cure
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ヒロイン
「…船長…
昨日の私の行動…どう思いましたか?」
リュウガはニヤリと笑った。
リュウガ
「…団体行動としては最悪だな…」
ヒロイン
「…はい…」
今にも涙が溢れ出してしまいそうだ。
リュウガ
「…だが、ナギを想う気持ちは立派だった。
あんなに必死なお前…ククッ見た事なかったしよ?」
リュウガは温かい笑顔を見せた。
リュウガ
「お前が言い出さなくても、誰かが必ず声を上げてた。
ナギを大切に思ってるのは、お前だけじゃねぇって…………
この話、昨日ナギにもしたな…」
ヒロイン
「え…?」
リュウガ
「…お前はナギを助けるのに
こんな傷もつけて、怖い思いもしたんだ、
それの何に負い目を感じてんだ」
頬についた傷をリュウガが一撫でした。
すると、大きな瞳からボロボロと涙がこぼれ落ちた。
ヒロイン
「…皆さんを…ヒッ…危ない目に合わせたのに…
当たり前のように助けてもらって…ヒッ…皆さん怪我をしたりしてるのに…」
リュウガは「くはっ」吹き出してしまった。
リュウガ
「お前はまだまだ海賊になり切れてねぇな?
…つーかよ? お前とナギってどこまでソックリなんだよ!?」
隣で大きな笑い声を上げるリュウガ。
ヒロインは涙がピタッと止まった。
リュウガ
「ふはっ…ったく、笑わせんなよ!
昨日ナギも同じ事で、シケたツラして
過去に皆を巻き込んだこと、後悔しまくってたぞ?」
ヒロイン
「え?!」
リュウガ
「…お前はどう思った?
ナギの昔の仲間がお前にヒドい事をしてきて、
お前はそれをナギのせいだって思ったか?」
ヒロイン
「お、思うはずありません!」
リュウガ
「ふっ…だろ?
それと一緒だ… お前がそうやって気にしてると
ナギがまた不安になるぞ?
自分の過去の事で、お前を悩ませてるって…
お前はナギを過去から救いたかったんだろ?」
ヒロイン
「!」
リュウガに言われて初めて分かった。
ナギはずっとこういう気持ちでいたという事。
自分のしてきた事で、仲間を傷つけたくない。
だから過去の事になると、何でもひとりで片付けようとして
巻き込まないようにしていたんだ。
ヒロインは昨日だけの事で、こんなのに悩んでいるというのに
ナギはこんな気持ちを何年も抱いていたのか…
そう思うと、過去の話しをしている時のナギの悲しい顔を思い出し
会いたくてしかたがなくなる。
リュウガ
「…昨日ナギにも言ったんだが…
オレ達は仲間だ。
誰かが困ってたり、助けを必要としてたら必ず行く。
今回はナギでも、次は違うヤツが何か起こすかもしれないだろ?
お前…ナギ以外のヤツが何かあったら放っとくか?」
ヒロイン
「!!! そんなっ!」
リュウガ
「だろ? 誰がなっても皆同じだ。
助ける立場にも、助けられる立場にもなる。
だが…」
リュウガは優しく微笑むと、クシャクシャっと頭を撫でてきた。
リュウガ
「お前のように、ナギだけじゃなく
同じようにメンバーも思いやる気持ちがないと
誰も動かない…
だから、オレ達は仲間でいれるんだ。
自分の事だけを考えるヤツはシリウスにはいねぇからな」
ヒロイン
「…船長…」
リュウガ
「だから、あまり気を負うな。
それにそこまで思ってもらうと、結構嬉しいもんだ。
オレ達の事も、大事に思ってくれてるってな?」
二カッと笑うリュウガ。
ヒロインは心が軽くなった。
本当にいつもいつもリュウガには敵わない。
ヒロイン
「…ありがとうございます。
私…ナギの事、本当に大事です。
でも同じくらい皆さんも大事です!
だからこれからは、無茶な事しない…つもりです…」
するとリュウガは大きく笑った。
リュウガ
「がーはっはっ!
そりゃ無理な話しだろ? お前、ヒロインだろ?
