一番好きなものは…
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ヒロイン
「ふぁ~! ナギお疲れ様ぁ!!」
大量の片付けを終えて、やっと風呂にも入り
ヒロインはベッドへ倒れ込んだ。
ナギ
「ふっ、お疲れ」
先に風呂に入ったナギは、ベッドに入り
ベッドボードに背中をつけて本を読んでいた。
ヒロイン
「あっそうだ!! ナギにもらったコート着てみよ♪」
ヒロインは嬉しそうに袋からコートを出すと、袖を通してベッドの横に立った。
ヒロイン
「ホントにすっごい可愛いコート!!
ナギ?かわい??」
そう聞かれナギは読んでいた本をパタリと閉じ、ヒロインを見た。
思った通り、とても似合っていた。
ナギ
「あぁ…似合ってる」」
ヒロイン
「ホント!? 嬉しい!!
それにしてもサイズぴったり!」
腕を伸ばしたり、丈を見たりしている。
ナギ
「…当たり前だろ…」
ヒロイン
「?」
ナギは体を動かし、ベッドの上であぐらをかいた。
ナギ
「…お前に似合いそうなコート見つけたけど、女もんの店に入るなんてできねぇし
あきらめようとしたら、お前の背丈にそっくりな女とすれ違って…」
ナギは恥ずかしそうにガシガシっと頭をかく。
ナギ
「頼んで買ってきてもらったんだ…」
そこまでして、このコートをプレゼントしようと考えてくれたことに感動するヒロイン。
ヒロイン
「じゃあ…ハヤテさんが見たのって…」
ナギ
「…多分その時だろうな…」
ヒロインは少しホッとした。
信じていたとはいえ、本当の事を聞いてやっと安心した。
ヒロイン
「ナギ、ホントにホントにありがとう♡」
その笑顔がとても可愛く、ナギは抱きしめたい衝動に駆られる。
ナギ
「…もう脱いでこっち来いよ」
ヒロイン
「あっうん…あとね、私からもプレゼントあるの」
そういってナギに差し出したお皿の上に
ひとり用の小さなケーキが乗っていた。
ヒロイン
「ナギの好きなイチゴのショートケーキだよ?」
小さな円形のケーキの上にイチゴとブルーベリーが乗っていて
粉砂糖と星型のチョコが数個散りばめられていた。
ヒロイン
「あれ? もうオナカいっぱいだよね…
明日食べて? 冷蔵庫に置いて…」
何の反応を返してくれないナギに、ヒロインは喜んでもらえなかったと
少ししょんぼりしてしまう。
ナギ
「…今食う…」
ナギは皿を受け取った。
ナギ
「オレのはないって言ってたのに…」
ヒロイン
「あ…うん
ナギのだけスゴイ気合入れて作ったから恥ずかしかったの…」
ギシッとベッドが軋み、ヒロインが向かい合わせに座ってきた。
ナギはじっとケーキを見つめた。
自分だけ特別に作ってくれたと思うと、なんだか嬉しさが込み上げてくる。
ヒロイン
「…あんまり嬉しくない?」
薄い反応にヒロインは不安になってくる。
ナギ
「…いや…めちゃくちゃ嬉しい
あんま顔に出ないように我慢してた」
ヒロイン
「!?」
顔の赤いナギを見て、ヒロインは驚いたが
その可愛い態度に笑みがこぼれた。
ナギ
「なっなんだよ!」
ヒロイン
「ふふっなんで我慢してるの?
