protect love
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
メンバー
「「はぁ!?」」
エドモンド
「? 何か不満か?」
何故皆が見つめてくるのかが分からず、エドモンドはキョトンとした顔でそう言った。
ヒロイン
「ふ、不満です!!
私は一緒になんか寝ません!」
ハヤテ
「そ、そうだよ!
なんでヒロインと一緒に寝るのが当たり前のように言ってるんだよ!」
ハヤテも大きな声でそう言った。
シン
「じゃあ決まりだな。
エドはお前の部屋で面倒を見る事で」
ハヤテ
「は?」
リュウガ
「そうだな!歳も近けぇしいいだろう!」
ハヤテ
「はぁ!ふざけんなよ!
オレは絶対反対!!」
ギャーギャーと反論するが、誰ひとりとして取り合ってくれない。
そして今まで一切こちらのやり取りが耳に入っていなかったソウシが
満足げな表情を浮かべて話し始めた。
ソウシ
「あっ部屋決まった?
じゃあ私は部屋に戻るね?」
足早に船内へと消えていくソウシを見送ってた。
リュウガ
「よぉし!じゃ寝るか!
…ヒロイン…ワイン…返してくれるか?」
いつも通りの空気に戻り、それぞれが動き出す。
ハヤテ
「ちょっちょっと待てよ!
まだオレの部屋って決まってねぇだろ!」
エドモンド
「よろしく頼むぞ!ハヤテ!!」
ガシッと肩に手を回され、ハヤテはようやく観念した。
ハヤテ
「…ウソだろ…」
・・・・・・・・・・・・・・・・
見張り台に戻ったナギは、相変わらずムスッと不機嫌だった。
アイツは何しにきたんだ。
ヒロインを追い掛けてきたのか?
以前妙な噂を流され、城を訪れた時も
ヒロインを遊び相手の女にしようとしていた。
しかしヒロインの純粋な気持ちに触れ、エドモンドは本当に恋をしてしまった。
そういう感情に疎いナギだって、あの変わり様を見れば一目瞭然だ。
恋をしたからと言って、一国の王が海賊であるヒロインと結婚なんてできるはずもない。
それは海賊でなくても、庶民の女でも一緒だ。
ヒロイン
「ナギ?」
ナギ
「! なんだ?」
完全にエドモンドのペースに飲まれていたナギは、横に座っているヒロインを見つめた。
ヒロイン
「機嫌…悪いね…?」
ナギ
「…当たり前だろ?
お前目当てで乗り込んできたんだぞ?」
ヒロイン
「…ホントにそうなのかな…?」
ナギ
「あ?」
ヒロイン
「だ、だって! この前お城に行った時もがっかりされたし
あんなにイケメンな国王様が…」
ナギの眉がピクリと動いた。
ナギ
「イケメンって…お前…」
ヒロイン
「あっそういう意味じゃなくて!
あんな人が私なんか…」
ヒロインはそのまま俯いた。
少し意地悪し過ぎたかと、ナギは「ふっ」と笑って
ヒロインの肩を抱き寄せた。
コツンとナギの肩に頭がぶつかった。
ナギ
「…悪い…お前に当たってもしょうがねぇな…」
ナギの頭がそっと寄り掛かってきた。
その距離にドキドキと胸が鳴りだした。
誰もいない見張り台で、こんな事をされると
少し期待してしまう。
さっきエドモンドの船が来ていなかったら、一体ナギに何をされていたのだろう…。
ヒロインはナギを感じたくなり、体が熱くなった。
ナギ
「…どうした?」
ヒロイン
「へ?」
ナギ
「なんか…」
見透かされたと思い、ヒロインは慌てて体を離し
ナギと反対側の縁へと逃げた。
ヒロイン
「ど、どうもしないよ!
