robbed of girl
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ヒロインは気晴らしに街へ出たものの、さすがに八日目とあって、
どの店も何度も行き過ぎて、店員に顔を覚えられ始めていた。
とても店に入る気になれず、フラフラと歩いていると、
自分よりも背の高い影が、目の前を覆った。
ヒロイン
「…シンさん…」
顔を上げると、あきれた様な表情で見下ろすシンがいた。
シン
「お前、ひとりで寂しいんだろ?
オレが相手してやってもいいぞ?」
シンは意地の悪い笑顔で微笑むと、くしゃっと頭を撫でてきた。
じっとシンの顔を見つめた。
シン
「…なんだ?」
ヒロイン
「…シンさんは、優しいですね…」
シンの言葉はいつもトゲがあるが、その本質は優しさである事に気付き始めていたヒロイン。
シンは意外な返答に、目を見開いた。
シン
「フン、何を思ってそう言っているか知らないが、
ナギに相手にされないから、寂しいんだろ?
…ついて来い…」
そう言ってシンは、スタスタと歩きだした。
ヒロインは慌ててシンの背中を追い掛けた。
シンは時折歩くスピードを緩めて、ヒロインがちゃんと付いてきているかを確かめているようだ。
その事に気付いたヒロインは、ふふっと笑ってしまった。
シン
「…なんだ…?」
ピタッと止まり、冷たい目で振り返るシン。
ヒロイン
「なんでもありません…クスクス」
シンは怪訝な顔をしたが、何も言わずに歩きだす。
しばらく歩くと、郊外へと出てきた。
すると、目の前に黄色い並木道が広がっていた。
ヒロイン
「うわぁ~!!!!」
ヒロインは思わず大きな声を出してしまった。
道の両側に銀杏の木が立ち並び、美しく山吹色に彩づいた葉が、
ひらひらと風に乗って舞い散っていた。
ヒロイン
「シンさん!スゴイです!!
こんなに紅葉しているイチョウ並木初めてみました!!」
ヒロインの住んでいたヤマトでは、毎年この季節になると、
彩とりどりの木々が紅葉し、見る者を楽しませてくれた。
シンは寄港した国では、必ず色んな所を散策している。
今回も調査の為、散策をしていたところ
このイチョウ並木を見つけた。
ヒロインの故郷に四季がある事を知っていたシンは、
このところ元気のないヒロインに見せてやろうと
考えていたのだった。
自分の横で、こんなに無邪気に喜ぶヒロインを見て、
シンは今まで抱いた事のない感情が、沸々と沸き上がっている事に気付く。
こんなガキを相手にするナギを不思議に思ったし、
いちいち顔に出る反応や、妙に色んな事を頑張ろうとしたり…
ナギの言動で一喜一憂する
そんなヒロインを正直、面倒だと思っていた。
しかし今日、この笑顔を見て
シンはナギが羨ましく思えてきた。
素直に感情を出してくれる事、自分を優しいと言ってきた事
一生懸命遅れないようについてきた事。
ヒロインが自分のものだったら、どんな顔を見せてくれるのか…
シンは、はしゃぐヒロインを目を細めて見つめた。
ヒロイン
「シンさん、シンさん!!
見てください! 銀杏いっぱいなってますよ!」
上を見上げ、たわわに実っている銀杏を指差す。
シンはこんなトコに来ても、食べ物の話をするヒロインに、思わず笑ってしまった。
シン
「ぷっははは!
お前、ホント食い物の話が好きだな?
もっと景色を楽しめ!」
シンの思いがけない笑顔に、ヒロインはドキッとした。
初めて見たシンの笑顔は、いつも向ける冷たい視線とは違い
とても温かいものを感じた。
ヒロイン
「…あっ…でも…キャッ!!」
突然強い風が吹き、イチョウの葉がザァッと舞い上がり、ヒロインの髪を乱していった。
シンの鼻をヒロインの甘い髪の匂いがくすぐる。
ヒロイン
「スゴイ風…」
ふとシンがヒロインを見下ろすと、髪にイチョウの葉が一枚ついている。
いきなりシンの手がヒロインの腰を抱き、ヒロインはグッとシンの胸に近づいた。
ヒロイン
「シ、シンさん!!」
シン
「…ついてる…」
シンはそっとイチョウの葉を取ると、優しく髪をなでつけた。
ヒロインは恥ずかしそうにシンの胸から抜ける。
ヒロイン
「す、すいません。
ありがとうございます!」
ヒロインの顔が赤い事に気付くと
シンの体が熱くなった。
ヒロイン
「シンさん…?」
無意識なのか、照れたその顔が妙に色っぽく
赤みを帯びた頬や、おずおずと見上げてくる目。
さっきまで抱いていた華奢な体…
シンはヒロインを女として意識し始めている自分に気付く。
シン
「………」
ヒロイン
「…!? イタッ!」
ペシッとシンにオデコを叩かれ、ヒロインは眉間にしわを寄せながら
オデコに手を添える。
シン
「フン、お前はこのオレが連れてきてやったのに、
銀杏の話と頭に葉っぱをつける事しかできないのか!?」
ヒロイン
「えっ?」
シン
「……まぁいい…
そろそろ風が冷たくなってきたから帰るぞ」
ヒロイン
「あっはい」
自分の気持ちを見透かされないように、
シンはさっさと歩きだした。
ヒロインは慌てて、絨毯のように広がっているイチョウの葉を数枚拾って
シンの後を追いかけた。
どの店も何度も行き過ぎて、店員に顔を覚えられ始めていた。
とても店に入る気になれず、フラフラと歩いていると、
自分よりも背の高い影が、目の前を覆った。
ヒロイン
「…シンさん…」
顔を上げると、あきれた様な表情で見下ろすシンがいた。
シン
「お前、ひとりで寂しいんだろ?
