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ナギ
「ん…」
水道の流水音が耳に入り、ナギは目を覚ました。
いつの間にか寝てしまった事と、目の前で背中を向けているヒロインの姿を見つけ
ぼんやりとした思考回路を起こそうと、声を発した。
ナギ
「…わりぃ…寝てた…な…」
ヒロインは、ハッと振り返って今にも泣きそうだった自分を気付かれまいと
笑顔でナギに答えた。
ヒロイン
「うん。 お鍋の火止めておいたよ。
多分大丈夫だと思うんだけど…」
そう言ってヒロインは目線を手元に戻すと、後ろから ゴンッ と壁に何かがぶつかる鈍い音が聞こえた。
ヒロイン
「ナギ?」
今度は体ごと振り返ったヒロインは、壁に頭を付けて
目を閉じ、顔を上に向けているナギを見つめた。
ナギ
「はぁ… 料理人としてありえねぇ…」
そしてナギはのっそりと立ち上がると、バンダナの上からガシガシと頭を掻いて
お鍋に向かった。
火を使ってるのに、寝てしまうなんて事はキッチンを任せられてからは初めての事だった。
(マジでそろそろやべぇな…)
すっかり煮込み過ぎて、野菜もトロトロになっているミネストローネを見つめながら
ナギはもう一度タメ息をついた。
まだ眠そうなナギのトロンとした横顔を見つめ、ヒロインは ふふっと笑った。
ナギ
「…なんだよ…」
ヒロイン
「んーん。あっ、サラダ用の野菜切っちゃった。
フルーツも切っとく?」
ナギ
「あぁ」
野菜を先に切った事を怒られると思っていたヒロインは
少し驚いたが、横でアクビをしているナギを見て微笑んだ。
(なんか眠い時のナギって素直でかわいいかも♡)
ナギが背後にある冷蔵庫から、朝食用のフルーツを出し、2人でフルーツを切り始めた。
なんとなく話しかける事ができずに、お互いもくもくと作業をこなす。
今日のナギはここに来た事も怒らないし、野菜やフルーツの鮮度の事も言ってこない。
やっぱり疲れて辛いのかな…
チラっとナギの顔を見上げるヒロイン。
ナギ
「悪いな」
視線に気づいたのか、ナギが声を掛けてきた。
ヒロイン
「んーん、手伝えて嬉しいよ?」
ヒロインは本当に手伝えた事が嬉しくて、心の底から笑った。
するとナギはパタっと包丁を置き、ヒロインを後ろからギュッと抱きしめた。
突然の事にヒロインは、持っていたフルーツを落としそうになる。
ヒロイン
「ナ、ナギ? どうしたの??」
こんなに近くにナギの体温を感じ、普通にしてる事はできない。
ヒロインは、自分の体がどんどん熱くなっていくのを感じた。
胸の鼓動が早くなる。
ナギ
「やばい…眠い…」
ヒロイン
「!?」
ヒロインの左肩にナギは顔をうずめながら言った。
包丁を持った途端、キリ~っとした顔で立ってたのに、この甘えっぷりにキュンとするヒロイン
ヒロイン
「クスクス いいよ
切るくらいならできるし、先にお部屋で寝てて?」
ナギはすっと体を離した。
ヒロインは急にナギの腕から離され、少し寂しい気持ちが湧いてきた。
(ダメダメ!ナギは眠いんだから!!)
引き止めてしまいそうな自分に言い聞かせて、ナギを見送ろうと振り返ると、
ナギはドカっと壁際の椅子に座った。
ナギ
「なんか…目ぇ覚める事…して…」
ヒロイン
「えぇ!!?」
(そんな急に…)
今にも寝てしまいそうなボンヤリとした目でヒロインを見つめるナギ。
(ど、どうしよう… ん~~~~
あっ!!!!)
何かをひらめいたヒロインは
ヒロイン
「ね、ナギ! それじゃ目、閉じて?」
ナギ
「あ? 閉じたらやばい…」
ヒロイン
「いーから!」
眉間にしわを寄せながら目を閉じるナギ。
ヒロイン
「じゃぁいくよ? なんのフルーツだ?
あ~んして??」
そういうとナギはパっと目を開けた。
ナギ
「お前何しようとしてんだ?」
ヒロイン
「えっ? フルーツ当てゲーム」
ヒロインの悪気のない素直な答えに、ナギは はぁ…とタメ息をついて、右手で顔を覆った。
(こんなの誰にも見せれねぇ…)
ヒロイン
「? はい!ナギ目、閉じてってば!!」
楽しそうにニコニコしているヒロイン。
ナギはそんな顔をみて、もうやめる気はないと感じ
コイツがこんな顔するなら…と腹を決め目を閉じた。
ヒロイン
「何のフルーツだ?」
目を閉じたナギの口に、ヒロインはさっきナギと一緒に切ったフルーツを入れた。
ナギ
「お前… オレをバカにしてんのか?」
ヒロイン
「えぇ!!? そ、そんなつもりはないよ!」
目を開けたナギは、ギロっとヒロインを睨んだ。
(お、怒らせちゃったかな。。)
一瞬ピリっとした空気が流れ、調子に乗り過ぎたかも…と思った矢先…
ナギ
「…キウイ…」
ヒロイン
「!?」
文句を言いながらも答えてくれるナギに、ヒロインはクスクスと笑いが込み上げてしまう。
(ナギやっぱりかわいい♡)
ヒロイン
「じゃぁ次! はい!」
ナギ
「…オレンジ… って、こんなんじゃ目ぇ覚めねぇよ…」
ふっと笑いながら話すナギ。
目の前で見たヒロインは、ナギの優しい笑顔にドキドキしてしまった。
(ナギに…触りたいな…)
まだナギとキス以上の関係を持っていないヒロインは、
さっき抱きしめられた余韻が体に残っていた。
ヒロイン
「…じゃぁ、次…ね?」
ナギ
「…まだやるのか?」
そう言いながらも目を閉じ
フルーツを入れやすい様に、少し口を開いているナギ。
ヒロイン
「い、いくよ?」
チュ☆
ナギの上唇に軽く当たるだけの軽いキス。
(あ…れ? 反応が無い…
強引過ぎてナギ引いちゃったかな…??)
自分でしたコトながら、もしかしたらスゴイ大胆な事をしたんじゃないかと
考えれば考えるほど顔が熱くなるヒロイン。