fireworks
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ヒロイン
「…今日はもう寝ようか…?
港に着いて初日だから、なんか疲れちゃったかも…」
そう言ってナギの胸から抜け出したヒロイン。
ナギは少し不審に思ったが、ナギ自身も
さっき会った男の事で、頭がいっぱいだった。
アイツらは一体何をしようとしているのか…
ヒロイン
「ナギ?
私お風呂先に入ってもい?」
ナギ
「あぁ…」
部屋を出る前の、あの甘いムードはすっかり消えて
ナギとヒロインは、互いに悩んでいた。
風呂場へヒロインが姿を消すと、
ナギは部屋の窓からそっと外の様子を伺った。
ナギ
「チッ…」
建物の陰に、山賊姿を見つけた。
仲間にこの宿を見張らせているのだろう。
だが、何かがおかしい…。
何故ヤツらは襲ってこない?
寝込みを襲うつもりか?
それだったら、わざわざナギに
忠告しに来なくてもいいはずだ。
ナギは考えを巡らすも、ヤツらの意図が掴めない。
そんな事を考えていると、風呂場のドアが開き
肩にタオルを掛けたヒロインが出てきた。
ナギ
「…早かったな…
風呂入らなかったのか?」
ヒロイン
「うん…シャワーだけにしちゃった」
ナギ
「…そうか…」
ナギは、やっぱりおかしいと
ヒロインを見つめた。
気のせいかと思ったが、ヒロインが陸地でバスタブに入らないなんて考えられない。
風呂好きで、お湯を気にしないで使えると
毎日バスタブに湯を溜めて、一日に何度も入るクセに…
しかしナギは問い詰めなかった。
ぎこちない空気を感じながら、ナギも風呂の準備をした。
ヒロイン
「…ナギ?
私、ちょっとソウシさんのトコ行ってきてもいい?」
ナギ
「どうした?」
ヒロイン
「なんか頭痛くって…
お薬もらってきてもいい?」
ナギ
「…あぁ…ひとりで平気か?」
ヒロイン
「うん!
ソウシさんの部屋って、同じ階だよね?」
ナギ
「向かいの突き当たりの部屋だ」
ヒロイン
「じゃあちょっと行ってくる!」
濡れた髪もそのままで、ヒロインは部屋を出ていった。
明らかに何かを隠している…。
山賊に襲われるかもしれない今、ヒロインをひとりで行かせるのは
とても不安だった。
ナギはそっと部屋のドアを開けて、廊下の様子を伺うと
ヒロインの後ろ姿が見えた。
言っていた通り、ヒロインはソウシの部屋を目指しているようだ。
(思い過ごしか…。)
昔の連中に会って、過敏になっているのかもしれない。
ナギはドアを閉めると、風呂場へと向かった。
ヒロインはまだドキドキしていた。
ナギに嘘をついてしまった。
頭なんか痛くないし、ソウシの部屋にも行くつもりもない。
本当の目的の部屋へ着くと
控えめにノックした。
コンコン…
…しかし、返事は返ってこない…。
コンコン…
いるのは知っている。
それに、今どういう状況なのかも知っている。
それでも話しを聞いて欲しかった。
コンコ…
三回目のノックの途中で、ドアは開いた。
リュウガ
「はぁ…お前…ふざけんなよ…」
息も荒く、ガウンを羽織っただけのリュウガが
不機嫌に顔を出した。
ヒロイン
「…ごめんなさい…
船長お話があって…」
リュウガ
「後にしろ
今取り込み中だ。」
リュウガの後ろにある、乱れたベッドには
物欲しそうにリュウガを見つめている女がいた。
ヒロイン
「分ってます!
でも、今しかないんです!!」
珍しく頑なにそう訴えるヒロイン。
不安そうな表情で見つめられ、
すぐ後ろで、情事を行っていた裸の女よりも
風呂上がりのヒロインに発情してしまいそうだった。
リュウガ
「…だったら、お前がオレの熱…冷ましてくれるんだろうな…?」
意地悪くそう言うと、
ヒロインは戸惑いもせず返事をした。
ヒロイン
「…いいですよ?
だから、話しを聞いてください!」
リュウガ
「!?」
意味が分っているのだろうか?
