drunkard
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夕食の時間になり、指定の酒場に集合したシリウスメンバー。
美味しい料理に酒。
メンバー全員が賑やかに食事を楽しんでいると
隣のテーブルに座っているカップルがイチャイチャとし出した。
彼女
「んん~ 私ぃ~今日帰れないかもぉ~」
可愛い声を出して、彼氏の胸にもたれかかる彼女。
甘えた仕草がなんとも可愛い。
そんな光景を見て、ヒロインは『なるほど』と思った。
リュウガ
「ヒロイン! 女っていうのは、あのくらい酔うと可愛いもんだぞ?」
ソウシ
「昨日ナギに止められなければ見れたかもね?
クスクス…」
ハヤテ
「あぁん? コイツにあんなマネ出来ねぇって!」
シン
「早々に酔い潰れてたクセに…」
トワ
「僕も見たいです! 酔ったヒロインさん!
スゴク可愛いと思います!」
それぞれが言いたい事を言っている。
ナギはなんとも面白くなく、グラスの酒をグッと飲み干した。
ヒロイン
「でも確かに可愛いです!
今度酔ったら実践してみますね!」
シン
「バカが… それは酔ってないだろ?
狙ってやるバカがどこにいる?」
リュウガ
「まぁそういう女もいるよな」
ソウシ
「ふふっそれでも見たいなぁ」
さっきの彼女の様に可愛く甘えたらナギはどんな反応をするのだろう?
チラッと横にいるナギを見ると、視線に気付いたナギが
口に運ぼうとしたグラスをパッと掴んできた。
ナギ
「…お前…昨日みたくなったら承知しねぇからな?」
ヒロイン
「!!! わ、分かってる!
そんな事しないもん!」
まるで心の中を見透かされているようで、ヒヤリとした。
リュウガ
「それにしてもよぉ!
ナギがうらやましいぜ」
ナギ
「? 何がですか?」
リュウガ
「あ? お前昨日あれだけいい思いしておいて
何がじゃねぇよ!」
昨晩の事を言っているのだろう。
リュウガにも聞こえていたのかと、ナギは「チッ」と舌打ちをした。
リュウガ
「あんないい声…」
ソウシ
「あっ! ヒロインちゃん!
あっちのテーブルで奇術師が手品してるよ?
ホラ、ハヤテとトワと見に行ってくれば?」
ソウシが指差したテーブルで、小さな火が上がって
その火が消えるとバラの花が現れた所だった。
ヒロイン
「わぁ! 私初めて見ます!
ハヤテさん、トワくん行きましょ!」
ソウシの機転でなんとかヒロインにバレる事がなかった。
ハヤテもトワも、昨日の酔いっぷりからすると
熟睡して気づいてはいないだろう。
だからヒロインと一緒に行かせたに違いない。
こういう時ソウシは、なんとも頼りになる。
ソウシ
「船長… 女性にそういう事を言うのは良くないですよ?
特にヒロインちゃんは…」
リュウガ
「がっはっは! 悪い悪い!
いやぁしかしナギ! 昨日は随分激しかったんじゃねぇか?」
ナギ
「…どういうことです?」
シン
「あんな風に声が聞こえるのは初めてだったからな?」
聞き耳を立ててたんじゃないか?と言いたくなる。
ソウシ
「ほら! そういうデリケートな事聞くのは…」
リュウガ
「なんだよ! ソウシも聞こえただろ?
あんな可愛い声で鳴くんだなヒロインは…」
ナギ
「…!」
リュウガのニヤケた笑顔にナギのイライラは頂点に達した。
ナギ
「…船長、オレにケンカ売ってます?」
リュウガ
「ち、違う! ナギにそんなもん売らねぇよ!
ただ羨ましいって事だ!!」
ニカッと笑うリュウガ。
それはソウシもシンもそうだった。
いつものヒロインからは想像が出来ない程、色っぽくて可愛い声。
愛しそうにナギの名前を何度も呼ぶ。
もし自分の彼女だったら、どんな声を聞かせてくれるのだろう。
無言になったテーブル。
ナギは他の3人がよからぬ妄想をしている事がすぐに分かった。
ナギ
「…言っときますけど、いつものヒロインはあんなもんじゃないですよ?」
リュウガ&ソウシ&シン
「!!!!」
ナギは驚いた表情を浮かべた3人を見て、意地の悪い笑みを浮かべた。
ナギ
「…って言ってもらいたいんですか?
これ以上この事を言わないでください」
ナギの方が一枚上手だった。
昨晩以上に淫らなヒロインを考えずにはいられないだろう。
3人はそれ以上何も言って来なかった。
ナギは頬杖をついて、ヒロインをじっと眺めた。
初めて見る手品に、何度も驚き満面の笑みを浮かべてる。
何度となく見ている表情が、こうやって離れた所で見つめると新鮮に思える。
ここで自分が見つめている事なんて忘れてるに決まってる。
ヒロインが自分以外の事に集中しているなんて、なんだか少し妬ける。
そんな女々しい思いを感じていると、ふとヒロインが顔を上げた。
そしてナギを見つめると、なんとも嬉しそうに微笑んだ。
ソウシ
「うわぁ~ ホント、ナギって愛されてるね~」
ナギ
「!!」
ナギ自身、不意を突かれて
かなり胸がキュンと締めつけられた。
シン
「…お前、とんでもなくデレデレした顔してるぞ?」
ナギ
「!?」
リュウガ
「がはは! ナギぃお前ホント変わったな!
お前のそんな顔見れるなんて、今日はいい酒が飲めそうだ!」
さっきまで3人を上手い事ねじ伏せたと思ったのに
結局ナギは打ち負かされてしまった。
いつもより酒のペースが早くなるナギ。
リュウガ
「…しかし、昨日酒に酔ってたのってヒロインだろ?
なんでナギが酔ったような行動とってるんだ?」
ソウシ
「そういえば… 酔ってて周りに気を配れなかったなら分かるけど
ナギ、酔ってなかったよね?」
段々とナギの顔が赤くなる。
ナギ
「…関係ない…」
シン
「フン、お前が一番酒に踊らされてるじゃねぇか
しらふで、あれだったらよっぽどたちが悪いぞ?」
ナギ
「…チッ…」
ナギはまたしてもガブリと酒を飲み干した。
ヒロインの事を酔ったと勘違いし、その上激しくヒロインを抱いた。
そしてメンバーに聞かれてる…。
普段だったら考えられない事だ。
本当に酔っていたのは自分だったのではないかと
頭が困惑していくナギだった。
☆END☆ おまけ&あとがき⇒