robbed of girl
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シンと共に宿へ戻り、食堂の前を通り過ぎようとした。
誰も人の気配を感じなかったが、キッチンから声が聞こえた。
ロイズ
「ナギ…わかってるでしょ?」
その声にハッとし、ヒロインはキッチンに目をやると、ナギとロイズが抱き合っていた。
信じられない光景にヒロインは、何も言う事ができず佇んでいた。
何が起きているのか、頭の中が真っ白になる。
ナギ
「…ロイズ…」
ロイズ
「私と一緒にいて?
ナギの事、あの子より幸せにする自信ある…」
大好きなナギが今、目の前で告白されている。
なんで抱きしめられたまま離れないのか?
なんで拒まないのか?
本当にショックな出来事が目の前で起こると、
人は涙なんかでない…
ただただその場に立っているしかできない。
ロイズの顔がナギに近づく…
その瞬間、ヒロインはシンの胸にギュウッと抱きしめられた。
シン
「…見るな!」
シンの香水の匂いがふんわりと香り、ヒロインの頭はぼんやりとする。
誰に抱きしめられてるのか、ナギは誰とキスしてるのか…
キシッと、シンとヒロインの立っていた廊下の板が軋み、
その音にロイズとナギは、ハッと離れる。
ナギはその音の方へ顔を向けて驚いた。
ナギ
「ヒロイン?!」
なんでシンと抱き合っているのか?
いつからそこにいたのか、ナギはヒロインの元へ駆け寄ろうと足を向ける。
シン
「随分いい身分だな」
ナギ
「!?」
その言葉にピタッと足を止めた。
シン
「…フン、まぁお前が誰とどうしようと勝手だが…」
シンはナギを非難する言葉を発しようとしたが、グッとヒロインがシンの胸を押し
抜けだした。
ヒロイン
「シンさん…私大丈夫です。
ちょっと外…行ってきます」
俯いたまま、ナギの顔もシンの顔も見ないで
ヒロインは走り去った。
ナギ
「ヒロイン!!」
ナギはキッチンを抜けて、シンの前を過ぎようとする。
シンはガシッとナギの腕を掴み、睨みつけた。
ナギ
「…離せよ」
シン
「お前…アイツが…」
シンはヒロインがどんなにナギの事を思っているか話そうとしたが、
言葉を切った。
バッとナギがシンの手を振りほどき、走っていった。
シンは振り払われた手を見つめる。
オレは何を言おうとしたんだ。
あいつらがどうなろうが、ヒロインが悲しもうが
どうでもいい事なのに…
ふと足元を見ると、イチョウの葉が2枚落ちていた。
シンはそっと拾い上げ、はぁ…とタメ息をついた。
=================
ナギ
「ヒロイン!待てって!!」
やっと追い付いたナギは、ヒロインの手首を捕まえ
グイッと自分の胸に抱き寄せた。
ヒロイン
「離して!!」
ナギ
「ヒロイン!落ち着けって!」
ヒロイン
「いやっ!今、ナギと話したくない!!」
胸の中で暴れるヒロイン。
両手でナギの胸を押し、ナギを拒否する。
ナギ
「ロイズとは何も…」
ヒロイン
「信じられない!なんでずっと抱きしめられてたの!?」
ヒロインの言葉にナギの表情が変わる。
ヒロイン
「なんで拒まなかったの?
なんで…キス…」
ヒロインはもう言葉にならなかった。
ナギの胸をボスッと両手で叩くと、泣きだしてしまった。
ナギは何も言う事ができず、頬を伝う涙に親指を添えようと
頬に触れると、バッと手を払われた。
あまりの事にナギの腕が緩む。
ヒロインはキッとナギを睨むと、走りだした。
ナギ
「ま、待てって!」
ナギはこんなにもヒロインを傷つけてしまった事に、
ものすごく後悔をしていた。
ロイズの事は仕事をする上での、仲間としての感情しかない。
ただあの瞬間、無碍にできなかったのは
確かにナギに落ち度があった。
シンに抱かれていたヒロインを見た時、血液が逆流したかと思うくらい
怒りと不安な気持ちが込み上げた。
(オレは何をしてるんだ…)
ナギはヒロインの後を追って、賑わう夕暮れの街を走った。
・・・・・・・・・・・
ヒロインは路地裏で呼吸を整えていた。
涙でグシャグシャな顔を両手で覆った。
手を払った時のナギの傷ついた様な顔が浮かび
胸が痛み、
涙がボロボロとこぼれる。
ナギを信じたいのに、ロイズと抱き合っていた事、
さっきナギに抱かれた時、かすかに薫るロイズの匂い。
2人がどれだけ近くにいたかが分かり、どれだけ一緒にいれば香りはうつるのか…
ヒロインの頭はパンクしそうだった。
その時、急にグッと手を取られた。
ヒロイン
「離してってば! ナ…!?」
手を振りほどこうと、顔を上げると
見た事のない男が立っていた。
ヒロイン
「あ…あの…?」
漆黒の様な黒髪に、左右非対称な髪型、整った顔に眼鏡を掛けた知的そうな青年。
タキシードを着て、とても上品ないでたちだった。
青年
「…探しましたよ」
ヒロイン
「???」
まっすぐに見つめる瞳は澄んだ茶色をしており、
何もかも見透かされてしまいそうだ。
青年
「どうして、あなたって人はそうなんですか?」
青年のタメ息まじりの言葉に
ヒロインは何が起きているのか分からない。
青年
「さぁ旦那様がお待ちです。
今日こそは許しませんよ?」
グッと手を引き、どこかへ連れて行こうとする。
ヒロイン
「あっあの!人違いです!!