ナギ…可愛い! クスクス」
ナギ
「!!!」
ナギはまたしても恥ずかしそうに目線をケーキに移し
少し乱暴にケーキにフォークをさした。
ナギのこういう可愛い行動が、堪らなく愛しく感じる。
ヒロイン
「おいし?」
一口食べたナギの様子をまじまじと見つめた。
ナギ
「…食いづらい…」
ヒロイン
「あ…そうだよね…」
前のめりにナギの反応に食いついていた事が恥ずかしくなり
ヒロインはすごすごと、体勢を戻した。
ナギ
「美味い」
ヒロイン
「ホント!!?」
ナギ
「あぁ…」
ヒロインは嬉しくて嬉しくて、ナギの目の前で大喜びした。
ナギ
「くはっ! お前そんなに嬉しいのかよ?」
ヒロイン
「うん!! だってナギの方がケーキ作るの上手いから
すっごい緊張してたの!」
可愛らしくいつまでも喜んでいるヒロインを見て、ナギもつられて微笑んでしまう。
ナギ
「ん…食ってみろよ?」
そういってナギがフォークにケーキを一口すくってくれた。
ヒロイン
「あ…うん…」
初めてナギから食べさせてもらう。
ドキドキと胸が鳴り、なんだかナギの前で口を開けるのが恥ずかしい。
パクッと小さな口で食べた。
ヒロイン
「…おいしい…」
ナギ
「な? ふっ、お前クリームついてる」
小さな口で食べたのが祟って、口の横にクリームがついてしまったヒロイン。
ナギは笑いながら、スッと親指でクリームを取ると
そのままペロッと舌で舐めた。
ナギ
「クリームの固さがちょうどいいな」
ヒロインはそのナギの動作に見とれてしまった。
今日はもうこの部屋で2人きりだ。
みんなあれだけ飲んでいたし、きっともう寝ただろう。
ナギに触れたい…
ナギ
「? どうした?」
ヒロイン
「あっいや…あの…キャッ!」
急に手をグッと引かれて、ナギの胸に引き寄せられた。
ナギ
「…お前は隠すの下手だって言ったろ?
ここでケーキ一緒に食えばいい…」
ナギはそう言って、あぐらをかいた足の間にヒロインを座らせた。
ヒロイン
「…うん…」
慣れてるはずのナギとの距離に、今日は緊張してしまう。
ナギ
「このチョコは?」
ヒロイン
「あっ!さすがだね!
それカカオ80%のチョコなの!
ケーキ甘いから、このくらい苦い方が合うでしょ?」
ナギは星型のチョコを口に入れた。
ヒロイン
「あれ? ナギ、イチゴ食べないの?」
ケーキはもう食べ終わったのに、お皿にはイチゴが残ってる。
ナギ
「あ? 今食うんだよ」
ヒロイン
「…もしかして、好きなもの最後までとっておいたの?」
ナギ
「わ、悪いかよ!」
またしてもナギの照れた顔を見て、ヒロインは思わず吹き出してしまう。
ヒロイン
「あははっナギ可愛い!!」
ナギ
「っ! お前は何度も何度も…」
そう言って睨んできても、赤い顔をしているナギはちっとも怖くない。
ヒロイン
「ふふっじゃあ…」
ヒロインは最後のイチゴを手に取った。
ナギ
「お前! なんだよ…オレにくれたケーキじゃないのかよ?」
ヒロイン
「…そうだよ?
だから、ナギの一番好きなものは最後に食べて?」
ヒロインは恥ずかしそうにイチゴを口にくわえた。
上目使いでナギを見つめるヒロイン。
ナギはこんなかわいい事されて、もう黙ってる訳にはいかない。
ナギ
「…食っていいのか?」
コクンッと頷くヒロインを見て、ナギはそっと唇を近付け、イチゴを食べると
そのままヒロインの唇を舌でこじ開けた。
ヒロインの口にも甘いイチゴの味が広がる。
ヒロイン
「ん…はぁ…」
やっと唇が離れると、ヒロインはトロンとした目でナギを見つめていた。
そっと頬に手を掛け、ナギはとびきりの笑顔をヒロインに向けた。
ナギ
「ふっ、すげぇ甘い…」
2人で見つめ合うと、自然と笑顔になり
もっともっと甘い夜を過ごすのだった。
☆END☆ おまけ&あとがき⇒