お前は静かに黙ってられる女じゃねぇだろ?!」
そしてグッと肩を抱き、リュウガの胸に抱き寄せられた。
リュウガ
「安心しろっ!
お前がどんな無茶しても、止めるヤツも助けるヤツもたくさんいる。
仲間だからな?」
ヒロイン
「せんちょ…」
リュウガの胸から顔を上げると、思いの外近い所にリュウガの顔があった。
リュウガ
「…だから、お前はお前らしく
シリウスの一員として、堂々としてろ!
…っても、うちのメンバーで大人しくしてるヤツなんて誰もいねぇか! がはははっ」
そう陽気に見せるリュウガの優しさが嬉しかった。
ようやくニッコリと笑顔を見せると
リュウガはさらにグッと顔を近づけた。
リュウガ
「ヒロイン、お前はそうやって笑ってろ。
それだけで皆の気分がよくなる。
お前が暗い顔してんと、心配でしょうがねぇヤツらばっかりだからよ?」
リュウガは何故船に誰もいないかが分かった。
皆ヒロインを捜しているのだろう。
ナギは料理を途中で投げ出し、他のヤツらも準備そっちのけで捜し回ってる。
いつからこの子の事をこんなにも大切に思うようになったんだろう。
ナギだけじゃない。
メンバー全員が、ヒロインの事を特別に思っている。
それは自分も例外ではないが…。
そんな事を考えていると、こんなに近くで
無防備に体を預けているヒロインに欲情してしまいそうだ。
安心しきった顔で、まだ少し潤んでいる瞳で見つめられると
止められなくなってしまうのが男の性というものだ。
ヒロイン
「…船長ありがとうございます…
今回の事は反省してます…でも…!!せ、せんちょっ!?」
チュッとオデコにリュウガの唇が当たった。
リュウガ
「…お前一昨日言ったよな?
熱冷ましてくれるって…」
一昨日の夜、商売女と真っ最中のリュウガを呼び出し
山賊の潜伏する宿へ乗り込むと相談しに行った。
そこでリュウガは、「お前が熱冷ましてくれるんだろうな?」と
商売女を帰し、ヒロインに迫った。
…が、ヒロインのナギを思う真剣な想いを聞き
すっかり萎えてしまった。
ヒロイン
「!? あ、あれは…
だって船長もう治まったって…ちょっ!」
リュウガにしっかりと抱きしめられ、抵抗が出来ない。
リュウガはさらに唇をずらし、まぶたに頬にと
押しつけた。
ヒロイン
「せんちょっやめてくさださっ!!
怒りますよ!?」
リュウガ
「チュ…お前、自分の言う事だけ聞いてもらって
それでおしまいはねぇだろ?」
ヒロイン
「やっ! 気にするなって言ったのは船長です!」
リュウガ
「うるせぇなぁ」
どうしようかと必死でリュウガの胸を両手で押し返していると
甲板から声が聞こえた。
ソウシ
「船長ーー! バカな事してないで降りてきてくださーい!!」
ヒロイン
「!!」
リュウガ
「チッ」
助かったと、ホッとしていると
リュウガは何も気にしないかのように、更にキスを続けようとする。
ヒロイン
「船長! ソウシさんの声聞こえないんですか?!」
リュウガ
「あー? 聞こえた所で何もできねぇだろ?」
ヒロイン
「!!? ホントに船長やめてください!!」
ソウシ
「せーんちょー!」
一向に抵抗をやめないヒロインと、甲板から何度も何度も呼びかけるソウシ。
リュウガは怒鳴り声を上げた。
リュウガ
「うるせぇぞソウシ!!」
ソウシ
「いーんですかー?!
このままだと、船長の体の一部が無くなるか、穴が開きますよ~!!」
リュウガ
「!?」
その言葉にハッと甲板を見下ろすと、鎖鎌を振り回しているナギと
銃口をこちらに向けているシン。
リュウガ
「バ、バカヤロウ!!
船長に向かってなんて事しようとしてるんだ!」
そう言って、リュウガは怒りながらマストを降りて行く。
ヒロインもリュウガに続いて、甲板へと降りて行った。