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トワ
「だ、大丈夫ですよヒロインさん!
ホラ、ナギさんとシンさんの時だって
すぐに元に戻ったじゃないですか?」
そう言って、ヒロインに優しく言うトワ。
ヒロイン(リュウガ)
「オレはリュウガだってぇの!」
取り残されたメンバーは、何とかヒロインを励まそうとする。
ハヤテ
「…やりにくいな… 船長のツラしてんのにヒロインか…
その姿で掃除とか洗濯してる画が浮かばねぇ…」
シン
「…オレもだ…
こんな姿の船長と、航路の相談をする気になれん…」
本人以上に、周りのメンバーも困惑している。
ヒロイン(リュウガ)
「とにかくだ、こうしててもしょうがねぇ!
メシ食うぞ! ナギ、用意しろ!」
ナギ
「………」
同じベッドにいるナギ。
しかし一向に動こうとしない。
ヒロイン(リュウガ)
「オイ、ナギ! 聞いてんのか!?」
振り返ってナギの顔を見るが、何とも複雑そうな顔をしている。
トワ
「…ヒロインさんの顔と声でそんな事言われても…
なんかしっくりきませんね…」
リュウガ(ヒロイン)
「そうですよ! 船長、もっと可愛い言葉を話してください!」
シン
「お前もだ、ヒロイン…」
ハヤテ
「船長が、「~ですよ」とか「ください」とかありえねぇ…」
全員が戸惑う中、ナギはゆっくりと立ち上がり
無言で部屋を出て行く。
リュウガ(ヒロイン)
「あっナギ! 私手伝うよ!」
そう言って、デカイ図体をしたリュウガがドタドタと走って行く。
ハヤテ
「…何だか見てはいけないモノを見てる感じだな…」
トワ
「…ホントですね…」
ヒロイン(リュウガ)
「おっし、着替えるとするか!」
そう言って、着ていたシャツのボタンをどんどん解いていくリュウガ。
トワ
「わわわっちょっちょっと待ってください!!」
ハヤテ
「オレたち行くまで待ってて下さいよ!」
ヒロイン(リュウガ)
「チッ…何だよ面倒くせぇな…」
全員が出て行くのを見送ると、リュウガはノソノソと立ち上がり
着替えの服を探した。
ヒロイン(リュウガ)
「女モンしかねぇのは分かってるが、スカートはさすがに履く気がしねぇな…」
クローゼットから洋服を物色していると、
ドタドタと足音が近づき、勢いよくドアが開いた。
バンッ!!!
ヒロイン(リュウガ)
「おっちょうどいい所に! お前服なんだけどよぉ…おっ?」
固まったまま立っているヒロイン。
視線の先を追うと、シャツの前が開き
下着が隙間から見えていた。
ヒロイン(リュウガ)
「あ? なんだよ、これぐらい気にする事ねぇだろ?!」
リュウガ(ヒロイン)
「気になります!!!
これから着替えの時も、トイレもお風呂も
絶対私に声掛けて下さいね!!」
ヒロイン(リュウガ)
「面倒臭せぇなぁ…女の裸なんて見飽きてるくらい見てるっつーの…」
そう呟きながらも、リュウガはタオルで目隠しをされた。
ヒロイン(リュウガ)
「お前なぁ…ここまでするか?!」
リュウガ(ヒロイン)
「します! 私は見られる事に慣れてないので!
手…通してください」
リュウガは不機嫌ながらも、言われる通りに服を着た。
ようやくタオルを取られると、ヒロインは満足そうに笑っていた。
ヒロイン(リュウガ)
「…お前はどうなんだよ?」
リュウガ(ヒロイン)
「え…?」
ヒロイン(リュウガ)
「お前は着替えたり、風呂入ったりする時
オレの見るだろ?」
そう言うと、ヒロインは顔を真っ赤にして言った。
リュウガ(ヒロイン)
「み、見ません!! 私もタオルをして入ります!」
見ているのは自分の姿なのに、何だか反応が可愛くて
リュウガはヒロインの手を掴み、ボスンとベッドへ押し倒した。
リュウガ(ヒロイン)
「え…ちょっ…」
傍から見たらすごい光景だ。
ヒロインがリュウガを押し倒している。
体が入れ替わっているせいか、いつもとは感じ方が違う。
なんだか体がじわじわと熱くなる。
ヒロイン(リュウガ)
「なんだか自分を襲ってるようで、妙な気分だな…」
すると、ガバッとヒロインが起き上がった。
ヒロイン
「んぉ! なんだよ、お前全然力ねぇんだな」
リュウガ(ヒロイン)
「男と女の違いです!
もう力できても、船長はかないませんからね!」
ヒロイン(リュウガ)
「チッ…わぁーったよ!」
不機嫌に立ち上がると、リュウガは船長室を目指した。
ヒロインは再びキッチンに戻り、ナギの手伝いをする。
ナギ
「………」
いつになく、ナギも不機嫌なオーラを醸し出している。
リュウガ(ヒロイン)
「……ナギ? なんか…怒ってる?」
ヒョコッとナギを覗き込む。
ナギ
「っ!」
思い切り避けるように体を離すナギ。
リュウガ(ヒロイン)
「え…な、何?」
ナギ
「…ちょっと待て… その容姿…まだ呑み込めてねぇ…」
リュウガ(ヒロイン)
「え…」
ナギ
「お前の方が、ずっと不安なのは分かってる。
…だけど、やっぱ船長ってのが先に来て
中身がお前だって頭では分かっているんだが…」
それは当然だった。
ナギがシンと入れ替わった時も、なかなか信じられなかった。
リュウガ(ヒロイン)
「…うん…分かるよ…
あ…ここにいると邪魔かな…?
