コトダマ
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少しするとヒロインの体の力が抜けて
抵抗する感じがなくなった。
ナギはそっと服の上から手を滑らせ
柔らかな膨らみを求めた。
ヒロイン
「んっ!」
思いの外、体が強く反応を見せ
やり過ぎたかと、ナギがヒロインを見つめると
その目は熱を帯びていた。
ナギ
「…ヒロイン…」
ヒロイン
「…ナギ…?」
自分でしておきながら失敗した。
ナギだって、こんな顔を見たら
もう止まらなくなってしまう。
だがここはシリウス号でもないし、それに今そんな状況ではない。
トロンとした目を向けるヒロイン。
ナギはそっとヒロインの頬に手を掛けた。
ナギ
「…悪い…意地悪が過ぎたな…
ここで止めないと、お前の事…もっと欲しくなる…」
そんな事をそんな目で言われたら、
ヒロインの方こそ止められなくなる。
ヒロイン
「…ん… そうだよね…
ジョルジュさんが大変な時だっていうのに
こんな事してちゃダメだよね…」
そう言って寂しそうに笑いながら、ヒロインは視線を逸らした。
ナギは頬に添えていた手で、グッとこちらを向かすと
ヒロインの唇を塞いだ。
ヒロイン
「…ンッ…」
ナギの唇は何度か啄むようなキスを繰り返した後
舌で唇を割り、深く深く求めてくる。
『止める』と言ったのはナギなのに
こんなに激しくされると、もう何も考えられなくなる。
ヒロインも応えるように、ナギの舌と絡め合う。
ヒロイン
「…ハァ…ん…ナギ…」
ナギ
「っ! んっ危ねぇっ!!」
あまりにも激しいナギとのキスに、無意識にガクッと足の力が抜け
ナギが腰を抱いて支えてくれなかったら、床にヘタり込んでしまう所だった。
ナギ
「ヒロイン? 大丈夫か?」
ヒロイン
「ん…ごめんね…?」
ナギに抱かれ、まだキスの余韻に浸っているヒロイン。
ナギの胸で甘いタメ息をついていると、カタンッと背後で物音が聞こえた。
ナギ&ヒロイン
「「!!?」」
2人してバッと音の方を見ると、厨房の入り口で
楽しそうにニヤニヤしながら眺めているジョルジュと
冷たい視線を向ける腕組みをしたシンがそこにいた。
ジョルジュ
「…なるほどな。
シリウス号ではこういうエロイシーンを見放題な訳だ?」
シン
「フン…所構わず、サカってる連中だから
シリウス号だからって訳じゃないけどな?」
そう言われ、ナギに抱かれていたヒロインは
顔を赤くしながらバッと離れた。
ジョルジュ
「ふははっ! 可愛い反応だな?!
なーんか兄ちゃん、ジェラシーしちゃいそうだな?」
からかうようにジョルジュが言う。
ヒロイン
「なっ! い、いるなら声掛けて下さい!!」
シン
「結構な存在感を出して、ジョルジュとしばらくここに立っていたが…」
ヒロイン
「し、しばらく?!
もぉ~~だったら尚更声かけてください!!!」
ヒロインは恥ずかしくて、ナギの背中に逃げ込んだ。
ジョルジュ
「くっ! あはははっ!
シン、あんまりイジメんなよ?
オレの可愛い妹なんだからよ?」
2人とも面白そうに笑っている。
ナギ
「…2人揃って何の用だ?」
ナギは至って冷静な顔で、シンとジョルジュの挑発には応じず
淡々と話す。
ジョルジュ
「ふはっ! スゲーなヒロインとの温度差!ククッ
ナギの美味し~いオヤツを頂きに上がったまでですが?」
シン
「…オレ達にだけ働かせて、お前らはイチャついているなんてな…
ヒロイン、お前ちゃんと暗記出来てるんだろうな?」
ナギの背中に隠れていたヒロインは、ヒョコッと顔を出した。
まだ恥ずかしそうな顔をしているヒロインを見て
シンは少し腹が立った。
さっき航海室でヒロインの耳を甘噛みした時は
あれだけ抵抗してきたのに、ナギだとあんな甘い声を出し
あんなに求めてくるのかと、当たり前の事なのだがそのギャップに苛立ってしまう。
ヒロイン
「…た、多分大丈夫です…」
ジョルジュ
「ふっ…もうからかわねぇから出てこいよ?」
ヒロイン
「……はい…」
ヒロインはナギのシャツを掴んだまま、気まずそうに姿を現す。
小さい子が悪い事をしたのが見つかった時のようで
ジョルジュもシンも、胸が疼いた。
ジョルジュ
「あと少しで島に着くからな?
…悪いけど、ナギとのいい事はもう少し我慢してな?」
そう言ってポンッと頭に手を置くジョルジュ。
ヒロイン
「!!」
また顔をボッと赤くするヒロイン。
ジョルジュはその顔を眺めると、満足そうに笑い
調理台の上にあったカゴの中からカップケーキを3個掴むと
そのまま厨房を出て行った。
シン
「…まぁ分かってると思うが、しくじるな。
いつまでも頭ン中お花畑にしてんなよ?」
ヒロイン
「し、してませんっ!!
