tasting
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ヒロイン
「ナギ遅いな…」
夜も深まり、ベッドボードに背中を付け本を読んでいるヒロイン。
今夜も明日の仕込みに出かけたナギをベッドで待っていた。
毎日大量の仕込みをしているナギに、「手伝う!」 と、いつも声を掛けるものの
「お前は寝てろ」 とか 「気にするな」 と言われ、結局ベッドで待つしかできない。
その上「待つ」どころか、大抵がそのまま寝てしまい、仕込みが終わったナギに労いの言葉を掛けられた事は、数少ない…。
(でも…今日はなんか遅過ぎない??)
ちらっと時計を見ると、いつも自分が寝入ってしまう時間を過ぎている。
(何かあったかな…)
少しの心配とナギに会いたいという気持ち。
数時間前まで一緒にいて、オヤスミのキスまでしたのに、もう会いたくなってる。
ヒロインは、そんな自分に ふっと笑って、読んでいた本をパタンと閉じて、
ベッドを降りた。
キィィ… と静かな音を立ててドアを開けると、
静まりかえった船室の廊下。
どの部屋からも明かりは漏れてないようだ。
(みんな寝たみたい…)
そう思うと、やはりナギの帰りがいつもより遅い事に、胸がドキドキし始める。
急ぎたい気持ちと、みんなを起こさないようにという気持ちで
ヒロインの足取りは、ゆっくりだがかなりの大股だった。
===================
キッチンの扉の前に着くと、少し開いたドアからは明かりがもれていた。
そっと中を覗くと…
姿が見えない…
それよりも毎晩何度となくナギの様子を伺いに来ては、気配に気づかれ追い返されていたのに、
今日は自分がここにいる事を気付かないナギに胸がギュッっとなり、ドアをギィっと開けた。
すると、さっきの位置では見えなかったナギの姿を見つけた。
ナギは椅子に座り、腕を組みながら壁にもたれて頭を下げていた。
その姿にヒロインは ホッとし、近寄るとスーっと浅い寝息を立てていた。
(ナギ…最近疲れてそうだったもんね…)
ヒロインは、ナギの前にしゃがみ込み、バンダナから出ているふわふわの茶色い髪や、整った顔
意外にも長いまつ毛、寝てるのにキリっとしてる眉毛を見て、 ふふふっと微笑んだ。
(ナギかわいい♡)
いい香りの立ち込めるキッチン
クンクンと犬の様に、鼻をひくつかせると、
火の付いたコンロの上に、お鍋が乗っていた。
慌ててコンロの火を消し、お鍋の中を覗くと
沸き立ったミネストローネが入っていた。
ヒロインは、近くに置いてあったおタマで、お鍋の中をかき回す。
(いつから煮込んでたのかな…
でもスープも量減ってなさそうだし
野菜も煮えてるし…)
少しだけすくって、フーっと息をかけてから味見をすると、
あまりの美味しさに声を出してしまう所だった。
こんな事をしていても一向に起きないナギを見ると、やはり疲れてるんだと
ヒロインは、申し訳ない気持ちになった。
何も言わないけど、ナギは私を気にかけて
いつもたくさん助けてくれてる。
私のせいで余計な心配掛けてるよね…。
どんなに断られても、明日から仕込みを手伝おう!
ナギの寝顔を見ながら、そう誓うヒロイン。
(もう仕込みって全部終わったのかな…)
調理台の上にある、朝食のメニューのメモを手に取る。
(あっ! サラダの野菜切っておくと楽だよね!
野菜は切った時から鮮度が落ちるって言ってたけど、
今日のナギは分かってくれるはず!!)
そう思い、ヒロインはそっと冷蔵庫から野菜を取り出し
起こさないように野菜を切り始めた。
いつも音や気配に敏感なナギからはとても考えられない眠りの深さに、ヒロインは申し訳ない気持ちでいっぱいになった。。
自分が思っているより、ナギに負担を掛けているんじゃないか…
考えれば考えるほど、鼻の奥がツンっとして
ジワッと目に涙が浮かび、手元が滲んでよく見えなくなってくる。
自分の背中の後ろには大好きな人がいるのに、私はこんな事しかできないのか…
ヒロインの頭の中は、グルグルと色んな想いが巡り、涙がこぼれそうになった。
「ナギ遅いな…」
夜も深まり、ベッドボードに背中を付け本を読んでいるヒロイン。
今夜も明日の仕込みに出かけたナギをベッドで待っていた。
毎日大量の仕込みをしているナギに、「手伝う!」 と、いつも声を掛けるものの
「お前は寝てろ」 とか 「気にするな」 と言われ、結局ベッドで待つしかできない。
その上「待つ」どころか、大抵がそのまま寝てしまい、仕込みが終わったナギに労いの言葉を掛けられた事は、数少ない…。
(でも…今日はなんか遅過ぎない??)
