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航海が長く続くと、陸地が恋しくなる。
それでもすぐに港へつける訳でもない。
そんな時、船の中での唯一の楽しみは
『食事』である。
ナギの考えるメニューは、バラエティーに富んでいて
同じものが続く事もなければ、味に飽きる事もなかった。
賑やかな夕食が終わり、
メンバーそれぞれが部屋に戻り、静かな時間を過ごしていた。
まだ厨房に残るナギ。
ヒロインはやり終えていなかった洗濯物をたたみ
それぞれのメンバーの部屋に届けていた。
ヒロイン
「ふぅ…あとはソウシさん。
届けるの遅くなっちゃったな…」
ソウシの洗濯物は、衣服の他にも
治療で使うガーゼや包帯、診察台のシーツまであり
たたむのに、時間が掛かってしまった。
普段ソウシは、遅くまで薬の研究や
医学書を読んでいたりするので、きっとまだ起きているはずだ。
暗い廊下を歩いていると、ソウシの部屋の前で
リュウガと会った。
ヒロイン
「船長!」
リュウガ
「おう、どうしたこんな時間に?」
ヒロイン
「洗濯物を届けに来たんです!
船長のもお部屋に置いてきたので、ちゃんとしまってくださいね?」
リュウガ
「そうか、何ならお前がしてもいいんだぞ?」
ヒロイン
「え?」
意味が分からずに、パッと顔を上げると
思いの外、近くにリュウガの顔があった。
ヒロイン
「! え…っと…」
驚いた反応を面白がるように、リュウガは更に顔を近づけてくる。
リュウガ
「…お前なら、部屋のどこを触ってもらってもいい…
今度オレが部屋にいる時にお前が来たら、
その時は…」
ヒロイン
「そ、その時は…何ですか?」
この手のリュウガの行動は読めている。
ヒロインはすかさず体を離し、ソウシの部屋のドアに駆け寄った。
しかしバンッと後ろから手が伸びて、ドアとリュウガの腕の間に閉じ込められてしまった。
ヒロイン
「せっ船長! このお決まりパターンやめてください!」
リュウガ
「お? …じゃあお決まりパターンじゃないのにするか?」
ヒロイン
「え?」
その瞬間、リュウガの唇が近づき
キスされると、ギュッと目を瞑った。
ヒロイン
「………?」
口唇が重なると思ったが、そんな感触は伝わらず
ヒロインはゆっくりと目を開けた。
リュウガ
「ふっ…そんなガチガチんなってるヤツにしても
面白くねぇからな…クククッ
もっと色気ある受け止め方でも勉強しろ!」
そう言って、パチンとデコピンをされた。
ヒロイン
「いたっ! もぉ…これから船長の洗濯物、たたみませんからね!!」
そう言って、ヒロインは背中を向け
ソウシの部屋をノックした。
その時、ヒラッと一枚の紙が床に落ちたが
リュウガもヒロインも気づきはしなかった。
リュウガ
「がははっそう怒るなって!
お前を見るとついしたくなるんだ!」
ヒロイン
「リュウガ船長の場合、私だからじゃなくて『女の人』なら
誰でもいいんですよね?!」
リュウガ
「妬くな妬くな! ふはっ」
ヒロイン
「妬いてません!!」
埒の明かない言い合いに、嫌気がさし
返事が返って来ないソウシの部屋のドアを開けた。
ヒロイン
「ソウシさん? 入りま~す」
リュウガ
「んぉ? ぁんだよソウシ居ねぇのか?」
胃薬をもらおうと思っていたリュウガは
眉間にしわを寄せながら、薬の陳列する棚に向かう。
ヒロイン
「お風呂ですかね…
ん…なんかこの部屋煙いですね…ケホッ」
リュウガ
「そういやそうだな…
なんか薬品クセェしよ… ソウシのヤツ何か実験でもしてたのか?!」
クラクラするような臭いに、リュウガもヒロインも手で鼻と口を覆った。
リュウガ
「ヒロイン、さっさと出た方がよさそうだぞ」
ヒロイン
「はい…ケホッ」
急いで洗濯物を置くと、リュウガと一緒に部屋を出た。
ヒロイン
「はぁ… ちょっと所じゃない異臭ですね…」
リュウガ
「ゲホッ…あぁ…だからソウシのヤツ、部屋に居なかったんだな…
あ~気分悪りぃ…部屋帰って飲み直すとするか…」
ヒロイン
「はい… おやすみなさい…」
リュウガの言う通り、何だか気持ち悪くなってきた。
変な薬品だったのだろうか…?
