言っている事は正しいと思った。
海賊の自分達がむやみに乗り込むと、かえってヒロインを危険にさらしかねない。
早速作戦会議を行い、ユウリにも屋敷の造り等を聞き、
大体の作戦が決まった。
時計は22時を回っていた。
リュウガ
「で、誰がお嬢様を部屋に泊めるんだ?」
ユウリはヒロインを救い出す為の、大切な切り札だ。
逃げられては困る為、メンバーの誰かが同室になり、
ユウリを見張る必要があった。
リュウガは腕を組みながら、全員の顔を見た。
ナギは内心、複雑だった。
ヒロインと同じ顔をしたユウリを
他の部屋に寝かす事に、抵抗があった。
全くの他人だし、どうでもいい事なのだが…
ナギが何も言わず、じっとユウリを見つめていると、
ユウリ
「私はコイツの部屋に泊まる」
そう言って、ナギを指差した。
ほっとしたような、迷惑のような
ナギは自分がどんな表情をしているか分からない。
みんなを食堂に残し、ナギとユウリは部屋へ向かった。
ヒロインは無事だろうか?
ナギは今すぐにでも助けに行きたい衝動に駆られる。
ロイズとの仲を誤解している事も、泣かせてしまった事も
ヒロインと話して、早く抱きしめたかった。
ユウリ
「風呂にはいる」
その声にナギはハッとし、バスタオルの場所を教えてやった。
ユウリ
「…なにしてる?」
ベッドの縁に座り、ヒロインの事を考えていたナギに、ユウリはキョトンとした顔で話し掛ける。
ユウリ
「早く脱がせろ」
ナギ
「あ?」
ユウリ
「風呂に入ると言っただろう
早く服を脱がせろ」
ナギは言っている意味が分からず、ユウリの顔を見つめていた。
ナギ
「…お前、もしかしていつも誰かに脱がせてもらってるのか?」
ユウリ
「だったら何だ?」
何を聞いてくるんだと言わんばかりの顔で
ユウリは腕を組んだ。
ナギはサーッと血の気が引き、顔が青ざめる。
ナギ
「それって…女か?」
ユウリ
「…日によるが…」
ユウリはそう言うとニヤリと笑い、ナギの前に立った。
ユウリ
「お前女に慣れてないのか?
なかなかの顔立ちだし、抱かせてやってもいいぞ」
ナギ
「!!?」
ヒロインと同じ顔と声で、なんて事を言うのか?
ナギがあっけに取られていると
ユウリはそのままナギのアゴに手を掛け、
顔を近づける。
ナギ
「…やめろ…」
グッと腕を掴み、体を離すと
ユウリはクスクスと笑いだした。
ユウリ
「何だ? お前の彼女と同じ顔だろう?」
ナギ
「だったら、なんだ?」
ユウリ
「体は反応してるんじゃないか?」
ユウリが不意に右足でナギの股間をグッと押した。
ユウリ
「!!? …お前感じないのか…?」
ナギはユウリにグイッと顔を近づけた。
ユウリ
「な、何だ?」
ナギ
「いくら顔が一緒でも、ヒロイン以外は
なにも感じねぇよ」
ユウリ
「…バカな…男は皆…」
ナギ
「そういう男しか知らないからだろ?」
そういうとナギはユウリを離し、ベッドから立ち上がった。
今日は部屋の外で寝ようかと思い、ドアノブに手を掛けた。
ユウリ
「ふっ、まぁいい。
今頃お前の彼女は、私の変わりにギルトに抱かれてるだろう。」
ナギの動きがピタッと止まる。
ユウリ
「…ギルトは顔も体も、かなりイケてるから
お前の彼女は忘れられない快感を味わって…」
ナギ
「…お前なに言ってる?」
ナギは振り返りユウリを見つめる。
ユウリ
「ふっクスクス、早くしないと手遅れになるぞ?」
ナギは部屋から飛び出すと、まだ食堂に残っているメンバーの元へ走った。
(ふざけんな!)
ナギ
「船長!!」
リュウガ
「な、なんだ? どうしたナギ?!」
ナギ
「今すぐ乗り込みましょう!!」