一番好きなものは…
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しばらくすると、大きなピンクの紙袋を提げたナギが戻ってきた。
ヒロイン
「ナギ!」
ヒロインを見ると、大人しくトワに抱きしめられている。
ナギはドスドスと大股でヒロインの元へと行くと
抱きついているトワを引きはがした。
ナギ
「お前は何大人しく抱かれてんだよ!?」
目の前でものすごく怒られているのだが、
そんな事は耳に入らなかった。
ナギ
「聞いてんのかよ?」
ヒロイン
「…あ…」
ヒロインはコクンと頷くと俯いた。
ナギが不思議そうに立っていると
シン
「…で? 浮気してんのか?ナギ?」
シンが意地の悪い笑みを向けてくる。
ナギを信じているはずなのに、やっぱり不安は拭えない。
本当の事を聞きたいような聞きたくないような…
ヒロインもハヤテのように部屋を飛び出して行きたい気持ちだ。
ナギ
「…はぁ… ヒロイン!」
ヒロイン
「?!」
ナギはタメ息をつきながら、提げていた紙袋をヒロインに渡した。
ナギ
「…開けてみろ」
ナギはトワを席に戻すと、ドカッとヒロインの隣へ座った。
ヒロインはそっと袋を開けて、中に入っていた物を取り出した。
ヒロイン
「ナギ…これ…!?」
ショート丈のキャメル色をしたダッフルコートだった。
フードがついていて、内側はボアになっている。
とっても暖かそうだ。
驚いてナギを見つめるも、一切話そうとしない。
ソウシ
「…そういう事か…」
シン
「だからアイツはバカなんだ…
早とちりもいいトコだな」
ヒロイン
「???」
ソウシもシンも何が分かったというのだろうか?
リュウガ
「…やっぱりな! ナギがそんな事できるはずがねぇよ!
そうかそうか、じゃコレはオレからのクリスマスプレゼントだ!」
そう言って話しに全くついていけてないヒロインに
かわいくラッピングされた袋を渡した。
ヒロイン
「え? わ、私にですか?」
リュウガ
「当たり前だろ!? ヤロウにあげて何の得があんだよ」
ナギにもらったコートの意味も不明だし、リュウガの言っている事も分からない。
不安げにナギを見つめても、横を向いたままだ。
ヒロインはコートを膝の上に置くと、リュウガにもらったプレゼントのリボンを解いた。
ソウシ
「かわいいラッピングだね!」
ヒロイン
「ホントですね!船長もしかしてコレ買う為に朝から出かけてたんですか?」
リュウガ
「なかなかいいのがなくてよぉ!
何軒も回ってたら、スッカリ遅くなっちまった!」
ニカッと笑うリュウガ。
そこまでしてプレゼントを探してくれた事に感動した。
ヒロイン
「嬉しいです! なんだろう…」
カサッと中身を取り出すと、細いリボンのような物がでてきた。
ヒロイン
「? なんですか?コレ…」
そう言ってしっかりと広げると、
かなり際どいTバックのショーツだった。
クリスマス仕様なのか、かろうじてある布の部分は赤いベロアで出来ており
レースの代わりに、白いファーが上品についていた。
広げた時一緒にテーブルに落ちたブラジャーは、
とても機能するとは思えない程、布がなく
むしろヒモとして使った方がよっぽど使えそうだ。
胸の先端部分にしか布はなく、ショーツと一緒で
こちらも赤いベロア生地に、気持ち程度のファーがついていた。
リュウガ
「これでサンタの帽子かぶってたら堪らねぇだろ?」
そう言って、被っていたサンタ帽をポスッとヒロインに被せる。
ヒロイン
「も、もう!!朝から探し回って何してるんですか!
こんなの着れません!!」
真っ赤な顔をして、ヒロインはバンッと机に置いた。
トワ
「うわわぁ~こんなサンタしゃん来たら
僕おかしくなっちゃいます~」
ソウシ
「そうだね
でもヒロインちゃんが着たら、
スゴく似合いそう!」
シン
「ナギは意外にこういうの好きだぞ?」
リュウガ
「なっ?なっ? 男だったら一度はこんなサンタ見たいよなぁ」
そのやりとりに驚き、ナギを見ると
呆れた顔でリュウガを見ていた。
ナギ
「…船長の趣味押し付けないでください」
リュウガ
「あぁ? なんだお前、まさか嫌なのか?
はーん、お前下着は白がいいとかそっちタイプか??」
ナギ
「………」
ソウシ
「そうなの? ナギはてっきり黒とか好きなのかと思った」
シン
「それか、すぐ脱がせるから何でもいいタイプだな…」
ヒロイン
「な、なんの話してるんですか!!
私、ケーキ持ってきます!!!」
ヒロインはプリプリ怒りながら、食堂を出て行ってしまった。
リュウガ
「なんだよ…着けてくれねぇか…」
ソウシ
「ホント残念だよね」
シン
「船長のチョイスには驚かされますね
絶対本人では買わないだろうし」
リュウガ
「だろ? これ着けてよぉ
『ナギ、プレゼント私じゃダメ?』とか言われたら堪らないだろ?!」
リュウガにそう言われて、想像してみるナギ。
確かに堪らなく興奮していまいそうだ。
これだったら、脱がせないで着けたまま…
ナギは暴走しそうな欲情をグッと抑えて
リュウガの誘惑に負けないよう冷静に答えた。
ナギ
「…別に…」
リュウガ
「ウソだろ?! なんだよぉお前がそんなじゃ
ヒロインぜってぇ着けてくれねぇじゃんかよ…」
トワ
「そうれすよ! みんなで覗けないじゃないれすかぁ!
ねぇせんちょー?」
トワの言葉に、空気が凍りついた。
リュウガ
「バ、バカ! いや違うナギ!
お、落ち着けって!!
一回それテーブルに置けって!」
ナギ
「…言うことはそれだけですか?」
ソウシ
「トワのせいで台無し~」
シン
「酔っ払いに何言っても無駄ですよ…
ま、ヒロインに着せる為に協力してやってもいいぞ?」
ニヤニヤと笑うソウシとシン。
ナギは鎖鎌を持つ手にグッと力が入った。
すると食堂のドアが開き、ヒロインが戻ってきた。
ヒロイン
「あれ…? 何事?」
リュウガは怯えて椅子の背もたれに隠れ、
ナギは鎖鎌を握りしている。
その横で悠々と酒を飲んでるソウシとシン。
そして机にうなだれているトワ。
ヒロインは状況がさっぱり掴めなかったが、
ハヤテがまだ戻って来ていない事に気づき
ケーキ皿とフォークをテーブルに置くとハヤテを探しに出た。