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夕食の時間は、エドモンドが来てからというもの
いつも以上に賑やかで、楽しいものだった。
エドモンド
「いやぁ、ナギの料理は何を食べても実に美味いな!」
トワ
「そうなんです!!
ナギさんのお料理は、いつでもなんでも美味しいんです♪」
ハヤテ
「? なんだお前食わねぇの?」
そう言って、ハヤテがヒロインの皿から肉を取り上げた。
ソウシ
「コラッ! ハヤテお行儀悪いよ!」
ヒロイン
「あっいいんです!
ハヤテさん、良かったらこれもどうぞ」
エドモンド
「どうした? なんだか顔色も悪いし…
食欲ないのか?」
ヒロイン
「いえ…大丈夫です!
ちゃんと食べてますよ?」
リュウガもソウシもシンも「またか…」と、不機嫌なナギの態度を見て
やれやれとタメ息をついた。
ヒロインがこうなるのは、大抵がナギ絡みだ。
ナギと何かあったに違いない。
エドモンドが来てから3日。
よく今日までナギが大人しくし見ていると思っていたくらいだ。
エドモンド
「…お前が元気ないと、なんだか寂しい気持ちになるな…」
隣の席に座るエドモンドは、そっとヒロインの手を取って
両手で握りしめた。
ヒロイン
「エドさ…わっ!」
すると隣の席のナギがグッと肩を抱き、何も言わず
ナギの方へと引き寄せた。
ナギ
「………」
これにはさすがのエドモンドも腹が立った。
エドモンド
「…ナギ、そんなにヒロインの事が大事なら
どうしてヒロインを不安にさせる様な事をする?」
ナギ
「どういう事だ?」
ヒロイン
「エドさん!?」
何を言うのかと、ヒロインは慌ててエドモンドに声を掛けた。
しかしナギはその反応に勘違いをしてしまう。
ナギ
「!? お前、コイツに相談でもしたのか?」
ヒロイン
「え?! してないよ!」
ナギ
「じゃあ何でエドがそんな事言ってくるんだ!?」
ナギの理不尽な怒りに、ヒロインもカチンときた。
ヒロイン
「知らない!」
ナギ
「あ?」
ヒロイン
「勝手にそう思ってれば!
私の事なんて何も考えてないくせに!!
怒ってばっかりで、ナギなんてもう知らない!!」
ガタンッと席を立って、ヒロインは悲しい表情を浮かべながら食堂を出て行ってしまった。
今までの陽気な雰囲気は一気に消えて、シーンと静まり返った食堂。
リュウガ
「…今のはナギが悪りぃな!」
シン
「フン、お前らの痴話喧嘩でメシが不味くなる…」
そんな事分かってる。
ナギは泣き出しそうなヒロインの顔が頭から離れない。
ハヤテ
「食わねぇんだったら、オレもっらい~♪」
ハヤテがヒロインの皿に手を掛けると、ゴツンッとナギからゲンコツを食らった。
ハヤテ
「いってぇ! なんだよ!!」
ナギは冷たい視線をハヤテに向けると、席を立ってヒロインを追い掛けた。
ハヤテ
「スッゲェとばっちりだよ…」
ハヤテが頭を擦りながら、ナギの出て行ったドアを見つめると
ソウシが笑いながら言った。
ソウシ
「ふふっ、そういうトコ不器用だからナギらしいよね?
まぁ、ハヤテも少しは空気読まないとね?」
・・・・・・・・・・・・・・
コンコン…
ナギは自分の部屋の前に立っていた。
ナギ
「…入るぞ…」
ゆっくりとドアを開けると、明かりもつけない部屋で
ベッドの縁に座り、鼻をすすっているヒロインを見つけた。
ナギはガシガシっと頭を掻きながら、そっと近寄った。
ナギ
「ヒロイン?」
ヒロインは顔も上げず、俯いたままだ。
ナギはヒロインの横に座った。
ナギ
「…ヒロイン…」
ヒロイン
「…キスしなかったから…怒ってるの?」
ナギ
「あ?」
しかめっ面で見上げてくるヒロイン。
やっぱり泣かせてしまったかと、ナギは頬を伝って落ちた涙を親指で拭った。
ヒロイン
「…だって…さっきキッチンでしなかったらナギ機嫌悪くなったもん…」
ナギ
「…しなかったからじゃねぇよ…」
ヒロイン
「じゃあ何で? …グズッ…」
ナギ
「…それは…」
こんな事言うつもりもなかったのに、ナギは自分で招いてしまった事ながら
恥ずかしくて口ごもっていた。
ヒロイン
「…言いたくない?」
ナギ
「…あぁ…こんな事言うはめになるとはな…
自業自得だな…」
ヒロイン
「?」
何の事だとヒロインはキョトンとした顔でナギを見つめた。
ナギ
「その…なんだ…何かオレばっかりお前の事好きみたいで…その…」
ヒロイン
「ナギ?」
ナギの口から出てくる言葉に驚いた。
そして何より、暗がりでもしっかりと分かる。
ナギがものすごく照れている事。
ナギ
「…だから…あんな態度…んっ!」
言葉が言い終わらない内に、ヒロインはナギの唇にキスをした。
ナギが可愛くて、胸がキュンと疼いた。
ヒロイン
「…ナギ? 私の方がナギの事好きだよ?
ナギより好きな度合いが大きいもん!」
ナギ
「あ? そんなの分かんねぇだろ?!
オレの方が…」
ヒロイン
「絶対絶対私の方だもん!」
お互いに一歩も引かない態度に、どちらとなく吹き出してしまい
笑い合った。
ナギはその可愛い笑顔を見つめた。
ヒロイン
「ナギ…シンさんがこんな所見たら
またバカップルって言われちゃうね?」
ナギ
「ふっ…そうだな…
お前とだったら、何言われてもいい…」
そっと頬に手が掛かる。
ナギがキッチンで言った通り、もう3日もキスも体を結んでもいない。
今ナギとキスをしたら、止まらなくなってしまいそうだ。
ナギ
「ヒロイン…」
ナギの顔が近づく。
ヒロイン
「ナギ…あの…スゴク…しないで?」
ナギ
「?」
何だとナギは顔を離した。
ヒロイン
「あの…スゴイのされちゃうと…その…普通の顔して戻れないから…」
恥ずかしそうに言うその顔が、堪らなく可愛かった。
ナギ
「アホ…そう言うの煽るって言うんだ!」
ヒロイン
「えっ?! ナ、ナギ!!?」
ナギの手に力が入り、唇が触れ合う寸前の所で
コンコンとドアをノックする音がした。
シン
「おいバカップル! 仲直りが済んだなら、片付けの手伝いをしろ!!」
その声にドキリと目を開けた2人は、シンの足音が遠のいて行くのを聞き
また顔を見合わせて笑った。
ヒロイン
「ふふふっ言われちゃったね?」
ナギはポンッとヒロインの頭に手を置き、優しく撫でた。
ナギ
「チッ…戻ったらうるさそうだな…」
差し出す手に引っ張られて、立ち上がらせてもらうと
ヒロインはニッコリと笑った。
ヒロイン
「うん! でも…ナギと一緒なら平気だよ?」
ナギ
「あぁ…そうだな」
甘い甘い空気が漂う中、2人は食堂へと戻る事にした。
もちろんメンバーからの洗礼も容赦なく待ち受けているのであった。