シュガー☆ソウル
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
*******
*******
*******
ナギ
「…い………オイ!ヒロイン!!」
ヒロイン
「……ん……」
遠くでナギの声が聞こえ、ヒロインはゆっくりと目を開けた。
すると目の前には、夢の中に出てきた男達が
すっかり大きくなって
ヒロインを取り囲んでいた。
(なんだ…まだ夢の中…?)
ヒロイン
「…みんな…ありがとう…」
約10年越しにやっとお礼が言えたとばかりに、ヒロインは微笑みながらそう言った。
何だか皆不思議そうな顔をしているが、その中から
金髪の男の子が顔を近づけると、そっと手を伸ばしてきた。
どうしたのだろう…。
ヒロインはボンヤリと見つめた。
次の瞬間…
ビシッ☆
ヒロイン
「!!! いったぁあ!!!」
オデコに思いっきりデコピンを食らった。
涙目になりながら、もう一度顔を上げると
そこにはシリウスのメンバーが揃っていた。
ヒロイン
「あ…れ? 皆さんどうしたんですか…?」
ようやく正気に戻ったヒロインに、全員がホッとした表情を浮かべる。
トワ
「何度も声掛けたのに起きないから
僕ビックリして…」
シン
「この炎天下で熟睡出来るとはさすがだな?」
心配そうに覗き込むトワと、憎らしい笑みを浮かべるシン。
ヒロインは汗がいっぱい浮かんだ顔を手で拭った。
あの心地良かったひんやりとした空気は消え、太陽がギラギラと甲板を照らしていた。
ソウシ
「大丈夫?
船内入って、少し体を冷やそう?」
ソウシに肩を抱かれそっと立たされると、食堂へと連れていかれた。
テーブルにはすっかり朝食の準備が整っており、ヒロインはどれだけ寝てしまったのかと不安になった。
ナギ
「ヒロイン」
ヒロイン
「あっありがとう…」
ナギが冷えたアイスティーを渡してくれた。
一口飲むと、どれだけ体の中の水分がなくなっていたかが分った。
リュウガ
「大丈夫か? 真夏の甲板で眠るなんざぁ
自殺行為だぞ?!」
ヒロイン
「すみません…
いつの間にか寝ちゃたみたいで…」
リュウガに声を掛けられハッとした。
ヒロインは慌ててキョロキョロと辺りを見渡した。
ソウシ
「どうしたの?」
ヒロイン
「あのっ瓶…」
ハヤテ
「コレの事か?」
ヒロイン
「! はい!良かったぁ溶けてない」
ハヤテから嬉しそうに受け取る顔を見て、メンバー全員が不思議に思った。
リュウガ
「あ? それ昨日オレがあげたヤツか?」
ヒロイン
「はい♪」
ナギ
「…金平糖か?」
ヒロイン
「うん!」
リュウガ
「昨日寄った港で売ってたんだよ」
シン
「なんでそんなに大切そうに持ってるんだ?」
ヒロイン
「あ… その…小さい頃に助けられたというか…」
トワ
「金平糖にですか?」
ヒロイン
「金平糖にというか…このお陰で色んな人に出会って勇気をもらったの…
不思議な日だったな…」
久しぶりに見た夢で、不思議な一日を鮮明に思い出した。
ハヤテ
「なぁそれより、朝飯食わねぇ?!
オレ、ハラ減って死にそう…」
リュウガ
「そうだな! そんじゃメシにするか」
ヒロイン
「ご心配掛けてすみませんでした!
私、汗かいたので着替えてきますね?
先に食べててください」
そう言ってヒロインは食堂を出ていった。
ソウシ
「ふふっ金平糖か…
そういえば私も金平糖で不思議な出会いをしたな…」
腕組みをして座っていたリュウガも、ハッと顔を上げた。
リュウガ
「何だソウシもか?!」
ソウシ
「船長もなんですか?」
リュウガ
「あぁ…普段あんな風に構ったりしないんだが…」
なんの事を言っているのかは分らないが、金平糖という
あまり手の入らないお菓子に、リュウガもソウシも思い出があるなんて…
ハヤテ
「それを言うならオレだって、金平糖繋がりの話しあるぜ!」
トワ
「ぼ、僕もです!!」
そしてメンバーが、じっとシンを見つめる。
シンは冷静な顔をして、呆れた声を出した。
シン
「…オレもあります…
でも、偶然なだけじゃないですか?」
トワ
「でもでもでも!」
ソウシ
「ナギはどうなの?」
メンバー全員が期待している視線をよこす。
ナギ
「…ヒロインの様子見てくる…」
そう言ってナギは食堂を出ていった。
シン
「…ナギも何かあったんだな…」
トワ
「えぇ!! それってスゴクないですか?!」
ハヤテ
「別にスゴかねぇだろ?
だって金平糖なんて、どこにでもあるし…」
シン
「フン、珍しく正当な意見だな?」
ハヤテ
「あぁ?」
ソウシ
「ほら~ケンカしない!
でも金平糖って結構高価なお菓子だよ?
船長はどこで手に入れたんですか?」
リュウガ
「あ? オレはヤマトの港に寄った時
菓子屋んトコに置いてあってな…
キレイだから買ったんだ」
シン
「ドクターはどこで?」
ソウシ
「私は買ったんじゃなくて、女の子にもらったんだよ。
そういえばヤマトに薬品の勉強に行った時だったな…」
メンバー
「「女の子!?」」
そのフレーズに全員が反応した。
ソウシ
「え…? 何?」
シン
「オレも課外授業でヤマトに行った時に
女の子からもらった…」
ハヤテ
「…オレもヤマトの時…」
トワ
「僕は小さくて場所は覚えてないんですけど
黒髪で長い髪をした可愛い子でした」
トワの言葉に、またしても全員が顔を上げた。
トワ
「え…何ですか…?」
リュウガ
「…なんだよ…偶然だろ?
まさかヒロインだなんてありえねぇだろ!?」
ソウシ
「そ、そうだよね。」
ハヤテ
「そうですよ! ヤマトの女の子なんていっぱいいるし
それがヒロインだなんて…」
誰もがそう思ってはいるが、どこかで「もしかしたら…」と考えている。
シン
「もしそれがヒロインだとしたら、どうするんですか?」
シンの問い掛けに、全員が黙った。
確かにヒロインと分った所で、どうしたいもない。
ただあの日に会ったあの子が、今こうして同じ船に乗っている
そんな偶然が、本当にあるのかと知りたかっただけなのかもしれない。
誰も声を出さず、当時の記憶を思い出している。
トワ
「…でも…僕はちゃんとありがとうって言いたいです!」
ソウシ
「そうだね…私もそうかな」
リュウガ
「オレはあのガキがヒロインだったら、
ナギに取られちまう前に、もっと懐かせとけばよかったなぁ」
とても残念そうに顔をしかめるリュウガに
全員が呆れ顔を向けた。
シン
「…船長が出会ったのがヒロインじゃなかった事を願います…」
淡く甘い想い出が、リュウガによって汚された気分になった…。