それでもリュウガは、喉がゴクリと鳴った。
リュウガ
「分った。
…オイ、悪いが終わりだ。
金はそこにあるから持ってけ」
女
「ウソでしょ!?
リュウガ、こんな中途半端でやめるなんて…!!」
リュウガ
「…次ん時は最後までするから…な?」
すると女は物凄い怒りの形相で
脱ぎ散らかした服を手に取ると、ヒロインを睨みつけた。
女
「次なんてあると思わないで?!
フン、こんなガキと比べられたら堪んないわ!」
ドンッとヒロインに肩をぶつけて
女は部屋を出ていった。
ヒロイン
「あっ…!」
その勢いにヨロけてしまうと、リュウガの手が背中を抱いてくれた。
ヒロイン
「す、すみません」
リュウガ
「…中入れよ」
まだ体の熱いリュウガ。
抱いてくれてた体から、その熱が伝わってくる。
言われるがまま、部屋に入ると
ドサッとベッドに押し倒された。
ヒロイン
「あっ! せんちょっ何するん…」
リュウガ
「あ? 何するって決まってんだろ?!」
覆いかぶさるようにリュウガが上に乗り
両手を押さえられてしまった。
熱が冷めていないリュウガは、獣のように
ヒロインを食らおうとしている。
ヒロイン
「んっ…ちょっ待ってください!
話しをちゃんと聞いてください!」
リュウガ
「…このまま聞いてやる。
この体勢、エロくていいな…」
ニヤッと笑うリュウガ。
ヒロインは、どうしたものかと生唾を飲み込んだ。
ヒロイン
「あの…昼間にナギの昔の仲間に会いました」
リュウガ
「あぁ…チュッ…」
ヒロイン
「!!! せっ船長!!」
リュウガ
「あん? はぁ…聞いてる…」
リュウガは我慢できず、ヒロインの白い首筋に舌を這わせた。
こんな事、絶対させたくないのに
リュウガに手を押さえられてる今、抵抗が出来ない。
…だったら、話す事を話して
リュウガの反応を見るしかないと思った。
ヒロインは昼間あった事、それから
さっき部屋に忍び込んできた男の話しをリュウガにした。
リュウガ
「…はぁ…で?
それがどうしたんだ?」
ヒロイン
「…私、明日…んっ…会いに行きます!」
リュウガの舌がピタリと止まった。
リュウガ
「…なんだそりゃ…」
ヒロインの首元から顔を上げ、ヒロインの顔を覗き込むリュウガ。
ヒロイン
「ナギにこの話をしたら、ナギはひとりで乗り込んで行っちゃうと思います。
だから、私ひとりで行きます!」
決意に満ちた目をして、リュウガを見つめた。
すると、パッと押さえられていた両手が自由になった。
リュウガ
「…お前は…とんでもねぇ女だな…」
リュウガは体を起こすと、ガシガシと頭を掻きながら
ベッド横にあるソファーへとドカリと座った。
前かがみに膝の上に両肘をつき
俯くリュウガ。
ヒロイン
「…せんちょ…」
リュウガ
「…お前が行ってなんになる?
そういうヤツらが、話しで解決するようなタマじゃねぇくらい分るだろ?」
ヒロインはのっそりとベッドから起き上がり
リュウガを見つめた。
ヒロイン
「はい。
だから行くんです。 …もうナギが過去に振り回されるの見たくないんです!」
リュウガ
「…ナギはそれを望んでいるのか?」
ヒロイン
「え…?」
さっきまでのリュウガとはまるで違う。
船長として、厳しくも鋭い口調で話してくる。
リュウガ
「お前が行って、過去が消え去るのか?