オレが相手してやってもいいぞ?」
シンは意地の悪い笑顔で微笑むと、くしゃっと頭を撫でてきた。
じっとシンの顔を見つめた。
シン
「…なんだ?」
ヒロイン
「…シンさんは、優しいですね…」
シンの言葉はいつもトゲがあるが、その本質は優しさである事に気付き始めていたヒロイン。
シンは意外な返答に、目を見開いた。
シン
「フン、何を思ってそう言っているか知らないが、
ナギに相手にされないから、寂しいんだろ?
…ついて来い…」
そう言ってシンは、スタスタと歩きだした。
ヒロインは慌ててシンの背中を追い掛けた。
シンは時折歩くスピードを緩めて、ヒロインがちゃんと付いてきているかを確かめているようだ。
その事に気付いたヒロインは、ふふっと笑ってしまった。
シン
「…なんだ…?」
ピタッと止まり、冷たい目で振り返るシン。
ヒロイン
「なんでもありません…クスクス」
シンは怪訝な顔をしたが、何も言わずに歩きだす。
しばらく歩くと、郊外へと出てきた。
すると、目の前に黄色い並木道が広がっていた。
ヒロイン
「うわぁ~!!!!」
ヒロインは思わず大きな声を出してしまった。
道の両側に銀杏の木が立ち並び、美しく山吹色に彩づいた葉が、
ひらひらと風に乗って舞い散っていた。
ヒロイン
「シンさん!スゴイです!!
こんなに紅葉しているイチョウ並木初めてみました!!」
ヒロインの住んでいたヤマトでは、毎年この季節になると、
彩とりどりの木々が紅葉し、見る者を楽しませてくれた。
シンは寄港した国では、必ず色んな所を散策している。
今回も調査の為、散策をしていたところ
このイチョウ並木を見つけた。
ヒロインの故郷に四季がある事を知っていたシンは、
このところ元気のないヒロインに見せてやろうと
考えていたのだった。
自分の横で、こんなに無邪気に喜ぶヒロインを見て、
シンは今まで抱いた事のない感情が、沸々と沸き上がっている事に気付く。
こんなガキを相手にするナギを不思議に思ったし、
いちいち顔に出る反応や、妙に色んな事を頑張ろうとしたり…
ナギの言動で一喜一憂する
そんなヒロインを正直、面倒だと思っていた。
しかし今日、この笑顔を見て
シンはナギが羨ましく思えてきた。
素直に感情を出してくれる事、自分を優しいと言ってきた事
一生懸命遅れないようについてきた事。
ヒロインが自分のものだったら、どんな顔を見せてくれるのか…
シンは、はしゃぐヒロインを目を細めて見つめた。
ヒロイン
「シンさん、シンさん!!
見てください! 銀杏いっぱいなってますよ!」
上を見上げ、たわわに実っている銀杏を指差す。
シンはこんなトコに来ても、食べ物の話をするヒロインに、思わず笑ってしまった。
シン
「ぷっははは!
お前、ホント食い物の話が好きだな?
もっと景色を楽しめ!」
シンの思いがけない笑顔に、ヒロインはドキッとした。
初めて見たシンの笑顔は、いつも向ける冷たい視線とは違い
とても温かいものを感じた。
ヒロイン
「…あっ…でも…キャッ!!」
突然強い風が吹き、イチョウの葉がザァッと舞い上がり、ヒロインの髪を乱していった。
シンの鼻をヒロインの甘い髪の匂いがくすぐる。
ヒロイン
「スゴイ風…」
ふとシンがヒロインを見下ろすと、髪にイチョウの葉が一枚ついている。
いきなりシンの手がヒロインの腰を抱き、ヒロインはグッとシンの胸に近づいた。
ヒロイン
「シ、シンさん!!」
シン
「…ついてる…」
シンはそっとイチョウの葉を取ると、優しく髪をなでつけた。
ヒロインは恥ずかしそうにシンの胸から抜ける。
ヒロイン
「す、すいません。
ありがとうございます!」
ヒロインの顔が赤い事に気付くと
シンの体が熱くなった。
ヒロイン
「シンさん…?」
無意識なのか、照れたその顔が妙に色っぽく
赤みを帯びた頬や、おずおずと見上げてくる目。
さっきまで抱いていた華奢な体…
シンはヒロインを女として意識し始めている自分に気付く。
シン
「………」
ヒロイン
「…!? イタッ!」
ペシッとシンにオデコを叩かれ、ヒロインは眉間にしわを寄せながら
オデコに手を添える。
シン
「フン、お前はこのオレが連れてきてやったのに、
銀杏の話と頭に葉っぱをつける事しかできないのか!?」
ヒロイン
「えっ?」
シン
「……まぁいい…
そろそろ風が冷たくなってきたから帰るぞ」
ヒロイン
「あっはい」
自分の気持ちを見透かされないように、
シンはさっさと歩きだした。
ヒロインは慌てて、絨毯のように広がっているイチョウの葉を数枚拾って
シンの後を追いかけた。