男の人の体だと、キッチン狭く感じちゃうよね…
私、食堂の準備するね!」
ナギ
「ヒロイン…」
慌ててキッチンを出て行くヒロイン。
恋人なら、ちゃんと受け止めてやらなくてはいけないのに
リュウガの姿では、抱きしめる事も頭を撫でる事も気が引けてしまう。
(…ごめんなヒロイン…もう少し待ってくれ…)
ナギは大きなタメ息をついて、朝食の準備をした。
・・・・・・・・・・・・・・
朝食が出来上がると、メンバー全員が席に着いた。
ハヤテ
「…なんか狭くね?」
いつものベンチシートに、ナギとヒロインとハヤテが座る。
シン
「…なんかじゃなくて、物凄い違和感だろ…」
ナギとハヤテに挟まれて、リュウガが座っているのだ。
ソウシ
「ふふっ今日はこっちに座りなよ。
船長も言えば分かってくれるよ」
いつもリュウガが座る席に促される。
リュウガ(ヒロイン)
「…はい…」
全然いつも通りに出来ない事に、苛立ちを覚える。
ナギとも距離を感じるし、本当に元に戻るのか不安で仕方がない。
ず~んと落ち込んでいるヒロイン。
そこへオナカをボリボリ掻きながら、リュウガが入ってきた。
トワ
「ぶはっ!」
細いウェストが丸見えで、ブラジャーまでもが見えてしまいそうだった。
ソウシ
「船長! 今は女の子でヒロインちゃんなんですから
もっと気をつけて行動してください!」
ヒロイン(リュウガ)
「あ~もぉ…どいつもこいつもウルセーなぁ…
って、何でヒロインがオレの席にいんだよ」
シン
「ガタイがデカくて、いつもの席に座れないそうです」
リュウガ(ヒロイン)
「あぁん? あんだよ…しょうがねぇなぁ」
リュウガもリュウガで、思うように出来ない事で
イライラが募っていく。
ソウシ
「ほらヒロインちゃん、ちゃんと食べないと体がもたないよ?」
リュウガ(ヒロイン)
「…はい… でもなんだか気持ち悪くて…」
ヒロイン(リュウガ)
「あ~昨日深酒したからなぁ…
二日酔いってヤツだな! がははっ」
ソウシ
「がははじゃないですよ!
だったら今薬持ってくるから、少しでもいいからオナカに何か入れて?」
ガタンと席を立ち、ソウシは小走りで食堂を出て行く。
ナギ
「お前、気持ち悪かったのか?
…何で早く言わねぇんだよ…」
テーブルに伏せっているヒロインは、キッとナギを睨んだ。
リュウガ(ヒロイン)
「…話しをしようともしなかったクセに!」
そう言って、イーッと顔をしかめて
ヒロインはまた伏せってしまう。
シン
「……その姿で、ヒロインがやる行動すると
結構な衝撃を受けるな…」
ヒロイン(リュウガ)
「ふははっオレも結構可愛いだろ?」
ハヤテ
「…気持ち悪いって意味ッスよ…」
ナギも慰めてくれないし、気分も悪いし
本当に最悪だ。
トワ
「顔色も悪いですよ? 部屋で休んだ方がいいんじゃないですか?」
ヒロイン(リュウガ)
「そうだな! 酒抜けるまで、休んでこい」
正直、無理をしても仕事なんて出来そうもない。
さっきまで何ともなかったのに、
どうしたのだろう。
昨日の薬のせいもあるのだろうか…?
どうしようか答えに悩んでいると
コツコツと食堂の窓を何かが叩く。
全員で窓を見ていると、トワが席を立ち
窓を開けた。
トワ
「あっカモメ便です! よっと」
窓の外で羽をバタつかせているカモメをそっと抱き寄せ
トワは足についている手紙を取った。
トワ
「ご苦労様~」
窓の外にカモメを離すと、手紙を広げるトワ。
しかしその瞬間、トワの顔色がサァ~と青く変わった。
シン
「? 何だ?
何が書いてあった?」
固まっているトワからバッと手紙を奪い取るハヤテ。
手紙の内容を見たハヤテも、トワと同じように固まった。
ハヤテ
「コレ…やべぇだろ…
船長… 船長会議の招集です…」
ナギ
「!?」
ヒロイン(リュウガ)
「あ?」
リュウガ(ヒロイン)
「せ、船長会議って…」
全員の顔が凍り付く。
シン
「いつだ」
ハヤテ
「えっと…明日の夜中です…」
ソウシ
「薬の効果が消えてるとは言い切れないね…
船長、今回は延期した方が…」
薬を手に持ったソウシが戻って来た。
ヒロイン(リュウガ)
「………」
リュウガは腕組みをしながら、何かを考え込んでいる。
シン
「…延期にするかしないか、今決めないと
集合する島まで間に合いません。
行くなら航路を今すぐにでも変更しないと」
ヒロインは胸が痛いくらいにドキドキと音を立てていた。
もし『行く』事になって、明日もリュウガのままだとしたら
自分が船長会議に出席するという事だ。
祈るような気持ちでリュウガを見つめる。