ナギはお前にそうして欲しいって望んでるのかっての?」
ヒロインはギュッと唇を噛んだ。
リュウガ
「…お前の独りよがりの為に
そんな危ない場所に行かせるのは無理だ。」
確かに独りよがりかもしれない。
でも、ナギをひとりにしたくない。
ナギがずっと引きずっている闇を、どうにかして晴らしてあげたい。
ヒロイン
「…それでも行きます…」
リュウガ
「…船長命令だ。
それでも行くヤツをオレは助けたりしない。
野垂れ死にしに行くようなもんだ」
ヒロイン
「…はい…
すみません…船長には話しておきたかったので…」
これほど止めているというのに…。
ヒロインは時に頑固になる。
自分の信念があるのだろう。
リュウガは固く目を瞑り、「はぁ…」とタメ息をついた。
リュウガ
「…分った…
ナギには内緒にしておく、お前が明日花火の打ち上げの時間までに戻って来なかったら
オレらはお前を助けに行く」
ヒロイン
「船長…」
リュウガ
「…ナギも大切な仲間だ。
お前だけにナギを任せねぇよ」
ヒロインはニッコリ微笑んだ。
やっぱりリュウガだ。
本当は、そこまでの事を願ってはいなかった。
でも仲間を何よりも大切に思うリュウガに
ヒロインは胸が熱くなった。
ヒロイン
「ありがとうございます!
…船長…あの…その…私船長とは出来ないですけど…
何か他の事だったら…」
リュウガ
「!?」
この期に及んで、まだ『熱を冷ます』という
冗談を真に受けている。
リュウガは苦笑いした。
リュウガ
「…お前はホント小悪魔だな?
こんな話しされたら萎えるに決まってんだろ?
狙って話ししたんだろ?」
ヒロイン
「!!?
ち、違います!! 狙ってません!」
リュウガ
「! …じゃあお前、ホントにオレとするつもりだったのか?」
思わずリュウガは身を乗り出し
必死になって聞いてしまった。
ヒロイン
「…分りません…
でも、熱が冷めたなら良かったです!
私、部屋に戻ります!
ナギがお風呂そろそろ出ると思うので…」
リュウガ
「ちょっ待て!」
ヒロイン
「ありがとうございます!
オヤスミなさい」
深くお辞儀をし、ヒロインは部屋を出ていった。
静かに閉まったドアを呆然と見つめ、リュウガは立ち尽くしていた。
なんて女だ…。
リュウガは自分でも驚いた。
あんなガキに踊らされて、いい歳した男が何をしているのかと…。
だから興味を引かれる。
リュウガ
「…あんの小悪魔め…
次は喰ってやるからな…クククッ」
「…今日はもう寝ようか…?
港に着いて初日だから、なんか疲れちゃったかも…」
そう言ってナギの胸から抜け出したヒロイン。
ナギは少し不審に思ったが、ナギ自身も
さっき会った男の事で、頭がいっぱいだった。
アイツらは一体何をしようとしているのか…
ヒロイン
「ナギ?
私お風呂先に入ってもい?」
ナギ
「あぁ…」
部屋を出る前の、あの甘いムードはすっかり消えて
ナギとヒロインは、互いに悩んでいた。
風呂場へヒロインが姿を消すと、
ナギは部屋の窓からそっと外の様子を伺った。
ナギ
「チッ…」
建物の陰に、山賊姿を見つけた。
仲間にこの宿を見張らせているのだろう。
だが、何かがおかしい…。
何故ヤツらは襲ってこない?
寝込みを襲うつもりか?
それだったら、わざわざナギに
忠告しに来なくてもいいはずだ。
ナギは考えを巡らすも、ヤツらの意図が掴めない。
そんな事を考えていると、風呂場のドアが開き
肩にタオルを掛けたヒロインが出てきた。
ナギ
「…早かったな…
風呂入らなかったのか?」
ヒロイン
「うん…シャワーだけにしちゃった」
ナギ
「…そうか…」
ナギは、やっぱりおかしいと
ヒロインを見つめた。
気のせいかと思ったが、ヒロインが陸地でバスタブに入らないなんて考えられない。
風呂好きで、お湯を気にしないで使えると
毎日バスタブに湯を溜めて、一日に何度も入るクセに…
しかしナギは問い詰めなかった。
ぎこちない空気を感じながら、ナギも風呂の準備をした。
ヒロイン
「…ナギ?
私、ちょっとソウシさんのトコ行ってきてもいい?」
ナギ
「どうした?」
ヒロイン
「なんか頭痛くって…
お薬もらってきてもいい?」
ナギ
「…あぁ…ひとりで平気か?」
ヒロイン
「うん!
