恋ってやつは…(前半)
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ハヤテ
「クソっ!!!!」
(オレはどうしちまったんだ!?)
ナギとヒロインの前から逃げるようにして走ってきたハヤテは、
道の真ん中で立ち止まった。
娼館で選んだ女が裸でベッドに寝ている姿を見ても
ハヤテの頭の中は、ヒロインでいっぱいだった。
ハヤテに甘えてきたあの顔、自分の名前を何度も呼んだ甘い声…
ケムリを吸っての行動って事は分かってる。
でももしヒロインと恋人同士だったら…
そんな事を考えてしまい、目の前の女を抱く事が出来ず、
ハヤテは娼館を飛び出したのだった。
ハヤテ
「だぁぁ~~~~!!
どうしちまったんだぁーオレはぁーーーー!!」
大声で叫ぶハヤテを道行く人が、不審がりながら通り過ぎて行く。
シン
「うるせーぞサル! デカイひとり言か!?」
ハヤテ
「…シン…」
街の散策をしていたシンが、大声で叫ぶ声が聞こえ、
様子を見に来ると、なんとハヤテだった。
無視してやり過ごそうかと思ったが、いつもと様子の違うハヤテに、声を掛けずにはいられなかった。
シンの皮肉にも、いつもだったら喧嘩ごしに言い返してくるのに、今日は大人しくシンに言われるままだ。
シン
「……何だ?…なんか調子狂うな…」
ハヤテはシンをジッと見つめると、腕を掴み
有無を言わさず、酒場へと連れて行った。
・・・・・・・・・・・・・・・・
ハヤテ
「う~~~もう飲めねぇ~~」
シン
「フン、情けないやつめ」
ハヤテ
「シンーオレを運べぇ!」
シン
「…殺されたいのか?」
ハヤテに無理やり連れて来られた酒場で、ハヤテとシンは酒を飲んでいた。
この2人で酒を飲むなんて数えるくらいしかない。
しかもハヤテは既に出来上がっており、
シンの肩を抱き、寄りかかっていた。
この状況じゃ、とても歩いて宿までは行けないだろう。
そう思い、シンは渋々ハヤテを背負った。
シン
「背中で吐いてみろ?即、海の藻屑だからな?!」
う~っと気のない返事をするハヤテ。
シンはハヤテに何かあったとは思うが、本人が話してこない限り聞くのはやめようと思った。
最近のハヤテの様子を見ていれば、大体の見当はつくが…
そう思いながら、背中でうなだれるハヤテを担ぎ
ようやく宿に着いたのは、
日付が次の日に変わろうとしていた時だった。
ソウシ
「あれ?珍しいね
シンがハヤテをおぶってくるなんて」
部屋へそのまま連れて行こうとも思ったが、あの飲みっぷりだ、
明日二日酔いになるのは間違いない。
シンはソウシの部屋を訪れ、処置をしてもらおうと思った。
シン
「ドクター、コイツ何か悪いモノでも食ったらしい、診てやってくれ」
シンからハヤテを受け取ると、ハヤテは倒れ込むようにベッドへ沈んだ。
シン
「フン、ガキだな…」
ソウシ
「ありがとねシン。あとは任せて。
おやすみ」
シンが部屋を出て行くと、ハヤテはゴロリと横を向いた。
ソウシはハヤテの背中に向かって話した。
ソウシ
「ふ、恋の病は普通じゃいられなくなるからね」
ハヤテ
「…そんなんじゃねぇ…」
消え入りそうなハヤテの声に、
ソウシはハヤテの頭を優しくなで、そっと毛布を掛けてあげた。