あの…わ、私ここで夜を過ごすの初めてだから
ちょっと緊張しちゃって…」
ナギ
「緊張?」
明らかに動揺している姿を見て、ナギは思わず笑ってしまいそうになる。
隠そうとして必死になっている。
ヒロイン
「そうなの! ほら、女だからって私には不寝番はしなくていいって言ってくれてるでしょ?
だから…えと…その…」
ナギ
「………ふっ…
ふはっククク…素直に言えよ!
ククッ…オレとくっついててドキドキしたんだろ?」
ドキッと心臓が跳ねた。
ヒロイン
「そ、そんな訳ないでしょ!
ナギとなんかいつも一緒だし…それに…」
ナギ
「…それに?」
ヒロイン
「!!」
ナギが手をつきながら近づいてくる。
ヒロインは見張り台の縁に背中をピッタリとつけた。
ヒロイン
「そ…それに! もうそんな事でドキドキなんか…!!」
ナギが目の前に来て、胸の鼓動は更に激しくなった。
覗き込むように見つめられる。
ナギ
「ふーん… もうオレには飽きたって言いたいのか?」
ヒロイン
「!? ちがっ…んぅ!!」
唇を塞がれ、ナギの柔らかい唇が触れる。
そしてこじ開けるように舌が入ってきた。
ヒロイン
「ん…んぅ…」
ナギの手が後頭部を包み、これ以上ないくらい深く激しくキスを繰り返す。
ナギ
「はぁ…クチュ…許さねぇ…チュッ…」
ヒロイン
「!?」
目を閉じてナギの舌を感じていたが、離れた唇とその言葉にハッと目を開けた。
ナギ
「………」
ナギを見つめると、怒った目をしている。
ヒロイン
「ナ…ギ…?」
ナギの手が頬に掛かる。
ナギ
「…ホントに…飽きたのか…?」
ヒロイン
「え?」
何の事かと驚いていると、ギュッとナギに抱きしめられた。
ナギ
「…オレは何度お前とくっついても足りねぇのに…」
ヒロイン
「!!?」
ナギ
「…お前は…もう慣れちまったのか…?
…そんなの許さねぇぞ!」
抱きしめるナギの腕に力が入る。
そんな風にナギが思っていてくれたなんて…
ヒロインは嬉しくて嬉しくて、深くナギの胸に顔を埋めた。
ナギ
「? ヒロイン?」
ヒロイン
「ナギ…ありがとう!
私も…同じだよ? ナギと…何度こうしてもドキドキする…」
さっきは悟られないように、ああ言ったが
いつ慣れるのだろうと思うくらい、手を繋いでも抱きしめられても
胸がキュゥっと締めつけられる。
ナギ
「…ふっ、あぁ伝わってくる…」
ヒロイン
「え!!?」
パッと顔を上げると、ナギの優しい笑顔が見下ろしていた。
ナギ
「オレ以外に…するなよ…?」
少し恥ずかしそうな顔をして言うナギ。
ヒロインはニッコリと微笑んだ。
ヒロイン
「するはずないよ!
ナギだからドキドキするの…」
ナギ
「ヒロイン…」
再びナギの唇が重なり、胸の鼓動は更に大きくなった。
ナギ
「…部屋だったらコレだけじゃ済まねぇけどな…」
ヒロイン
「!! もぉ!ナギのエッチ!」
ナギは意地の悪い笑みを浮かべて、持ち込んだ毛布を手繰り寄せた。
ナギ
「ホントにお前ここで寝るのか?
部屋じゃなくて平気か?」
ヒロイン
「うん! ナギと一緒にいたい…」
横に並ぶと腕に手を回しギュッと抱きつくヒロイン。
エドモンドがいる以上、ひとりで部屋に寝かせるのは抵抗があった。
まだ信用するには時間が短すぎる。
リュウガもソウシも物で釣られていたが、本当の目的は何なのだろう…
ナギは毛布に包まって夜空を見上げているヒロインを見つめた。
(何もないといいんだが…)