ソウシさんの部屋って、同じ階だよね?」
ナギ
「向かいの突き当たりの部屋だ」
ヒロイン
「じゃあちょっと行ってくる!」
濡れた髪もそのままで、ヒロインは部屋を出ていった。
明らかに何かを隠している…。
山賊に襲われるかもしれない今、ヒロインをひとりで行かせるのは
とても不安だった。
ナギはそっと部屋のドアを開けて、廊下の様子を伺うと
ヒロインの後ろ姿が見えた。
言っていた通り、ヒロインはソウシの部屋を目指しているようだ。
(思い過ごしか…。)
昔の連中に会って、過敏になっているのかもしれない。
ナギはドアを閉めると、風呂場へと向かった。
ヒロインはまだドキドキしていた。
ナギに嘘をついてしまった。
頭なんか痛くないし、ソウシの部屋にも行くつもりもない。
本当の目的の部屋へ着くと
控えめにノックした。
コンコン…
…しかし、返事は返ってこない…。
コンコン…
いるのは知っている。
それに、今どういう状況なのかも知っている。
それでも話しを聞いて欲しかった。
コンコ…
三回目のノックの途中で、ドアは開いた。
リュウガ
「はぁ…お前…ふざけんなよ…」
息も荒く、ガウンを羽織っただけのリュウガが
不機嫌に顔を出した。
ヒロイン
「…ごめんなさい…
船長お話があって…」
リュウガ
「後にしろ
今取り込み中だ。」
リュウガの後ろにある、乱れたベッドには
物欲しそうにリュウガを見つめている女がいた。
ヒロイン
「分ってます!
でも、今しかないんです!!」
珍しく頑なにそう訴えるヒロイン。
不安そうな表情で見つめられ、
すぐ後ろで、情事を行っていた裸の女よりも
風呂上がりのヒロインに発情してしまいそうだった。
リュウガ
「…だったら、お前がオレの熱…冷ましてくれるんだろうな…?」
意地悪くそう言うと、
ヒロインは戸惑いもせず返事をした。
ヒロイン
「…いいですよ?
だから、話しを聞いてください!」
リュウガ
「!?」
意味が分っているのだろうか?
それでもリュウガは、喉がゴクリと鳴った。
リュウガ
「分った。
…オイ、悪いが終わりだ。
金はそこにあるから持ってけ」
女
「ウソでしょ!?
リュウガ、こんな中途半端でやめるなんて…!!」
リュウガ
「…次ん時は最後までするから…な?」
すると女は物凄い怒りの形相で
脱ぎ散らかした服を手に取ると、ヒロインを睨みつけた。
女
「次なんてあると思わないで?!
フン、こんなガキと比べられたら堪んないわ!」
ドンッとヒロインに肩をぶつけて
女は部屋を出ていった。
ヒロイン
「あっ…!」
その勢いにヨロけてしまうと、リュウガの手が背中を抱いてくれた。
ヒロイン
「す、すみません」
リュウガ
「…中入れよ」
まだ体の熱いリュウガ。
抱いてくれてた体から、その熱が伝わってくる。
言われるがまま、部屋に入ると
ドサッとベッドに押し倒された。
ヒロイン
「あっ! せんちょっ何するん…」
リュウガ
「あ? 何するって決まってんだろ?!」
覆いかぶさるようにリュウガが上に乗り
両手を押さえられてしまった。
熱が冷めていないリュウガは、獣のように
ヒロインを食らおうとしている。
ヒロイン
「んっ…ちょっ待ってください!
話しをちゃんと聞いてください!」
リュウガ
「…このまま聞いてやる。
この体勢、エロくていいな…」
ニヤッと笑うリュウガ。
ヒロインは、どうしたものかと生唾を飲み込んだ。
ヒロイン
「あの…昼間にナギの昔の仲間に会いました」
リュウガ
「あぁ…チュッ…」
ヒロイン
「!!! せっ船長!!」
リュウガ
「あん? はぁ…聞いてる…」
リュウガは我慢できず、ヒロインの白い首筋に舌を這わせた。
こんな事、絶対させたくないのに
リュウガに手を押さえられてる今、抵抗が出来ない。
…だったら、話す事を話して
リュウガの反応を見るしかないと思った。
ヒロインは昼間あった事、それから
さっき部屋に忍び込んできた男の話しをリュウガにした。
リュウガ
「…はぁ…で?