ちらっと時計を見ると、いつも自分が寝入ってしまう時間を過ぎている。
(何かあったかな…)
少しの心配とナギに会いたいという気持ち。
数時間前まで一緒にいて、オヤスミのキスまでしたのに、もう会いたくなってる。
ヒロインは、そんな自分に ふっと笑って、読んでいた本をパタンと閉じて、
ベッドを降りた。
キィィ… と静かな音を立ててドアを開けると、
静まりかえった船室の廊下。
どの部屋からも明かりは漏れてないようだ。
(みんな寝たみたい…)
そう思うと、やはりナギの帰りがいつもより遅い事に、胸がドキドキし始める。
急ぎたい気持ちと、みんなを起こさないようにという気持ちで
ヒロインの足取りは、ゆっくりだがかなりの大股だった。
===================
キッチンの扉の前に着くと、少し開いたドアからは明かりがもれていた。
そっと中を覗くと…
姿が見えない…
それよりも毎晩何度となくナギの様子を伺いに来ては、気配に気づかれ追い返されていたのに、
今日は自分がここにいる事を気付かないナギに胸がギュッっとなり、ドアをギィっと開けた。
すると、さっきの位置では見えなかったナギの姿を見つけた。
ナギは椅子に座り、腕を組みながら壁にもたれて頭を下げていた。
その姿にヒロインは ホッとし、近寄るとスーっと浅い寝息を立てていた。
(ナギ…最近疲れてそうだったもんね…)
ヒロインは、ナギの前にしゃがみ込み、バンダナから出ているふわふわの茶色い髪や、整った顔
意外にも長いまつ毛、寝てるのにキリっとしてる眉毛を見て、 ふふふっと微笑んだ。
(ナギかわいい♡)
いい香りの立ち込めるキッチン
クンクンと犬の様に、鼻をひくつかせると、
火の付いたコンロの上に、お鍋が乗っていた。
慌ててコンロの火を消し、お鍋の中を覗くと
沸き立ったミネストローネが入っていた。
ヒロインは、近くに置いてあったおタマで、お鍋の中をかき回す。
(いつから煮込んでたのかな…
でもスープも量減ってなさそうだし
野菜も煮えてるし…)
少しだけすくって、フーっと息をかけてから味見をすると、
あまりの美味しさに声を出してしまう所だった。
こんな事をしていても一向に起きないナギを見ると、やはり疲れてるんだと
ヒロインは、申し訳ない気持ちになった。
何も言わないけど、ナギは私を気にかけて
いつもたくさん助けてくれてる。
私のせいで余計な心配掛けてるよね…。
どんなに断られても、明日から仕込みを手伝おう!
ナギの寝顔を見ながら、そう誓うヒロイン。
(もう仕込みって全部終わったのかな…)
調理台の上にある、朝食のメニューのメモを手に取る。
(あっ! サラダの野菜切っておくと楽だよね!
野菜は切った時から鮮度が落ちるって言ってたけど、
今日のナギは分かってくれるはず!!)
そう思い、ヒロインはそっと冷蔵庫から野菜を取り出し
起こさないように野菜を切り始めた。
いつも音や気配に敏感なナギからはとても考えられない眠りの深さに、ヒロインは申し訳ない気持ちでいっぱいになった。。
自分が思っているより、ナギに負担を掛けているんじゃないか…
考えれば考えるほど、鼻の奥がツンっとして
ジワッと目に涙が浮かび、手元が滲んでよく見えなくなってくる。
自分の背中の後ろには大好きな人がいるのに、私はこんな事しかできないのか…
ヒロインの頭の中は、グルグルと色んな想いが巡り、涙がこぼれそうになった。
1/4ページ