キッチンに寄って、ナギに声を掛けようかと思っていたが
そんな余裕もなく、ヒロインは部屋に戻り
ベッドに潜り込んだ。
ヒロイン
「うぅ~~気持ち悪い…」
めまいもする。
絶対あの臭いのせいだ…。
そんな事を思っている内に、ヒロインの意識は遠退いていき
いつの間にか眠ってしまった…。
==============
次の朝。
目を覚ましたヒロインは、何だか体がダルイのを感じた。
(…まだ昨日の気持ち悪さが残っているのかな…)
水でも飲みに行こうと、ゆっくりとベッドから起き上がる。
ギシ…
ヒロイン
「?」
何だかいつもよりベッドが柔らかい気がする…。
どうしたのかと思い、ベッドを見下ろすと
それはリュウガの部屋のベッドだった。
ヒロイン
「えっ?!」
(…あれ…?)
部屋を見回すと同時に、自分の発した声に違和感を覚える。
部屋はリュウガの部屋だった。
いつの間にリュウガの部屋に来てしまったのだろう…
全く記憶がないヒロイン。
ハッとして、リュウガの存在を探す。
しかしベッドにも、部屋の中にもいない。
何かがおかしい…
違和感を感じながらも、ベッドから立ち上がる。
(? なんか景色が違う…?)
いつも見ている視点よりも高い気がする…
キョロキョロと部屋を見渡していると、ふと鏡が目に入った。
ヒロイン
「………?」
フラつく足で鏡の前まで行く。
そして映った姿に、目を丸くした。
ヒロイン
「…うそでしょ…」
そこには寝起きのリュウガが立っていた。
ヒロインはそっと自分の頬を触ってみる。
鏡の中のリュウガも同じように、頬に触る。
今度は手をグーパーさせる。
リュウガも同じようにグーパーさせる…
ヒロイン
「っっっ!!!!」
理解するまでに1分は掛かった。
リュウガになってしまっている!
どうしてこんな事になったのか、頭は全然働かず
真っ白のままだ。
とにかく誰かに説明して、どうにかしなければ!
咄嗟に浮かんだのは、もちろんナギの顔だった。
早朝船内に響き渡るほど大きな足音で
ドタドタと廊下を走った。
(…そう言えば、本物の船長は?!)
まさか…という思いを抱きながら、ヒロインは勢いよくナギの部屋のドアを開けた。
リュウガ(中身:ヒロイン)
「ナギっっっ!!!」
ナギ
「!!?」
ベッドから体を起こしたナギは、怪訝そうに見つめてきた。
ナギ
「チッ…ノックくらいしてください…」
そう言って、隣で眠る人物を布団で隠した。
リュウガ(ヒロイン)
「っ!! ナ、ナギ!あのっあのね!!」
気が動転してしまい、思うように言葉が出てこない。
ナギの顔がますます不機嫌になる。
その騒動を聞きつけて、他のメンバーも集まってきた。
ソウシ
「何事ですか船長?」
ハヤテ
「ふぁ~まだ4時ッスよ?」
シン
「…酔っ払いの悪ノリだったら、ただじゃ済みませんよ?」
リュウガ(ヒロイン)
「ち、違っ! あの私っ」
ヒロイン
「ん~… ぁんだよウルセーなぁ…」
メンバー
「「!!!??」」
ナギが被せた布団から顔を出したヒロイン。
その可愛い寝起き姿とは裏腹に、一度も聞いた事のない言葉を言い放った。
ヒロイン
「どうしたんだよ全員揃って…くはぁ~眠みぃ~」
大きな欠伸をしながら、ボリボリと体を掻く。
ヒロイン
「…ん…?」
体を掻いていた右手が、フワッと柔らかなものに当たった。
リュウガ(ヒロイン)
「さ、触っちゃダメですっ!!」
そう言って、リュウガがヒロインの胸を鷲掴みした。
ナギ
「!!? 何触ってんスか!?」
グッと肩を掴まれ、思い切り引き離された中身がヒロインのリュウガ。
トワ
「船長! 今のは冗談じゃ済まされませんよ?」
ヒロイン
「はぁ? オレは何もしてねぇ…って!?