もぉっ! みんな意地悪です!!」
シンも「ふっ」と微笑むと、カップケーキを手に取って
航海室へと戻っていった。
ヒロイン
「…はぁ…もぉ…」
ヒロインは調理台の上になだれ込み、ガックリと項垂れた。
ナギ
「…オレも夢中になってて気づかなくて…悪かった…」
ヒロイン
「えっ!? ナ、ナギのせいじゃないよ!
…私もごめんなさい…その…嬉しかったから…」
ナギ
「!?」
照れて顔を上げたヒロインが、何とも可愛くて
ナギはまたヒロインをグッと抱き寄せた。
ヒロイン
「!? あっダ、ダメだよ!
さすがにもうこんな事してたら怒られちゃう…」
ナギ
「…全然治まってねぇのに離せるかよ…」
ヒロイン
「えっ?」
ナギの言葉に驚いて、顔を上げると
チュッとキスをされた。
ヒロイン
「ナギ?」
ナギ
「…今回の事、終わったらちゃんとお前を抱きたい…
お前の事不安になんてさせねぇくらい、朝まで離さねぇから…」
ヒロイン
「!」
ナギがこんなにハッキリ言葉にしてくるのは珍しい。
だが、それが何とも嬉しかった。
いつものナギらしくない言葉の真意は、自分の事を想ってしてくれたものだろう。
ナギと距離を感じていたここ数日は
自分自身もどこか上の空だったが
こうして言葉にされ、やる気スイッチがONになった。
ナギ
「お前が頑張ってるのに、素っ気なくして悪かった…
いつでもオレを頼れよ?
どこにいてもお前を助けに行くから…」
ヒロイン
「ナギ… ありがとう♡
うん、スッゴイ元気出た!
あとは…ナギのカップケーキ食べたら
もう無敵だなっ♪」
ナギ
「! ふっ…じゃあ、いっぱい食えよ?」
ヒロイン
「うん♡」
ようやくわだかまりが取れ、何でも出来るような気分になる。
やっぱりナギと繋がっている事で、強くもなれるし
頑張ろうという気持ちが湧く。
ナギにもこんな気持ちを与えられているかは分からないが
ナギにもらった分、しっかりと役割をこなそうと
ヒロインはハムッとフカフカのカップケーキを頬張った。
・・・・・・・・・・・・・・・・
それから1時間もしない内に、ジョルジュの故郷である島に辿り着いた。
シリウス号に乗っていたメンバーとも港で落ち合い
久しぶりの再会で話に花が咲いた。
ハヤテ
「ナギ兄がジョルジュの船乗っちまうから
メシが大変だったぁ~」
トワ
「ホントです…
特にソウシさんの料理は独創的で…」
ソウシ
「え~? 薬膳料理って体にいいんだよ?」
ハヤテ
「そうなんだけどさぁ…」
リュウガ
「オレは全然火の通ってないポトフを
ボリボリ音立てながら食った方がキツかったぞ?」
ハヤテ
「それ言うなら、船長のワイン煮込みなんて
ワインの味しかしなかったッスよ?」
こういう言い合いを久しぶりに聞き、ヒロインはクスクスと笑った。
ジョルジュ
「ナギまで借りちゃって悪かったな?
早速で悪いんだが、親父のいる造船所はすぐこそなんだ。
この船が港に入ったから、きっとオレが来ている事は分かっていると思う。
…ヒロイン、準備はいいか?」
ヒロイン
「! はい!!」
一気に緊張感が広がる。
その強張った表情を見て、ジョルジュがバンッと背中を叩いてきた。
ヒロイン
「痛った! ???」
ジョルジュ
「だーいじょうぶだって!
親父は妹の事、何も覚えてなんかいねぇから!
話し方だけ気を付けてくれりゃあ、後はオレが何とかする」
ヒロイン
「は、はい!」
リュウガ
「じゃあオレ達は、造船所の周りで待機してる。
何かあったら合図を送れ」
ジョルジュ
「分かった。
じゃあヒロイン、行くぞ?」
ヒロイン
「はい」
そう言ってチラッとナギを見ると、コクッ頷いてくれた。
(大丈夫! ナギもジョルジュさんも皆もいる!
絶対上手くいく!!)
そう言い聞かせ、ヒロインはジョルジュの後をついて行った。
ジョルジュ
「造船所で働くヤツらも、親父に何を吹き込まれてるか分からないから
中に入っても、絶対離れるなよ?」
ヒロイン
「はっはい!」
ヒロインとジョルジュを見送ったシリウス一行。
リュウガはニヤッと笑い、声を上げた。
リュウガ
「よし、それじゃ野郎ども
準備に取り掛かろうじゃねぇかっ!」