それがどうしたんだ?」
ヒロイン
「…私、明日…んっ…会いに行きます!」
リュウガの舌がピタリと止まった。
リュウガ
「…なんだそりゃ…」
ヒロインの首元から顔を上げ、ヒロインの顔を覗き込むリュウガ。
ヒロイン
「ナギにこの話をしたら、ナギはひとりで乗り込んで行っちゃうと思います。
だから、私ひとりで行きます!」
決意に満ちた目をして、リュウガを見つめた。
すると、パッと押さえられていた両手が自由になった。
リュウガ
「…お前は…とんでもねぇ女だな…」
リュウガは体を起こすと、ガシガシと頭を掻きながら
ベッド横にあるソファーへとドカリと座った。
前かがみに膝の上に両肘をつき
俯くリュウガ。
ヒロイン
「…せんちょ…」
リュウガ
「…お前が行ってなんになる?
そういうヤツらが、話しで解決するようなタマじゃねぇくらい分るだろ?」
ヒロインはのっそりとベッドから起き上がり
リュウガを見つめた。
ヒロイン
「はい。
だから行くんです。 …もうナギが過去に振り回されるの見たくないんです!」
リュウガ
「…ナギはそれを望んでいるのか?」
ヒロイン
「え…?」
さっきまでのリュウガとはまるで違う。
船長として、厳しくも鋭い口調で話してくる。
リュウガ
「お前が行って、過去が消え去るのか?
ナギはお前にそうして欲しいって望んでるのかっての?」
ヒロインはギュッと唇を噛んだ。
リュウガ
「…お前の独りよがりの為に
そんな危ない場所に行かせるのは無理だ。」
確かに独りよがりかもしれない。
でも、ナギをひとりにしたくない。
ナギがずっと引きずっている闇を、どうにかして晴らしてあげたい。
ヒロイン
「…それでも行きます…」
リュウガ
「…船長命令だ。
それでも行くヤツをオレは助けたりしない。
野垂れ死にしに行くようなもんだ」
ヒロイン
「…はい…
すみません…船長には話しておきたかったので…」
これほど止めているというのに…。
ヒロインは時に頑固になる。
自分の信念があるのだろう。
リュウガは固く目を瞑り、「はぁ…」とタメ息をついた。
リュウガ
「…分った…
ナギには内緒にしておく、お前が明日花火の打ち上げの時間までに戻って来なかったら
オレらはお前を助けに行く」
ヒロイン
「船長…」
リュウガ
「…ナギも大切な仲間だ。
お前だけにナギを任せねぇよ」
ヒロインはニッコリ微笑んだ。
やっぱりリュウガだ。
本当は、そこまでの事を願ってはいなかった。
でも仲間を何よりも大切に思うリュウガに
ヒロインは胸が熱くなった。
ヒロイン
「ありがとうございます!
…船長…あの…その…私船長とは出来ないですけど…
何か他の事だったら…」
リュウガ
「!?」
この期に及んで、まだ『熱を冷ます』という
冗談を真に受けている。
リュウガは苦笑いした。
リュウガ
「…お前はホント小悪魔だな?
こんな話しされたら萎えるに決まってんだろ?
狙って話ししたんだろ?」
ヒロイン
「!!?
ち、違います!! 狙ってません!」
リュウガ
「! …じゃあお前、ホントにオレとするつもりだったのか?」
思わずリュウガは身を乗り出し
必死になって聞いてしまった。
ヒロイン
「…分りません…
でも、熱が冷めたなら良かったです!
私、部屋に戻ります!
ナギがお風呂そろそろ出ると思うので…」
リュウガ
「ちょっ待て!」
ヒロイン
「ありがとうございます!
オヤスミなさい」
深くお辞儀をし、ヒロインは部屋を出ていった。
静かに閉まったドアを呆然と見つめ、リュウガは立ち尽くしていた。
なんて女だ…。
リュウガは自分でも驚いた。
あんなガキに踊らされて、いい歳した男が何をしているのかと…。
だから興味を引かれる。
リュウガ
「…あんの小悪魔め…
次は喰ってやるからな…クククッ」