何でオレがそこにいる?!」
クローゼットの方へ吹き飛ばされたリュウガを見て
ヒロインが指を差した。
リュウガ(ヒロイン)
「やっぱり! 船長なんですね?!
どうしよぉ~~」
ハヤテ
「何? 全然分かんねぇんだけど!?」
全員が混乱する中、ソウシが冷静な声で言った。
ソウシ
「船長とヒロインちゃん、昨日の夜
私の部屋に入った?」
半泣きのリュウガと、状況が呑み込めてないヒロイン。
外見の姿を見ているだけでも、中身が本人でない事が一目瞭然だ。
ヒロイン(リュウガ)
「入った… な?ヒロイン!」
リュウガ(ヒロイン)
「…はい…」
メンバー全員が、何となく状況を理解した。
ソウシ
「…前に、ナギとシンが入れ替わっちゃった事あったよね…?
実は昨日、あの薬を研究してて
配合を間違えて、部屋中薬品の蒸気が充満しちゃって…
ドアに貼り紙しておいたんだけど…」
ヒロイン(リュウガ)
「そんなのなかったぞ! な?」
話しを振られたヒロインも、コクコクと頷いた。
ソウシ
「…部屋に戻った時に、貼り紙が落ちてたんだよね…
剥がれちゃってたみたい…あはは」
ヒロイン(リュウガ)
「あははじゃねぇっつーの!!
コレ、いつまでこのままなんだよ!?」
そんな可愛い顔で汚い言葉を使われると、
ギャップがあり過ぎて、困惑する。
リュウガ(ヒロイン)
「ずっとこのままじゃ困ります!!
どうしよう…」
泣き出してしまいそうなヒロイン。
本当だったら、抱きしめてやりたい所だが
外見リュウガというのが邪魔をして、なかなか身動きが取れないナギ。
ソウシ
「多分2、3日もすれば効果が薄れるはずだから!
そっかそっか…あの配合だと、こういう事が起こるのか…」
そうブツブツと何かを言いながら、ソウシは部屋を出て行ってしまった。
それでもすぐに港へつける訳でもない。
そんな時、船の中での唯一の楽しみは
『食事』である。
ナギの考えるメニューは、バラエティーに富んでいて
同じものが続く事もなければ、味に飽きる事もなかった。
賑やかな夕食が終わり、
メンバーそれぞれが部屋に戻り、静かな時間を過ごしていた。
まだ厨房に残るナギ。
ヒロインはやり終えていなかった洗濯物をたたみ
それぞれのメンバーの部屋に届けていた。
ヒロイン
「ふぅ…あとはソウシさん。
届けるの遅くなっちゃったな…」
ソウシの洗濯物は、衣服の他にも
治療で使うガーゼや包帯、診察台のシーツまであり
たたむのに、時間が掛かってしまった。
普段ソウシは、遅くまで薬の研究や
医学書を読んでいたりするので、きっとまだ起きているはずだ。
暗い廊下を歩いていると、ソウシの部屋の前で
リュウガと会った。
ヒロイン
「船長!」
リュウガ
「おう、どうしたこんな時間に?」
ヒロイン
「洗濯物を届けに来たんです!
船長のもお部屋に置いてきたので、ちゃんとしまってくださいね?」
リュウガ
「そうか、何ならお前がしてもいいんだぞ?」
ヒロイン
「え?」
意味が分からずに、パッと顔を上げると
思いの外、近くにリュウガの顔があった。
ヒロイン
「! え…っと…」
驚いた反応を面白がるように、リュウガは更に顔を近づけてくる。
リュウガ
「…お前なら、部屋のどこを触ってもらってもいい…
今度オレが部屋にいる時にお前が来たら、
その時は…」
ヒロイン
「そ、その時は…何ですか?」
この手のリュウガの行動は読めている。
ヒロインはすかさず体を離し、ソウシの部屋のドアに駆け寄った。
しかしバンッと後ろから手が伸びて、ドアとリュウガの腕の間に閉じ込められてしまった。
ヒロイン
「せっ船長! このお決まりパターンやめてください!」
リュウガ
「お? …じゃあお決まりパターンじゃないのにするか?」
ヒロイン
「え?」
その瞬間、リュウガの唇が近づき
キスされると、ギュッと目を瞑った。
ヒロイン
「………?」
口唇が重なると思ったが、そんな感触は伝わらず
ヒロインはゆっくりと目を開けた。
リュウガ
「ふっ…そんなガチガチんなってるヤツにしても
面白くねぇからな…クククッ
もっと色気ある受け止め方でも勉強しろ!」
そう言って、パチンとデコピンをされた。
ヒロイン
「いたっ! もぉ…これから船長の洗濯物、たたみませんからね!!」
そう言って、ヒロインは背中を向け
ソウシの部屋をノックした。
その時、ヒラッと一枚の紙が床に落ちたが
リュウガもヒロインも気づきはしなかった。
リュウガ
「がははっそう怒るなって!