私はっ!!」
ナギ
「ヒロイン!」
ヒロイン
「ナギ!」
息を切らしたナギがヒロインを見つけ、駆け寄ってくる。
さっきまでケンカをしていたのに、ナギの顔を見た途端、
安心して顔が緩む。
ナギ
「ハァ…おい、離せよ」
息を切らせながらナギは、青年の手を掴む。
青年
「…何を言われたか知りませんが
お引き取りください」
ナギの手を掴み取ると
青年は、ヒロインを連れて行こうとする。
ナギ
「オイ!待てよ!!」
ナギが青年の肩に手を掛けると、同じようなタキシード姿の男が数人
ナギの周りを取り囲む。
青年
「ここは街中です、騒ぎを大きくしたくありません。
この手を離してもらえますか?」
ナギ
「…チッ…どこに連れていくつもりだ?」
青年
「こちらの方はこの国の領主のお嬢様です。
お屋敷へ連れて帰ります。」
そういうと青年はヒロインを腕に抱き上げ、馬車へと連れこむ。
ヒロイン
「やっ!ナギ!ナギ!!」
ナギ
「ヒロイン!必ず助けにいく!!待ってろ!」
ナギの姿がどんどん小さくなり、馬車はスピードを上げて屋敷へと向かった。
誰も人の気配を感じなかったが、キッチンから声が聞こえた。
ロイズ
「ナギ…わかってるでしょ?」
その声にハッとし、ヒロインはキッチンに目をやると、ナギとロイズが抱き合っていた。
信じられない光景にヒロインは、何も言う事ができず佇んでいた。
何が起きているのか、頭の中が真っ白になる。
ナギ
「…ロイズ…」
ロイズ
「私と一緒にいて?
ナギの事、あの子より幸せにする自信ある…」
大好きなナギが今、目の前で告白されている。
なんで抱きしめられたまま離れないのか?
なんで拒まないのか?
本当にショックな出来事が目の前で起こると、
人は涙なんかでない…
ただただその場に立っているしかできない。
ロイズの顔がナギに近づく…
その瞬間、ヒロインはシンの胸にギュウッと抱きしめられた。
シン
「…見るな!」
シンの香水の匂いがふんわりと香り、ヒロインの頭はぼんやりとする。
誰に抱きしめられてるのか、ナギは誰とキスしてるのか…
キシッと、シンとヒロインの立っていた廊下の板が軋み、
その音にロイズとナギは、ハッと離れる。
ナギはその音の方へ顔を向けて驚いた。
ナギ
「ヒロイン?!」
なんでシンと抱き合っているのか?