お前を見るとついしたくなるんだ!」
ヒロイン
「リュウガ船長の場合、私だからじゃなくて『女の人』なら
誰でもいいんですよね?!」
リュウガ
「妬くな妬くな! ふはっ」
ヒロイン
「妬いてません!!」
埒の明かない言い合いに、嫌気がさし
返事が返って来ないソウシの部屋のドアを開けた。
ヒロイン
「ソウシさん? 入りま~す」
リュウガ
「んぉ? ぁんだよソウシ居ねぇのか?」
胃薬をもらおうと思っていたリュウガは
眉間にしわを寄せながら、薬の陳列する棚に向かう。
ヒロイン
「お風呂ですかね…
ん…なんかこの部屋煙いですね…ケホッ」
リュウガ
「そういやそうだな…
なんか薬品クセェしよ… ソウシのヤツ何か実験でもしてたのか?!」
クラクラするような臭いに、リュウガもヒロインも手で鼻と口を覆った。
リュウガ
「ヒロイン、さっさと出た方がよさそうだぞ」
ヒロイン
「はい…ケホッ」
急いで洗濯物を置くと、リュウガと一緒に部屋を出た。
ヒロイン
「はぁ… ちょっと所じゃない異臭ですね…」
リュウガ
「ゲホッ…あぁ…だからソウシのヤツ、部屋に居なかったんだな…
あ~気分悪りぃ…部屋帰って飲み直すとするか…」
ヒロイン
「はい… おやすみなさい…」
リュウガの言う通り、何だか気持ち悪くなってきた。
変な薬品だったのだろうか…?
キッチンに寄って、ナギに声を掛けようかと思っていたが
そんな余裕もなく、ヒロインは部屋に戻り
ベッドに潜り込んだ。
ヒロイン
「うぅ~~気持ち悪い…」
めまいもする。
絶対あの臭いのせいだ…。
そんな事を思っている内に、ヒロインの意識は遠退いていき
いつの間にか眠ってしまった…。
==============
次の朝。
目を覚ましたヒロインは、何だか体がダルイのを感じた。
(…まだ昨日の気持ち悪さが残っているのかな…)
水でも飲みに行こうと、ゆっくりとベッドから起き上がる。
ギシ…
ヒロイン
「?」
何だかいつもよりベッドが柔らかい気がする…。
どうしたのかと思い、ベッドを見下ろすと
それはリュウガの部屋のベッドだった。
ヒロイン
「えっ?!」
(…あれ…?)
部屋を見回すと同時に、自分の発した声に違和感を覚える。
部屋はリュウガの部屋だった。
いつの間にリュウガの部屋に来てしまったのだろう…
全く記憶がないヒロイン。
ハッとして、リュウガの存在を探す。
しかしベッドにも、部屋の中にもいない。
何かがおかしい…
違和感を感じながらも、ベッドから立ち上がる。
(? なんか景色が違う…?)
いつも見ている視点よりも高い気がする…
キョロキョロと部屋を見渡していると、ふと鏡が目に入った。
ヒロイン
「………?」
フラつく足で鏡の前まで行く。
そして映った姿に、目を丸くした。
ヒロイン
「…うそでしょ…」
そこには寝起きのリュウガが立っていた。
ヒロインはそっと自分の頬を触ってみる。
鏡の中のリュウガも同じように、頬に触る。
今度は手をグーパーさせる。
リュウガも同じようにグーパーさせる…
ヒロイン
「っっっ!!!!」
理解するまでに1分は掛かった。
リュウガになってしまっている!
どうしてこんな事になったのか、頭は全然働かず
真っ白のままだ。
とにかく誰かに説明して、どうにかしなければ!
咄嗟に浮かんだのは、もちろんナギの顔だった。
早朝船内に響き渡るほど大きな足音で
ドタドタと廊下を走った。
(…そう言えば、本物の船長は?!)
まさか…という思いを抱きながら、ヒロインは勢いよくナギの部屋のドアを開けた。
リュウガ(中身:ヒロイン)
「ナギっっっ!!!」
ナギ
「!!?」
ベッドから体を起こしたナギは、怪訝そうに見つめてきた。
ナギ
「チッ…ノックくらいしてください…」
そう言って、隣で眠る人物を布団で隠した。
リュウガ(ヒロイン)
「っ!! ナ、ナギ!あのっあのね!!」
気が動転してしまい、思うように言葉が出てこない。
ナギの顔がますます不機嫌になる。
その騒動を聞きつけて、他のメンバーも集まってきた。
ソウシ
「何事ですか船長?」
ハヤテ
「ふぁ~まだ4時ッスよ?」
シン
「…酔っ払いの悪ノリだったら、ただじゃ済みませんよ?」
リュウガ(ヒロイン)
「ち、違っ! あの私っ」
ヒロイン
「ん~… ぁんだよウルセーなぁ…」
メンバー
「「!!!??」」
ナギが被せた布団から顔を出したヒロイン。
その可愛い寝起き姿とは裏腹に、一度も聞いた事のない言葉を言い放った。
ヒロイン
「どうしたんだよ全員揃って…くはぁ~眠みぃ~」
大きな欠伸をしながら、ボリボリと体を掻く。
ヒロイン
「…ん…?」
体を掻いていた右手が、フワッと柔らかなものに当たった。
リュウガ(ヒロイン)
「さ、触っちゃダメですっ!!」
そう言って、リュウガがヒロインの胸を鷲掴みした。
ナギ
「!!? 何触ってんスか!?」
グッと肩を掴まれ、思い切り引き離された中身がヒロインのリュウガ。
トワ
「船長! 今のは冗談じゃ済まされませんよ?」
ヒロイン
「はぁ? オレは何もしてねぇ…って!?
何でオレがそこにいる?!」
クローゼットの方へ吹き飛ばされたリュウガを見て
ヒロインが指を差した。
リュウガ(ヒロイン)
「やっぱり! 船長なんですね?!
どうしよぉ~~」
ハヤテ
「何? 全然分かんねぇんだけど!?」
全員が混乱する中、ソウシが冷静な声で言った。
ソウシ
「船長とヒロインちゃん、昨日の夜
私の部屋に入った?」
半泣きのリュウガと、状況が呑み込めてないヒロイン。
外見の姿を見ているだけでも、中身が本人でない事が一目瞭然だ。
ヒロイン(リュウガ)
「入った… な?ヒロイン!」
リュウガ(ヒロイン)
「…はい…」
メンバー全員が、何となく状況を理解した。
ソウシ
「…前に、ナギとシンが入れ替わっちゃった事あったよね…?
実は昨日、あの薬を研究してて
配合を間違えて、部屋中薬品の蒸気が充満しちゃって…
ドアに貼り紙しておいたんだけど…」
ヒロイン(リュウガ)
「そんなのなかったぞ! な?」
話しを振られたヒロインも、コクコクと頷いた。
ソウシ
「…部屋に戻った時に、貼り紙が落ちてたんだよね…
剥がれちゃってたみたい…あはは」
ヒロイン(リュウガ)
「あははじゃねぇっつーの!!
コレ、いつまでこのままなんだよ!?」
そんな可愛い顔で汚い言葉を使われると、
ギャップがあり過ぎて、困惑する。
リュウガ(ヒロイン)
「ずっとこのままじゃ困ります!!
どうしよう…」
泣き出してしまいそうなヒロイン。
本当だったら、抱きしめてやりたい所だが
外見リュウガというのが邪魔をして、なかなか身動きが取れないナギ。
ソウシ
「多分2、3日もすれば効果が薄れるはずだから!
そっかそっか…あの配合だと、こういう事が起こるのか…」
そうブツブツと何かを言いながら、ソウシは部屋を出て行ってしまった。
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