いつからそこにいたのか、ナギはヒロインの元へ駆け寄ろうと足を向ける。
シン
「随分いい身分だな」
ナギ
「!?」
その言葉にピタッと足を止めた。
シン
「…フン、まぁお前が誰とどうしようと勝手だが…」
シンはナギを非難する言葉を発しようとしたが、グッとヒロインがシンの胸を押し
抜けだした。
ヒロイン
「シンさん…私大丈夫です。
ちょっと外…行ってきます」
俯いたまま、ナギの顔もシンの顔も見ないで
ヒロインは走り去った。
ナギ
「ヒロイン!!」
ナギはキッチンを抜けて、シンの前を過ぎようとする。
シンはガシッとナギの腕を掴み、睨みつけた。
ナギ
「…離せよ」
シン
「お前…アイツが…」
シンはヒロインがどんなにナギの事を思っているか話そうとしたが、
言葉を切った。
バッとナギがシンの手を振りほどき、走っていった。
シンは振り払われた手を見つめる。
オレは何を言おうとしたんだ。
あいつらがどうなろうが、ヒロインが悲しもうが
どうでもいい事なのに…
ふと足元を見ると、イチョウの葉が2枚落ちていた。
シンはそっと拾い上げ、はぁ…とタメ息をついた。
=================
ナギ
「ヒロイン!待てって!!」
やっと追い付いたナギは、ヒロインの手首を捕まえ
グイッと自分の胸に抱き寄せた。
ヒロイン
「離して!!」
ナギ
「ヒロイン!落ち着けって!」
ヒロイン
「いやっ!今、ナギと話したくない!!」
胸の中で暴れるヒロイン。
両手でナギの胸を押し、ナギを拒否する。
ナギ
「ロイズとは何も…」
ヒロイン
「信じられない!なんでずっと抱きしめられてたの!?」
ヒロインの言葉にナギの表情が変わる。
ヒロイン
「なんで拒まなかったの?
なんで…キス…」
ヒロインはもう言葉にならなかった。
ナギの胸をボスッと両手で叩くと、泣きだしてしまった。
ナギは何も言う事ができず、頬を伝う涙に親指を添えようと
頬に触れると、バッと手を払われた。
あまりの事にナギの腕が緩む。
ヒロインはキッとナギを睨むと、走りだした。
ナギ
「ま、待てって!」
ナギはこんなにもヒロインを傷つけてしまった事に、
ものすごく後悔をしていた。
ロイズの事は仕事をする上での、仲間としての感情しかない。
ただあの瞬間、無碍にできなかったのは
確かにナギに落ち度があった。
シンに抱かれていたヒロインを見た時、血液が逆流したかと思うくらい
怒りと不安な気持ちが込み上げた。
(オレは何をしてるんだ…)
ナギはヒロインの後を追って、賑わう夕暮れの街を走った。
・・・・・・・・・・・
ヒロインは路地裏で呼吸を整えていた。
涙でグシャグシャな顔を両手で覆った。
手を払った時のナギの傷ついた様な顔が浮かび
胸が痛み、
涙がボロボロとこぼれる。
ナギを信じたいのに、ロイズと抱き合っていた事、
さっきナギに抱かれた時、かすかに薫るロイズの匂い。
2人がどれだけ近くにいたかが分かり、どれだけ一緒にいれば香りはうつるのか…
ヒロインの頭はパンクしそうだった。
その時、急にグッと手を取られた。
ヒロイン
「離してってば! ナ…!?」
手を振りほどこうと、顔を上げると
見た事のない男が立っていた。
ヒロイン
「あ…あの…?」
漆黒の様な黒髪に、左右非対称な髪型、整った顔に眼鏡を掛けた知的そうな青年。
タキシードを着て、とても上品ないでたちだった。
青年
「…探しましたよ」
ヒロイン
「???」
まっすぐに見つめる瞳は澄んだ茶色をしており、
何もかも見透かされてしまいそうだ。
青年
「どうして、あなたって人はそうなんですか?」
青年のタメ息まじりの言葉に
ヒロインは何が起きているのか分からない。
青年
「さぁ旦那様がお待ちです。
今日こそは許しませんよ?」
グッと手を引き、どこかへ連れて行こうとする。
ヒロイン
「あっあの!人違いです!!
私はっ!!」
ナギ
「ヒロイン!」
ヒロイン
「ナギ!」
息を切らしたナギがヒロインを見つけ、駆け寄ってくる。
さっきまでケンカをしていたのに、ナギの顔を見た途端、
安心して顔が緩む。
ナギ
「ハァ…おい、離せよ」
息を切らせながらナギは、青年の手を掴む。
青年
「…何を言われたか知りませんが
お引き取りください」
ナギの手を掴み取ると
青年は、ヒロインを連れて行こうとする。
ナギ
「オイ!待てよ!!」
ナギが青年の肩に手を掛けると、同じようなタキシード姿の男が数人
ナギの周りを取り囲む。
青年
「ここは街中です、騒ぎを大きくしたくありません。
この手を離してもらえますか?」
ナギ
「…チッ…どこに連れていくつもりだ?」
青年
「こちらの方はこの国の領主のお嬢様です。
お屋敷へ連れて帰ります。」
そういうと青年はヒロインを腕に抱き上げ、馬車へと連れこむ。
ヒロイン
「やっ!ナギ!ナギ!!」
ナギ
「ヒロイン!必ず助けにいく!!待ってろ!」
ナギの姿がどんどん小さくなり、馬車はスピードを上げて屋敷へと向かった。